この作品は短編となります。
そのため1000文字で完結するお粗末なものです。
更に鬱的な描写や意味不明な描写などが含まれますのでそれらに耐えられる方のみ御閲覧をお願いします。
それでは、本編をどうぞ。
「やっほー、菜奈。今から部活?」
煩雑とした教室の隅で二人の女子生徒が会話を交わす。
「あ、芽衣!うん。今部室行くとこ……芽衣は?」
「今日女バス休みなんだ~。ってことで今から田上先輩とデート行ってきます!」
長いポニーテールを揺らしながら一方の少女が右手でピースをつくる。
「え~。いいね、リア充様は。」
優しそうな笑いを浮かべながらもう一方の少女が話す。
「菜奈だって彼氏ぐらい作れるでしょー。あ、でも菜奈は私のものだから絶対彼氏つくったら駄目だよ!?」
「あはは、そんなこと言ってると田上先輩嫉妬しちゃうよ。……あ、もうそろそろ始礼始まっちゃうから行くね。バイバイ!」
いすに座っていた少女は立ち上がり小走りに教室の出口へと向かう。
「うん!がんばってねー。」
「そちらこそ頑張れ!」
そして二人は手を振り合った。
「ねぇ……菜奈。ちょっと話したいことあるんだけど今日部活の後大丈夫?」
少女が静かに言った。
「え?あぁ……うん。大丈夫だけど?」
「この教室で待ってるから。」
短くこぼすと少女は足早に教室を去っていった。
教室内の騒音が残された少女を覆う。酷く五月蠅いはずなのに時間が止まったように静かなその空間は優しく彼女を包み込んだ。
「どうしたの芽衣?こんな改まって話って……?」
誰もいない薄暗い教室の中で二人は向き合う。
「どうしたのじゃないよ!?あんた自分が何したか分かってんの!?」
「ちょっと、落ち着いてよ。」
「ふざけないでよ!本当に信じらんない!よくもそんな平気な顔してられるよね!?」
ポニーテールを激しく揺らしながら今にも掴みかかりそうな勢いで少女がまくし立てた。
体は怒りで小さく震えており目尻には大粒の涙が浮かぶ。
「だから何があったの?ちゃんと話してよ!」
もう一方の少女も気圧されたように困り顔を浮かべながら言い聞かせた。
数秒の沈黙。
「これ……。菜奈でしょ……。」
ポケットから取り出したクシャクシャの写真を突き出す。
先程とはうって変わり静かな声で呟いた。
「……」
何も言わずに目を逸らす。
「なんで田上先輩と菜奈が腕組んでんの?ってかここ……先輩の家の近くだよね?どういうこと?説明してよ!!」
バンッと机を叩く音が教室にこだました。
それに応えるように静寂が続く。
「別に……誰でも良かったんだけどね。」
まるで他愛もない普段の会話のように、
「ただの遊び。ストレス解消。」
抑揚の少ない声で淡々と、
「ちょっと色目使ったら面白いくらい呆気なく騙されて……」
親友と会話するように……
「本当にどうしようもない人だった。」
「ふざけないで!!」
それは恐らくその人生の中で最も大きな声。
痺れるような、まるで時間が止まったような鋭い静寂が走った。
いつの間にか飛び出していた両腕は親友の首へと伸びていた。
動脈の動きが腕を通して伝わり、同期して鼓動が加速する。
「ケホッ……痛いじゃん、酷いなぁ。」
「謝ってよ。」
まるで抵抗する気は無いと示すようにそれは両手を上げていた。
「謝れって!」
語気が荒くなる。同時に腕の力も増していく。
「大丈夫、もうあの人にはちょっかいかけないから。」
何それ。
違うでしょ。
分かってるんでしょ。
早く……
「あの人、下手だし。」
初めて人の顔を殴った。
親友の顔を。
じんわりと気色悪い痛みが体中に染み込んでいく。
何度も。
何度も。
抵抗はされなかった。
ヘラヘラと笑ったままただ私に殴られ続けていた。
耳に残る嫌な言葉。
自分の声なのにまるで耳元で悪魔に囁かれるように不気味に聞こえた。
死ね
ゾワゾワと膨れ上がり脳内を犯していく。
それが本心ではないことなど分かりきっていたのに。
「分かってるんでしょ?ねえ?」
優しく静かに言い聞かせる。
「なんとか言ってよ。」
頬を伝って涙がそれの胸へと落ちる。
お互いにずっと前から気づいていた。
でもお互いに口には出せなくて。
お互いに傷つけて……。
「……」
それでも口を開いてくれなかった。
意地悪。
切なく心の中で呟いた。
ゆっくりとまた細い首に手をかける。
そしていっきに力を入れた。
「ガッ……」
短く喘ぐ声が、切なくこちらを見やる眼が、その全てがただただ。
愛おしい。
「見損なった。」
聞きたいのは2文字だけ
「屑。」
それだけ聞ければいいのに
「死ね。」
どうして言ってくれないの
「死ね。」
こんなにも好きなのに
「死ね。」
『好き』って言ってよ
「大嫌い」
大好き
いつの間にか首から外されていた腕は胸元に置かれていた。
滲んだ視界に飲み込まれて溶けそうな錯覚に陥る。
縋るように時間が過ぎるのを待った。
ただただ待った。
「大好きだよ。芽衣。」
「最低……。」
愛してる。
やっと言えた「I love you」は空気に溶けて、あとに残るのはただ静寂のみだった。
さて、久々に書いた短編です。
今回は『I love you』という題名で書かせていただきました。
こういう狂った同性愛は個人的にすごく好みだったりします。
とまぁ、変態丸出しの彩風です。
実は場面と場面の間に現実では2ヶ月という月日を経ていたりなどの理由で違和感があるかも知れません。
その場合は優しく罵倒して頂ければ幸いです。
それでは次回ももし良ければ覗きに来てくださいね!
閲覧ありがとうございました!