Mana-Khemia ~zwei alchemist 二人目の錬金術士~   作:村人A

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独自設定独自解釈その他諸々のオンパレード。

投稿周期、作れるといいな……


第五章 新しい仲間と父親の話
第16話 課題が面倒すぎてつらい。あと後輩が可愛いすぎてつ(ry


 ある日、いつものようにアトリエで時間を潰していると、フィロが錬金釜で何かを調合しているロクシスに話しかけていた。ここ最近ですっかりお馴染みとなった光景だ。

 

「ねぇねぇ、何作ってるの?」

 

「……ジャマしないでくれ。君には関係ないだろう」

 

「えー。教えてくれたっていいじゃない」

 

 ……相変わらずツンツンしてるなぁ。ロクシス。

 

 あ、そうそう。正式に同じアトリエになったから、ロクシスくん、じゃなくてロクシスって呼ぶことにした。理由は特にないけど。

 ロクシスがアトリエにやって来た後、みんなで歓迎会を開いたんだけど……反応が悪い悪い。

 

 結局、ロクシス以外のみんなが盛り上がって終わった気がするなぁ……。

 

「新学期早々、二人ともマジメねぇ……」

 

「もう新学期なのね~。新しい子が来たら、頑張って驚かさないと~」

 

「はは……ほどほどにね」

 

 やる気満々なパメラに、ヴェインが苦笑して返事をした。そっか、もう一年経ったのか。

 グンナルさんに捕まってから、一年。長いような短かったような。いや、長いんだけどね。

 

 一日一日が想像以上に濃かったんですよ。

 

 でもまあ、このアトリエにも大分馴れてきたし、グンナルさんが変なことしなければ大丈夫かな────

 

「離してください! 私、教室に行かないと……」

 

「教室に行ったところで、下らない話を延々と聞かされるだけだ」

 

 ────来ましたよ。グンナルさんが。しかも、何か厄介事の予感がする。

 だって、聞き慣れない女の子の声が一緒に聞こえてくるんだもん。あぁ、やっぱりグンナルさんが何かしたんだろうなぁ……(遠い目)

 

「困ります! 迷惑です!」

 

「この声……まさか……」

 

「……そのまさかだねぇ。また誰か捕まえて来たのかな……」

 

 ため息をついたと同時、グンナルさんが見知らぬ小さな女の子を連れてきた。

 ……猫の子みたいに、首根っこをがっしりと掴みながら。

 

「全員揃っているな。今年は活きのいいのを連れて来たぞ!」

 

「説明してください! いきなり連れてきて……なんなんですか!?」

 

「あー……グンナルさんの犠牲者が増えたぁ……」

 

 アトリエの扉をばたんと閉めると、グンナルさんは女の子を掴んでいた手を離して、いつもの仁王立ちで腕を組んだ。というか活きのいいって……魚とかじゃないんですから……。

 うん、これはアトリエに入れられる流れですね間違いない。ソースは私(を含むパメラ以外のアトリエメンバー)。

 

「グンナル君、無理矢理はダメよ~」

 

「無理矢理ではない。こいつは心の中で、ここに来ることを望んでいたのだ」

 

「入学初日でこのアトリエを知ってるワケないでしょうが……。ごめんね、うちの先輩(馬鹿)が」

 

 とりあえず、グンナルさんにナチュラルに殴りかかりながら女の子から引き離す。少しは自重しましょうよ、グンナルさん……。

 あ、避けられた。うーん、やっぱり簡単には勝てないかぁ。残念。

 

 せめて在学中に一発当てたいなー。

 

「わぁ、可愛いね。ねぇ、お名前は?」

 

「アンナ・レムリ……です」

 

「アンナちゃんね。わたしはフィロメール。フィロでいいよ」

 

 フィロのさりげなく言った『可愛い』というワードに照れたのか、大きな刀を抱き寄せながらアンナが答える。可愛い。

 ……っと、こっちも自己紹介しないとね。

 

「僕はヴェイン。よろしくね」

 

「私はリヴィ。一応ヴェインの姉やってます、よろしく」

 

「あの、自己紹介の前に……ここはどこです? なんで私はここに?」

 

 ごもっともですね。えーと、なんて言えばいいかな。

 

「ここはアトリエで、私たちが借りてる場所なんだ。毎日ここで勉強したりそこのグンナルさん(馬鹿)の無茶振りを聞かされたり調合したり、色々してるんだよ」

 

