「大きーい!!この大きさで私たちと同じ駆逐艦なの?」
「最上さんとか高雄さん達よりもずーっと大きいっぽい…?」
「スラっとして…すっごく綺麗なのです」
その頃、トラック諸島…トラック泊地、夏島の海岸付近の小山では、この泊地に所属する艦娘達が見慣れぬ大型艦に大興奮していた。
「あの甲板に敷き詰められたハッチみたいなものは何かしら…」
「うーん…艦橋にもペターっと、くっ付いてるのを見ると増加装甲っぽい?」
「陸さんの試作兵器の中に、砲弾が着弾する時に爆発して砲弾の爆発を分散させる装甲があるんだってよ。それと似たようなもんじゃねぇか?」
「それにしては甲板と艦橋だけに付けるって言うのもおかしな話よねぇ…一番被弾しやすい舷側にも付けるなら分かるけど」
「いやーしかし、異世界から来た…しかも重巡の私より大きい駆逐艦ですよ?これは大スクープになりますね!」
「そういえば、私は実際に見たことないからわかんないけど、吹雪の妖精さんが言うには…ドイツのポケット戦艦よりも大きいとか」
「戦艦並の、駆逐艦…ね」
目の前のアレで、駆逐艦なのだ。
アレが駆逐艦だと言うなら、巡洋艦は、潜水艦は、空母は、戦艦は、どんなバケモノだと言うのだ。
一同は互いに顔を見合わせ、あまりにも現実離れした想像と、それがあり得てしまうかもしれないという恐怖に沈黙した。
そして数分の間、吹雪が当の本人を連れてくるまで、その重苦しく気不味い沈黙は続いた。
「あ、皆揃ってますね!丁度良かった!」
周囲に漂う気不味い空気を察知したのか、益々暗い表情になるアールヴァク。
だが吹雪はそんな空気を知ってか知らずか、御構い無しに、まるで高価な玩具を見せびらかす子供のような笑顔で語る。
「えっと、紹介しますね!ウィルキア王国海軍近衛艦隊所属の、重装汎用…えっと、高速巡洋艦隊護衛型駆逐艦…あれ、ちゃんと言えてるかな…の、アールヴァクちゃんです!」
アールヴァクは自分を見る羨望と恐怖の混ざった眼差しに耐えきれずに、思わず目を逸らす。
そして、何とか艦娘達の方へ向き直り、どこか虚ろな瞳で虚空を見つめながら話し出す。
「…ご紹介に預かりました、正式にはウィルキア王国海軍近衛艦隊所属、重装汎用高速巡洋艦隊護衛型駆逐艦アールヴァクです。長くて覚えにくいと思いますので、特装駆逐艦アルヴァと呼んでください。皆さんどうぞよろしくお願い致します」
ぺこり、と彼女が一礼すると、まるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた彼女らであったが、我先にと一斉に自己紹介を始めるのであった。
………
……
…
キッカケは、それぞれが一頻り自己紹介を終えた後の睦月の一言だった。
「はぅー、しっかしアルヴァちゃんは凄いにゃぁ。あの主砲すっごい長いけど…一体何口径あるのかにゃぁ…」
「どう見ても55、いや…60口径以上はありそうなのです」
「アルヴァちゃん…良かったら、君の事色々と教えてくれない?」
戦艦や重巡組は聞いて大丈夫なのだろうか…と、恐怖や遠慮…色々な意味で質問したい気持ちをぐっと抑えて我慢していたが、そんなことは好奇心旺盛な駆逐艦達には関係無く…むしろ自分と同じ駆逐艦だということもあってか、自然とアールヴァクに対する質問タイムになるのは当然の流れだった。
「…ではまず主砲からお話ししますね。主砲は280mm電磁火薬複合速射砲が3基6門…口径は70口径ですが、威力や貫通力は55口径35.6cm砲と同等です」
「3…35.6cm砲と同等、しかも55口径相当だと?」
「…えぇ、そうです」
アールヴァクは何も面白いことなどない、というような口ぶりでそう言ったが、それを聞いた艦娘達の衝撃は計り知れないものだった。
更に言えば、その衝撃は駆逐艦達よりもむしろ巡洋艦娘と戦艦娘達が受けたものの方が大きかった。
何故ならば、日本海軍の保有する最大級の重巡洋艦の主砲が20.3cm。
それを遥かに上回る28cmというサイズだけでも驚異的だったが、口径は70口径…更に威力は35.6cm砲と同等、それも55口径だという。
「35.6cmの55口径って…それってつまり、金剛さん達を超えるってこと……?」
「金剛さん達の主砲は、確か45口径35.6cm砲でしたから…」
「戦艦より強い主砲を持った駆逐艦、か…」
誰かがそう、呟いた。
戦闘を楽しみにされていた方は申し訳ございません。
今回は少し長くなるので、前編と後編に分けさせていただきました。
戦闘シーンも続けて投稿させていただきますので、今しばらくご辛抱ください。
最初に登場する超兵器はなんでしょう?
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超高速巡洋戦艦「ヴィルベルヴィント」
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超高速巡洋戦艦「シュトゥルムヴィント」
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超巨大双胴戦艦「播磨」
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超巨大潜水艦「ドレッドノート」
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超巨大爆撃機「アルケオプテリクス」