Mana-Khemia ~zwei alchemist 二人目の錬金術士~   作:村人A

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遅くなりました。今回はフィロのイベントです。


第5話 フィロ×錬金釜×誰もいない=超☆危険

「それでは、各自課題にー……っと、そうだ。忘れるところだった。今回の課題が終わったら、期末試験があるからね。しっかり勉強しておくように」

 

 翌日。ジェイルさんと(主にお互いの(至宝)について)語り合ったせいで若干寝不足なところに、さらりとゼップル先生から爆弾が投下された。き、期末試験……だと……!?

 

「試験って、どんなことするんですか?」

「試験内容は当日のお楽しみ。まあ、まずは目の前の課題に集中するように」

 

 ぜんぜん楽しみじゃありません(真顔)

 それにしても、期末試験か……。どんなことするんだろ、ホントに。

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

「聞いた? 期末試験のこと」

「うん。内容は教えてもらえなかったけど……」

「うちのクラスもそう。気になるなー」

 

 アトリエで期末試験のことについて話し合う。どうやら、ニケのクラスも教えてもらえなかったようだ。何をやるかさえ分かればいろいろ準備とかできるのになー。

 

「気にしてもしょうがないと思うけど……」

「ヴェイン。こういうのは、理屈じゃないの」

「そ、そうなの?」

 

 首をかしげるヴェインに頷きながら、分かりやすく説明する。

 

「んー、そうだなー……。例えば、読めないレシピを貰ったとするでしょ?」

「う、うん」

「で、アトリエに戻れば辞書を見ながら読める。でも、アトリエまで戻る間────レシピの内容、気にならない?」

 

 これなら、錬金術を学んでいるヴェインにも分かりやすいと思う。

 読むまで何も分からないけれど、中身はものすごく気になる。あんまりこういった経験はなかったからね、私たち。だって森の奥だし。父様の研究書とかホコリ被ってたし。錬金釜なんか料理に使われてたし。

 

「分かる分かる! 新しいレシピとかって、中身がすっごい気になるんだよね!」

「わ、分かったような分からないような……?」

 

 うんうんと頷いて激しく同意するフィロと、やっぱりまだ分からないらしいヴェイン。ま、仕方ないか。

 

「あーあ、結局試験って何するんだろうなー」

 

 言ってもどうにもならないと分かりつつも、言わずにはいられない。

 むしろ、噂によると「学生殺し(平和な学園生活を破壊する使者)」とまで呼ばれている(らしい)期末試験に興味が半分、恐怖が半分。

 

 ……ん、待てよ? 期末試験ってのは確か、全学年が受けるんだよね? ってことは……。

 

「なんでヴェインは落ち着いていられんのよ……」

「別に落ち着いてる訳じゃ……」

 

 

 

「お前たちが騒ぎすぎだ。たかが試験、取って食われるわけでもあるまい」

 

 

 

「…………出た、ニンジャグンナルさん」

 

 いつものように突然背後に現れ、腕を組んでいるグンナルさん。もはや驚く気にもなれない。

 本当にどこから出てくるんですか?

 

「わあ!? 突然背後に立つの、やめてくださいよ……」

「ヴェイン、言うだけムダだと思う。……あ、グンナルさんなら試験のこと知ってますよね?」

 

 そう、こんなのでも一応……一応は先輩だ。二年生に進級してるんだし、いくらグンナルさん(フリーダム問題児)でも試験くらいは受けているはず!

 

「グンナルさん、一年のときどんな試験でしたか?」

「知らん。試験なぞ受けたこともないからな」

「ファッ!?」

 

 衝撃発言! うちの先輩はやっぱり先輩だった! まさか試験を受けたことがないなんてッ!

 え、でも進級はしてるけど、受けなくても大丈夫なのかな? 試験って。

 

「え……? 受けなくても大丈夫なんですか?」

「大した問題はないぞ。教師から呼び出しをくらう程度だ」

「それは! 大した問題だと思うッ!」

「……やっぱ、グンちゃんはあてにならないか」

 

 あほかー!! 一瞬でもグンナルさんの行動が大丈夫なものだと思いかけた私がバカだった!

 あぁ……一縷の望みも潰えたわ。万が一……いや、億が一の確率だったけどさ。

 

「先生が教えてくれるまで待つしかないかー……。ああ、気になる……」

 

 結局、この話はお開きになった。……ふと思ったんだけど、グンナルさん……なんで学生やれてるんだろ?

