とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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うんむむむ…。
なんだかしっくりこない。なぜだ。

日付をまたいでたらすまない。
本当にすまない。
(一応今のところは毎日更新してるため)


電話

慰労会と言う名の飲み会の後。

今日は土曜日、のんびりと出来る休日である。

俺は休日は基本的に昼近くまで寝てたりする。

特に最近は暖かく、まさに春眠暁を覚えず、と言わんばかりにぐーすか寝ている。

 

 

さて、そんなぐうたらな生活をしていた俺だが、今は起きてかわいらしい女の子が踊っている動画を視聴していた。

なんでも、かつての軍艦を擬人化したコンテンツで、公式の設定があまり多くなく、個人が自分のイメージした世界がその世界、とかいう、まあ自由度の高い分野である。

 

 

そのコンテンツのうち、個人が作っている動画の、MMDというもので、「ぼのたん」という愛称で呼ばれている女の子が、「愛の3-5-12」という歌を踊っているのである。

この「ぼのたん」は、普段はツンツンした態度を取っているのだが、この動画では、そんな「ぼのたん」の素顔が撮られている、というもので、俺の密かなお気に入りの動画である。

 

 

カーンカーンカカカカーンカカカカカカカンカンカーン♪という効果音をBGMに聞きながら、そんなかわいらしい様子を眺めていた俺だが(2周目)、ふとスマートポンに着信が来ていることに気がついた。

メールのようだ。

 

 

しかし差出人のアドレスを見ても、電話帳に登録されていないアドレスだ。

はて、迷惑メールか?

 

 

そう思って件名のみ先に確認すると、

「束」

の一文字である。

 

 

ある意味迷惑メールで間違っていない訳だが、はてさてどうしたものか。

そう思っていると、まるでその様子を見ているかのようなタイミングでもう一度着信。

 

 

これもやはりメールで、件名は

「はよ」

これである。

 

 

ちょっとせっかちすぎない?

今日は俺が割りと早いところメールに気がついたからいいが、俺がスマポを置いて飯作ってたら早くしようがないじゃん。

それともあれか、実は本当に俺のことを監視してたりするのか。

でもここIS学園男子寮だぞ?さすがに部屋にまでは監視カメラないし、盗聴や盗撮目的で誰かが俺の借りてる部屋にカメラないしマイクをセットしないと、そんなこと(監視)は不可能なはずなんだけど。

 

 

って考えてる途中で思った。

束ならやりかねない気がする。

 

 

目的のために必要なら、きっとあやつはやる。何のためらいもなくやる。

うわぁ…監視されてるのかもしれないと思うとやだなぁ…。俺の趣味もろばれじゃん…。

プラモやフィギュアなどの類いはないのが救いか。

 

 

俺の部屋にはたまに弾くだけのベースがカバーの上に埃をかぶっていたり、観葉植物のジョージとジョータ改め君・雷子念と富馬記念がいたりする他は、パソコンの置いてある机とか、冬場はこたつになるテーブルとかくらいしか、目立つものはない。あ、うちのパソコンはビデオ通話出来るいいやつです。どや。

 

 

ちょっと昔ならベッドの下に特定の本があったりしたのだろうが、今の時代はデジタル媒体である。

128GBのmicroSDにきっちりバックアップしてある。

 

 

余裕の容量だ、値段が違いますよ。

まあ家電量販店で安売りされてたけどね。1000円で。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし困った。絶対に面倒ごとの予感がする。

でも放置し続けるのもマズい気がする。

どうしたものか…。

 

 

まあ、メールの確認くらいなら大丈夫だろう。スパムやウイルスではないことは確定しているようなものなので、ある意味安心ではある。

 

なになに、本文は?

一通目。

「イヤホンをして待ってて」

 

二通目。

「イヤホンないの?」

 

 

 

あるわ!イヤホンくらい!

○ーディオ○クニカの重低音重視のやつがありますー。

 

今までだったら、なんとなく癪だからって理由で無視していただろうな、なんて考えつつ、しかし素直に言うことを聞くのはなんか負けた気がするから、まずはメールでこう返す。

「イヤホンして下さいお願いします、だろ?」

 

 

嫌なやつである。うん、知ってるわ。けど画面の前の 君ら。

そういうひねくれた感じとか、わざと逆張りするのとか好きやろ?ん?(メタ)

 

 

ちょっとしてからメール。

なになに。

「もうそれでいいよ…」

 

 

勝った!第三部完!

満足したのでイヤホンをして待つ。

最初から大人しくそうしろよって?面白くないじゃん。

 

 

これ、手の込んだイタズラとかじゃないよね?

ちゃんとなんか反応くるよね?

