[旧作]夢と外道とスクールアイドル【無期限更新停止】 作:48パンプキン
友達ができた!
中学生になった!
ダンスをした!
『只今より、平成〇〇年度、私立星望高等学校 第46期生 入学式を挙行致します。』
どうも、梨里杏です。遂に私も華のJKになりました。私はパパが理事長を務めるこの星望高校。杏樹は…訳あってことりちゃんのお母さんが理事長をしている国立音ノ木坂学院へ、それぞれ進学した。
「第46期生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの―…」
んで今は、理事長であるパパが祝辞を述べているところなんだけど…
「さて、皆さんは、これから人生の、新たなスタートラインに、つくわけですが―…」
なんかいちいちこっちをチラチラ見ている気がする。顔もこころなしかにやついてるし。たしか新年生って500人気くらいいたと思うんだけど、なんで私のいるところがピンポイントで分かるんだろう。
「という思いを込め、祝辞とさせていただきます。」
祝辞がおわった。ってことは次は…
『新入生 誓いの言葉。新入生代表、1のD 優木梨里杏。』
「はい。」
私の出番だ。でも入試の成績もいまいちだし、点数が高い人とか、評定が私より良い人はたくさんいると思うんだけど、なんで私なんだろう?
「誓いの言葉。春の麗らかな―…」
『以上を持ちまして、平成〇〇年度、私立星望高等学校 第46期生 入学式を終了致します。』
はーっ、やっと終わった。なんとか誓いの言葉もやり遂げたし、あとは教室に移動して話を聞くだけかなー。
1のD 教室
じーーっ。
うん。なんとなく予想はついてたけどさ、クラスメイトの視線がすごい。そりゃいきなり自分と同じクラスの子が大勢の前で自分達を代表としてしゃべってれば気になるよね。ここは共学だから、男子からのそーゆー目とか、女子からの威圧の目とか。こ、こぇ〜。担任の先生はやく来て〜。
「はーいみなさん着席してくださぁ〜い。」
先生かな?た、たすかった!
「皆さんのクラスの担任をします、二階堂 悠と言います。担当は現代文。1年間よろしくね〜」
なんだかユルッユルの先生だなぁ〜。悪い人では無さそうだけど、大丈夫かなぁ。
「さっそくだけど自己紹介してもらおうかな。じゃあ1番の絢瀬さんからー。」
「…はい。曽地中出身、絢瀬絵里です。ロシアと日本のクォーターです。よろしく。」
はぇ〜。かわいいな子だなあ。スタイルもいいし、こんなきれいな子がいるなんて世界は広いなぁ……なんて考えてる場合じゃなかった!私も自己紹介考えないと!
「はぁーい、じゃあ最後、優木さん。」
「は、はい!」
え!?まだ全然考えてないよ〜!もう、こうなったらなるようになれ!
「えっと、宇多野中出身、優木梨里杏です。好きなことは歌を歌うこと、趣味はピアノ、苦手なものは甘いもので、嫌いなものはきのきょ!〜〜っ!」
舌かんだー!な、なんとかおわらせないと…
「ひょ、ひょろしくおねがいしましゅ……」
う、うまく舌が回らなかった。おわった。穴があったら入りたい。
『あはは!』『優木さん面白い!』『座布団一枚!』
「ははは、さすがは新入生代表だね。うん、じゃあ優木さんが和ませてくれたところで、今日はおしまい!明日は実力テストだから忘れないようにねー。それじゃ、さよーならー」
え…何が起きたんだろう。恐くて顔を上げられない。
「ねぇねぇ、優木さんってば!」
「え、は、はい!」
顔を上げたら自分の周りにクラスメイトが集まっていた。
「優木さんって面白いね!私ツボに入っちゃった!」
「入学式での誓いの言葉、すごくかっこよかったよ!」
「あの、このあと僕とお茶でも…」
「おい!ずるいぞ抜け駆けすんなよ!」
「みんな待って!優木さんが!」
「あ、あうう…」
だめだ、初対面のことりちゃん状…態……ガクッ。
「わー!優木さんー!」
消える意識の中で見えたのは、遠目から私をみる、絢瀬さんの氷のような冷たい目だった。
放課後
う、うぅ〜ん、一体なにかどうなったんだっけ…。
「りりあぁ〜。だぁいじょうぶかぁ〜??」
「きゃー!ヘンタイー!」
バチーン!