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

「課題終わったぁぁぁぁ!!」

「よーっし、遊ぶぞー!!」

 

 いろいろあって二週間後。え、したこと? 魚釣ったり畑で野菜抜いたりとかだよ? その他は特になし。

 

 で、きっちり課題を終わらせて……二週間の休みに入った。スケジュール見ると分かるけど、この学校ってかなり変則的だよね。休みとかの割り当てが。

 まあ、休みくれるって言うならもらうけどさ。

 

 フィロの提案でアルバイトとかしつつ、たまに探索とかもしつつ、ぼーっと過ごす。

 

 はああ、平和だ。平和って素敵。

 

 ────そんな思いが打ち砕かれるのは、その翌日のことだった。

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

「おはよー! ……って、あれ? 誰もいない?」

 

 朝一番にアトリエに来たフィロとそのマナ。しかし、今日はまだ誰も来ていなかった。キョロキョロと見回してもあるのは本や錬金釜。

 

 ……………………錬金釜。

 

「……一度試してみたかった調合があるんだよね……。誰も見てないし、今なら……」

『やめた方がいいんじゃない? また爆発するよ。バーン! って』

 

 冷静に突っ込む風のマナにムッとしたのか、フィロは錬金釜へと向かっていく。

 

「そんなことないよ! ほらほら、手伝って!」

『どうなっても知らないからねー?』

 

 呆れたような仕草でフィロの手伝いを始める。

 

 ……今度こそ爆発しませんように、と願いながら。

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

「遅くなっちゃったな……」

「うん、急がないと!」

 

 見事に寝坊した私とヴェイン。きっとフィロが待ちくたびれてしまっているだろう。

 そう思って急いでアトリエまで走って────

 

 

ドゴォォォォォン!!

 

 

 ────るところに、なにやら物騒な音が響いた。具体的には何かが爆発したような音が聞こえてきた。……アトリエの方から。 

 

「爆発音っ!? アトリエの方じゃん!」

「い、急がなきゃ!」

 

 走るスピードを早め、アトリエの扉を開けるとそこにあったのは────

 

「けほっ、けほっ!」

『もー! だから言ったじゃない!』

 

 ────煤まみれのフィロ(犯人)と、木端微塵に砕け散った錬金釜だった。

 

「おかしいなぁ……。爆発するような材料は入れてないのに」

『それでも爆発させちゃうのが、フィロの才能だよね』

「ちょ、何があったの!? うわ、すごい煙が……けほっ」

 

 アトリエ中に漂っている煙のせいで咳き込みながら、ところどころ焦げてるフィロの元に駆け寄る。幸い、ケガなどはしていないようだ。

 

「フィロとマナだけ? 大丈夫?」

「えへへ……ちょっと失敗しちゃった」

「……これがちょっとで済むなら、ほとんどの失敗は些細なものだね」

 

 あははー、と誤魔化すように笑うフィロのぼさぼさになった髪を梳かし、煤やホコリを払いながらため息をつく。

 

「……で、これどうするの?」

「見つかったら怒られるよね……こうなったら……」

「まあ、確実にお説教だね……ん? こうなったら?」

 

 なんか……そこはかとなーく嫌な予感がする。そんな私をよそに、フィロは堂々と言い放った。

 

「証拠隠滅しかないよね!」

「え?」

「あー、やっぱり……」

「ゴミを捨てて、壊れた器具の代わりを見つけて……ね、手伝ってくれる?」

 

 リスのように上目遣いで見つめられる。あははー、これは断れないやつだわー……。

 

「……しょうがないなぁ。いいよ、手伝ってあげる」

「よかったー! ありがとう。じゃあ早く片付けちゃお」

「う、うん……」

「ん、それじゃヴェインたちはゴミ捨てて来て。器具と掃除は私がなんとかしておくから」

 

 やれやれ、と思いながらも、この状況は私たちも放っておけるものじゃない。器具とかはきっと売ってるしね。いざとなったらゼップル先生に頼み込む。

 ゴミ袋片手に焼却所までこっそりと走っていく二人(サルファは一緒にいる。手伝ってくれるらしい)を見送って、私は真っ黒なアトリエを見渡した。

 

「……これ、終わるのかなぁ……。いっそ、()()()()()()()()()()()のに……」

 

 

 

 

 ◇◇†◇◇

 

 

 

 

「……よし、これで証拠は消えたね……」

「うん……誰にも見られてないよね?」

『見ぃ~たぁ~ぞぉ~……』

「「うわぁ!?」」

 

 校庭の近くにある焼却所で、挙動不審になりながらゴミ(証拠)捨てて(隠滅して)いた二人に、突然声がかけられた。

 驚いて大声を出しながらゆっくりと後ろを振り返ると、そこにいたのは、フィロが契約している風のマナ。

 

