醜くて美しい話  【超短編集】   作:彩風 鶴

3 / 5
注意

この作品は短編となります。
そのため1000文字で完結するお粗末なものです。
更に鬱的な描写や意味不明な描写などが含まれますのでそれらに耐えられる方のみ御閲覧をお願いします。

それでは、本編をどうぞ。


3・片想い

海よりも深く。

 

煮えたぎるマグマよりも熱く。

 

僕は、君を愛している。

 

 

 

君がこの愛に気付くことはない。

 

気付かせる必要もない。

 

この愛は壊してはいけないんだ、ずっとずっと僕の中で在り続ける。

 

 

それって素敵なことでしょう?

誰の手にも触れられない誰にも穢されることもなく永遠と変わらない。

美しく、美しく…………。

 

 

でも、それは今までの話だった。

 

君はあいつに夢中になってしまった。

 

僕だけがレンズを通して見ることができた君の体は、今はあいつが直接見ている。

 

君の日課のジョギング。僕はいつも遠くで眺めていたよ。

 

でもその時間、今じゃあいつと一緒に散歩をしている。

 

最後にあいつの家まで行って君はあいつにほほえむんだ。

 

「バイバイ。また明日ね。」

 

イヤホンから耳をくすぐるその声が僕をよがらせる。

 

それと同時に強く嫉妬し、憤怒した。

 

 

 

この愛は壊れないはずなんだ。

 

一生僕だけのもの。

 

いつまでも、いつまでも…………。

 

 

 

 

 

それなのに、あいつが邪魔をする。

 

あいつがいなければずっときれいな愛のままだった。

 

君は僕のもの。

 

ほかの誰でもない。僕のものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今。

 

君とあいつは同じ部屋の中にいる。

 

耳元で流れる甘い会話は僕の歩む速度を上げていく。

 

急に二人の会話にノイズが混じる。

 

盗聴器はカバンに着けているからそんなこと日常茶飯事だ。

 

でも、先ほどの会話の流れから察するにカバンを持ち上げたとかそんなことではないのだろう。

 

僕は素早くイヤホンを耳から外した。

 

そして君たちがいる部屋のインターホンに指をかける。

 

ピンポーン

 

少し間を空けてから、バタバタとこちらに走ってくる足音が聞こえる。

 

ガチャッ

 

「はい。どちら様ですか?」

 

不機嫌そうに出てきた顔。

 

思わず一度殴ってやりたかったがぐっと我慢する。

 

「はい。私、今日から隣に引っ越してきました三富士と申します。つまらないものですが良かったら。」

 

そういって折り詰めを差し出す。

 

「あぁ……それはどうも。」

 

ゆっくりとチェーンが外され扉が先ほどより大きく開かれる。

 

「それじゃあ……今、少したてこんでますの…………ッ!?」

 

首もとに当てたスタンガンが小さく音を立てた。

 

ドサッと前のめりに倒れ込む。

 

幸い悲鳴を上げられることはなかった。

 

これを入手するのには少々骨が折れたがその甲斐があったというものだ。

 

扉を閉めて家に上がる。

 

君がいるのは電気がついている目の前の部屋だろうか?

 

「どうかしたの?」

 

扉を開けた僕に君はこう尋ねた。

 

「何でもないよ。」

 

「え!?」

 

返ってきたのがあいつの声じゃなくて驚いたのだろう。君はすぐに振り向いた。

 

すかさずゆっくりとスタンガンを首筋に添える。

 

あいつに使ったのとは違うやつだから安心して……ちょっと痛いと思うけど……。

 

ぐったりと力の抜けた君の体を抱える。

 

次に倒れたあいつを処理した。

 

死体というのはひどい臭いがするものだ、何か香りの強いものはないだろうか?

 

そう思って家を探し回り、化粧品を見つけて遺体に全部放り投げた。

 

すぐさま辺りに独特の匂いが充満する。

 

もうここに用はない。

 

部屋の隅のゴルフバッグの中身を取り出して君をそこに寝かせた。

 

そして、僕は君を担いでその部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スッ……と。

 

物言わぬ君と唇を重ねた。

 

とても幸せな気分だ。

 

少し狭いかもしれないけれど、その分ずっと一緒にいられるでしょう?

 

このまま君と二人で、誰にも見つからず、誰にも邪魔されることなく腐っていけるのだ。

 

 

 

 

とても素敵なことだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。

なんかこう…………。やってしまった感が否めませんが彩風です。
今回は『片想い』という題名で書かせていただきました。

彩風は本格的に精神科医に行くべきなのではないだろうか?
そんなことを考えさせられたりもしたけれど、残念ながら私は元気です。


それでは、次回も良ければ覗きに来てみてくださいね。
閲覧ありがとうございました!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。