「あれ?この感触はもしかして…。」
「ひ、ひどいじゃないか、りりあぁ。パパだよぉ。」
あ、やっぱり!何度となく触られたからわかった。
「パパごめん!」
「まぁ、目覚めたばっかだし、仕方ないよ。具合は大丈夫かい?痛い所とかない?」
「うん、大丈夫みたい。てか、ここはどこ?」
「ここは保健室よ。あなたのクラスメイト達がここに運んできてくれたのよ。明日お礼言っときなさいね。」
なんか綺麗なお姉さんが出てきた。そうか、明日みんなにお礼しないと。
「自己紹介が遅れたわね。私はこの学校の保健医の真城よ。よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
「それよりも梨里杏の具合だ!念のためにここらで大きい病院…そうだな、西木野さんのとこ辺りに診てもらおうか。」
「いやいやお父さん!そこまでしなくても大丈夫だよ!」
大げさすぎるよ!それに注射とかやだし。
「理事長先生、娘さんも大丈夫って言ってますし、私がみる限りでもそんな大きなケガとかはありませんから、大丈夫だと思いますよ。」
「そ、そうか。梨里杏、本当に大丈夫なのか?」
「パパは心配性すぎるの。本当に大丈夫だよ。」
ぶっちゃけだめならだめって言うしね。
「なら良かった。本当に驚いたんだからな。」
「ごめんってば。さすがに緊張しすぎたみたい。」
「ふふ、かわいい娘さんをもちましたね。理事長先生。」
「そう思うか!?そうだろうそうだろう!梨里杏はな……。」
あーまたはじまったよ自分語りならぬ娘語り。親バカもここまでくると尊敬のレベルだよ。はぁ、終わるまで待つか…。
翌週、昼休み
クラスの友達とランチタイムなう!JKみたいだ!あ、JKか私。あの心体を犠牲にした自己紹介のおかげで、うまくクラスにも馴染めたしよかった。
ぴんぽんぱんぽーん。
『生徒の呼び出しをします。1のD 優木さん。至急校長室に来て下さい。』
…え?
「梨里杏ちゃん、大丈夫?なんかやらかした?」
「わかんない。とりあえずいってくるね…」
「りっちゃん、がんば!」
「ありがとう…」
友達にあだ名で呼ばれる喜びを感じながら、私は校長室へ。てか校長先生ってたしか理事長の部下って感じの人だよね?いざとなったら娘パワーを…ふふっ。
校長室
「失礼しまーす…」
「やぁ、よく来たね。私はこの学校の校長の吉田昇だ。君のことは理事長先生からよく聞いているよ。」
パパから?それ大丈夫な情報かなぁ。
「あぁ、安心したまえ。変な話は聞いてないよ。聞いたとすれば君が小3までおねしょをしていたことくらいだ。」
「わー!!」
それは黒歴史!おねしょなんてしたくないのに、体か逆らえなかったあのくやしさ…え?ことりちゃんと出会った時の朝もしてたのって?いや、その、えっと…禁則事項!
「まぁ、そんなことはいいんだ。」
そんなこと!?私の人生最大の汚点なのに!
「今日君に来てもらったのは、1つお願いしたいことがあるんだ。」
「お願いしたいこと。」
「ああ。この学校では、入学式の誓いの言葉で新入生代表になった生徒に、学校の宣伝大使として1年間活動してもらっているんだ。」
へぇ、そんなことしてるんだ。ん?てことはまさか…
「そこで君には今年の星望高校の宣伝大使になってもらいたいというのが今日のお願いなんだ。」
「お断りします。」
「ありがとう!これで、ってえ!?やらないの!?」
「うーん、私、人前に出たりするのはちょっと…。」
実はあのダンス以来、人前に立つのは今日の誓いの言葉が久々だったのだ。
「んー、困ったな。本当は生徒の意見を優先して、宣伝大使は他の生徒にやってもらっているんだが、実はもう、君の名前で学校説明会に出席すると言ってあったりして…」
「はぁ!?誰がそんなにことを!?」
「理事長先生、君のお父さんだ…」
文字通り力が抜けた。マジかよパパ。もはや怒りを通り越して呆れるよ。
「ま、まぁ大丈夫!なんとかなるよ!」
私のスクールライフ、どうなっちゃうんだろう……。
同時刻 国立音ノ木坂学院
「さぁ!優木あんじゅ!今日こそあなたに私とスクールアイドルやってもらうわよ!」
「やだ。めんどくさい。」
「ぬぁんですってぇ!?」
To be continued!→
次章予告!
「スクール、アイドル?」
「バレエ?とうの昔に捨てたわ。」
「夢は掴むものよ。私は絶対に諦めたりしない。あんたは?」
「歌なんて、ダンスなんてだいっきらい!」
「アイドルは、いつも笑顔でね!!」
第2章 「動きだした歯車」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。