『なーんてね。びっくりした?』

「き、君か……」

「もう、驚かさないでよ!」

 

 ぷんすかと怒っているフィロに、風のマナはクスクスと笑いながら答える。

 

『いやー、あんまりビクビクしてたからさぁ。それより、早く戻った方がいいんじゃないの? あのリヴィって子に任せっぱなしでしょ?』

「そ、そうだった……。早く戻って手伝わなきゃ……」

 

 バレないかと気にするあまり、一人で器具を補充しているリヴィのことを完全に失念していた二人。時間もそう経っていないし、手伝いに行く。

 

 ……少しして、アトリエの前。

 今も忙しくリヴィが後片付けをしているはずのアトリエは、物音一つしなかった。

 

 もしかしたら、どこかに行っているのだろうか。

 だったら、帰って来るまでに少しでも出来ることをしておこう。

 

 アトリエの扉を開くと、そこには────

 

「……あれ?」

「全部、終わってる……?」

 

 フィロが爆発させる前の、いつもと全く変わらないアトリエがあった。煤やホコリで真っ黒になっていた壁や床もピカピカで、砕けたはずの錬金釜は元通りに蒼い炎を上げている。

 ほんの少ししか経っていないのにも関わらず、全てが元通りになっていた。

 

 そして、これだけの仕事を成し遂げたであろうリヴィはと言えば。

 

「…………すぅ」

「リヴィ? どうして錬金釜に寄りかかって……?」

『……寝ているだけだ。アトリエ中を片付けたんだ、余程疲れたんだろう』

「サルファ……そっか、リヴィと一緒にいたんだっけ」

 

 錬金釜に寄りかかったまますやすやと眠るリヴィの髪の毛を撫でながら、小さく「ありがとう」、と呟いた。手入れされているであろう自分と同じ灰色の髪は、とてもさらさらとしていて心地良い。とはいえ、いつまでも撫でているのは悪いだろうと立ち上がった。

 

「? ヴェインくん、リヴィちゃん寝てるの?」

「うん。一緒にいてくれたサルファが、疲れたみたいだって。……フィロ、悪いんだけど、リヴィをソファーに運ぶの、手伝ってくれる?」

「もちろん! リヴィちゃんには助けてもらったし、女の子を床に寝かせておくわけにはいかないもんね」

 

 そっとリヴィの肩の下に手を差し入れ、持ち上げる。……昔から、リヴィのことをたくましい人だと思っていたが、やはり女の子らしく軽かった。

 ゆっくりとソファーに降ろし、その傍に(と言ってもソファーはリヴィが占拠しているため床だが)座り込む。……なんだかんだで自分も疲れていたのだろう。すぐに眠気が襲ってきた。

 

 膝の上に乗ってきたサルファを撫でながら、ヴェインはいつの間にか眠りに落ちていたのだった。

 

「……なんか、邪魔出来ない雰囲気ね……」

「そうだね……そっとしておこっか」

 

 後でアトリエにやって来たニケ。今日も良い天気だと言ってぐぃー、と背伸びをする。

 

「あー、やっぱりアトリエって()()()()()()! お日さまの匂いがするわ」

「そっかぁ……。なんだか私も眠くなってきちゃった。ねぇ、良い天気だし、少しお昼寝しない?」

「いいねそれ。じゃあ今日はのんびりしよっか」

 

 アトリエの大きな窓の前に小さなシートを敷いて寝転がる。ぽかぽか陽気のせいで、二人ともすぐに寝てしまった。

 

 ……結局、その日はみんなで日が傾くまで寝てしまって、後からやって来たグンナルに叩き起こされるまで眠っていたのだった。

 

 後に、フィロが実験すると十回に四回は爆発すると知って、ヴェインとリヴィの二人が大いに驚き、フィロがまた失敗したときは手伝うと約束したりしたのは、また別の話。




伏線を張ってみたりしてみる今日この頃。

……ところで皆さん(読んでる人たぶん少ないけど)FGOのピックアップガチャ回しましたか? 私は回しました。当たりましたよ星5。

……ヴラド公(バーサーカー)が。……しかもその後に回したジャックピックアップでは茨城童子(バーサーカー)が当たりました。ついでに少し前にフランケンシュタイン(バーサーカー)も。
……………………これは当たったことを喜べばいいのか、はたまたバーサーカーだらけなのを悲しめばいいのか。うちのカルデア、バーサーカー率高過ぎやしませんかねぇ……。
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