「君が連れて来られたのは……ほら、ああいう性格の人だから……」

 

 ヴェインが申し訳なさそうに俯きながら……というか、グンナルさんから視線を反らしながら、アンナの問いかけに答えた。

 うん、グンナルさんだからね。仕方ないね。

 

「……納得しました。アトリエを借りられるという話は伺っていましたし。ですが……」

 

「どうかした?」

 

 不思議そうに辺りを見回しているアンナに、ニケが素直に聞いてみた。

 すると、アンナちゃんはキリッとした顔で、ある意味言いづらいことをズバッと言った。

 

「……なんで、こんなに汚れてるんですか?」

 

「……そんなに汚れてる?」

 

「え? いつも、こんな感じだよね?」

 

 確かに、多少散らかっているとは思うけど……汚れてるってほどじゃないと思うんだけど……。

 

「失礼ですが、とても錬金術を行う場所とは思えません。お菓子の食べカスまで散らかして……もしかして、いつも遊んでいるんですか?」

 

「ひ、人聞きの悪い。ちょ……ちょっとした息抜きだよ」

 

「声が震えてるんですが……」

 

 おぅふ。

 

 アンナ、見た目に違わぬ真面目ちゃんだったでござる。

 

「アトリエは息抜きをする場所ではないと思います。そもそも……」

 

「堅いことは言いっこなしだ。入学初日からそれでは、三年間もたんぞ」

 

「散らかってる最大の原因が何を言うか」

 

 六割くらいあーたのせいでしょうが。

 

「先輩が、このアトリエの責任者なんですか?」

 

「責任者……あまりカッコいい言葉ではないな。部長、いやリーダーの方が……」

 

「呼び方はどうでもいいです。先輩が無責任だから、こういう状態なんですね。そもそもリーダーを名乗る以上、全員をきちんと管理、統括しなくては……」

 

 アンナから繰り出される正論の数々に、グンナルさんがたじろぐ。

 いいぞ、もっとやれ。

 

「そ、そう矢継ぎ早に喋るな。おい、お前たちからも言ってやれ」

 

「んっと……そろそろ帰ろうかー」

 

「あたしも、眠くなっちゃった~」

 

「この騒ぎでは研究になりませんね。先に失礼します」

 

 グンナルさんをほっぽって帰っていくみんなに、グンナルさんが拳を握りしめた。

 

「おのれ、薄情者どもめ。これまでの恩を忘れたか!」

 

「グンナルさん、自業自得って言葉知ってますかー?」

 

「ちゃんと聞いてください! 私を連れて来た以上は、それ相応の……」

 

「────三十六計逃げるに如かず! とぅ!!」

 

 真面目なアンナのもっともな指摘から、グンナルさんは走って逃げ出した。情けない。

 

「あ、待ちなさーい!!」

 

 そしてそれを追いかけるアンナもパワフルね。

 

「先輩がやり込められるなんて、初めて見たよ……」

 

「頼もしいストッパーが来たねぇ……」

 

 恐るべし、アンナ・レムリ。

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

 授業を受ける前に、学園内を見て回ってたんだけど……色々あったなぁ。

 

 ロクシスが親のいない子猫を拾ったり、グンナルさんが文字通り命懸けでアンナから逃げ回ってたり、フィロの鞄に四◯元ポケット疑惑が出たり。

 

 あと、最初の授業は果物採取でした。なんとブーメランをぶん投げて果物を採るそうな。……原始的。

 魔法のブーメランだから、絶対戻ってくるのは嬉しいけど。

 

 ……まあ、千年樹っていうまだ行ったことない場所だったから、ちょっと手こずったけど……。うん、そろそろ本腰入れて強くならないと勝てなくなってきたな。

 

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

「えーっと、錬金術の調合のやり方?」

 

「はい。本来ならば資料館の本で調べてもよいのですが、その……資料館は……」

 

「あー、パメラがいるもんなー……」

 

 ある日、アンナから課題についての相談を受けた。内容は、調合のやり方の種類についてだ。

 本当なら、アンナが言っている通りに資料館で調べた方が良いんだけど、今は新入生が入ってきたばかりで隠れているパメラが『構って~』とばかりにやって来るので集中できないのだろう。

 

 いや、しかし……こうして頼られると、なんだか本当に先輩になったって感じがするなぁ。こう、背筋が伸びるというかなんというか。

 

「それじゃ早速、課題についてだけど……アンナはもう、リフュールポットは調合したよね?」

 

「はい。確か、入学してから初めての課題でしたね。先輩方に手伝って頂いたので、ちゃんと評価は優を貰えました」

 

「そっか、それは良かった。えっと……調合とはモノとモノを組み合わせて新たなアイテムを作り出すことっていうのは習ったと思うけど……」

 

 ゼッテルを広げ、カリカリとペンで図を描きながら説明する。

 

「まず、調合には三つのやり方があるんだ。一つは、アンナが作ったリフュールポットとかみたいに、どれか一つ中心となる素材の効果を他の素材で引き上げるもの。これは、初歩的なアイテムがほとんどだね」

 

「なるほど……つまり、一つの材料にだけ集中できるため、調合は比較的容易に出来る。けれど、逆に言えば一つの材料の効果しか引き出せないから、アイテムの効果も低い……ということですか」

 

いえーす、ざっつらいと(その通り)! アンナは理解が早くて助かるよ」

 

「いえ、それほどでも……」

 

 にっこー、とアンナに微笑むと、恥ずかしそうに刀を抱き寄せて顔をほんのり赤くしていた。

 なにこれ可愛い。

 

「……ごほん。とりあえず、続けようか。二つ目は、アンナが言ったように表現すると、使う全ての材料の効果をお互いに引き上げるものかな。一つの材料だけじゃなくて、使う全部の材料に集中しないといけないから、一つ目より難易度は上がるね」

 

「なるほど……」

 

 ふむふむ、と頷きながら、アンナは自分用の紙にまとめていく。うわ、すごいきれいだなぁ。私のやつとは比べ物にならない。

 ……おっと、話を続けないと。

 

「……で、三つ目のやり方が一番難しくて、材料同士が起こす反応を利用して、全く別物、あるいは桁違いの効果を引き出すもの。まだレシピとかは知らないけど、エリキシル剤とかがこれに当てはまるみたい」

 

 しかも、アタノールでの調合も含めるともう少し補足とかが必要なんだけど、多分そっちは必要ないだろう。

 

 丁寧にぺこりとお辞儀をして、学生課にゼッテル(レポート)を提出しに行くアンナを見送った。

 

 後日、しっかりと優をもらえたということでアンナがお礼に来た。先輩ってこんな感じでいいのかな? 前途多難だけど、とりあえず頑張ろう。

 

 ……あと、アンナ可愛い。

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

「だるいー……めんどいー……グロウブック埋まらないー……」

 

「リヴィ……気持ちは分かるけど、課題のアイテムを調合してる時くらい集中しようよ……」

 

 今回の課題は『高品質な回復薬の調合』。そこで、前にロクシスとヴェインが共同……共同? でレシピを考えたリフュールポットの上位版、『エクセリフュール』を調合して提出することになった。

 が、強くなってくる敵、なかなか手に入らないアイテム、全然埋まらないグロウブックに、私のやる気は最底辺に落ちていた。

 

「そんなだから、リヴィの課題の評価はいつもコロコロ変わるんだよ? この間だって……」

 

「分かった、分かったからー……。ちゃんとやりますー……」

 

 腰に手を当てて、ぷんぷんと怒りながらヴェインが私のやる気のなさによる失敗を挙げ連ねる。

 全くもって正しいので、何も反論できない。うーん、うちの弟は私には強いなぁ。自己主張(?)をしてくれるのは嬉しいんだけど、何か複雑な気分だ。

 

「……ヴェイン君、リヴィちゃんにはちゃんと怒るのね~。ちょっと意外~」

 

「まあ、姉弟だからな。俺様たちよりは強く出やすいのだろう」

 

「それもそうね~」

 

 後ろで何故かグンナルさんとパメラが微笑ましいものを見るような目でこちらを眺めているのには気付かないふりをした。おのれ、後で覚えていろよ。

 

 結果、完成したエクセリフュールは久しぶりのエーテル値100だったので、ばっちり評価『優』を貰いましたとさ。めでたしめでたし。

 

 あー、今度のお休みは何しようかなー?




マナケミアやってて思うこと。

……なんで制服に歯車を使うの?
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