来なかったら来なかったでそれはそれで新しいイタズラの方法ゲットだからいいけんど。

 

 

とか思ってたら来た。

着信。今度は通話である。通話に出る。

どちらかと言うと馬鹿にした感じで。

 

「はいもすもす、どちらすぁ~ん?」

 

「…しょっぱなからトバしてるね。

頭大丈夫?鹿波」

 

「そっちこそ日本語大丈夫かクソうさ…、いや、束。

俺はどちらさん、って聞いたんだぞ」

 

「いや、あれは聞いたに入らないでしょ。控えめに言っても人をおちょくってるよね?」

 

「褒めて頂き恐悦至極」

 

「いや褒めてないから」

 

「そうか。で、何の用だ指名手配犯。織斑先生にでもイタズラしに行くのか。もしそうなら全力で手伝うぞ」

 

「指名手配犯言うなし。イタズラもしに行かないから。面白そうだけど」

 

「だろ?絶対面白いって。あの武士然とした織斑先生の間抜けな顔は、100%一見の価値あるって」

 

「魅力的なお誘いだけど、今回はいいや。

そうじゃなくて、ちゃんとイヤホンしたみたいだね」

 

「した。で、結局これはなんのためなんだ?」

 

「んー、一応念のため?ちょっとばかり厄介なんだよね。今回の相手」

 

「今回の相手?なんだそりゃ」

 

「まあ、それはもうこっちも動いてるし、いいの。

それよりも、もうISコアは作ってないの?」

 

「ああ、この前完成した。まあ、俺はIS適性0だから乗れないしな。どうしようか考案中だ」

 

「ん?それはISによく似てるけどISじゃないでしょ?」

 

「は?」

 

「だって、『女の私』が作って、『ある女性』が初めに操縦したのがISだよ?

じゃあ、『男の鹿波』が作った時点で既にISじゃないじゃん」

 

「いや待て。その理屈でいくと、ISコアは初期データたる搭乗者のデータだけじゃなく、作られた時にも何かしら記憶してるってことか?でも、そんなデータは無かったぞ」

 

「うん、これはまだ推論の域を出てないからね。でも、そうじゃないと、今のところ説明つかないんだよ」

 

「説明がつかない?何がだ」

 

「ISに男が乗れない理由だよ。搭乗者のデータだけが必要なら、ISに男の人のデータ入れれば動くはずでしょ?

なんでIS適性なんてのがないと乗れないのさ」

 

「お前がわからんことを俺が分かる訳ないだろ!いい加減にしろ!」

 

「ISに男が乗れない理由が分からないって、それ一番言われてるから」

 

「まさかこのネタが分かるとは…。たまげたなぁ」

 

「元ネタが汚すぎる。訴訟」

 

「ンアッー!(≧д≦)」

 

「いつまでこのネタで引っ張るんだよ、話をさせてよ。

あくしろよ」

 

「自分から引っ張ってるんだよなぁ…」

 

「で、鹿波の作ったISによく似た何かって、もう名前とかあるの?」

 

「ついさっきまでISだと思ってたからなぁ…。ISでいいじゃん」

 

「だからISじゃないって。ポ○モンでいうとニドラン♂とニドラン♀くらい違うから」

 

「大差ねえじゃねえか」

 

「進化先が違うでしょ」

 

「せやな」

 

 

 

しかし名前か。名前ねえ…。

あ。

 

 

「GP01Fbとかどうよ」

 

「何、それ」

 

「知らんのか。メンテが始まる」

 

「日本語でおk」

 

「フルバーニアンだ」

 

「…その心は?」

 

「試作1号機」

 

「やっぱりか、このオタクめ」

 

「やっぱりってことはてめえも知ってるんじゃねえかオタ兎!」

 

「ガノタ乙」

 

「うぜえ…」

 

「もう許せるぞオイ!」

 

「お前のセリフじゃないからそれ」

 

「」

 

 

まったく。にしても。

 

「お前、ガンダム好きだったのか…意外」

 

「う、うるさいな…」

 

「ちなみに好きなのは?」

 

「月光蝶!」

 

「少なくとも2機はあるんですがそれは」

「で?本当に何の用だ。イタズラなら切るぞ」

 

「そうだね。本題に入ろうか」

 

 

前置きが長い。

ふざけまくった俺が言えることじゃないが。

 

 

「長々と前置きしたけど。まずは確認。

鹿波、亡国機業(ファントム・タスク)って名前、聞いたことある?」

 

 

ない。原作読んでたから知ってるけど。

 

 

「いや、ないな」

 

「じゃあまずはそこからだね。亡国機業は、最近急速に成長してるテロリスト集団。それも、ただのテロリストじゃなくてISを保持してる」

 

「ISを?」

 

「そう。少なくとも私が確認してるだけで2機はある。それ以上に持っている可能性もある」

 

「少なくとも2機、か」

 

「今私は電子データとか衛星とかからいろんな場所を観察してるんだけど。そこから分かったのは、テロリスト達は今、亡国機業以外の連中は軒並み大人しくしてるってこと。」

 

「そりゃあ、亡国機業とやらが力をつけて台頭してきてるからだろ?良いんじゃないか」

 

「そうやって思っていると、奴等は油断をついてくるからね。注意しておいた方がいいよ」

 

「へいへい。他は?」

 

「どうも最近、国際IS委員会の動きが怪しいみたい。どうにもキナ臭い。

それと、IS学園が亡国機業に狙われてる可能性がありそう。

 

これは忠告だけど、鹿波も気をつけてね」

 

「わざわざご丁寧にありがとよ。ただ、俺に言われても何も出来んぞ。織斑先生にでも言った方が、効果あるんじゃないか?」

 

「ちーちゃんはこの手の連絡するとうるさいんだよ~。『束!お前今どこにいる!』とか、『今度は何を企んでる』とかさ~」

 

あまりにも織斑先生の方が正論過ぎて草。

 

「馬鹿め、日頃の行いだ」

 

「まあそうなんだけどね。

あ、ISっぽいの、出来たら教えてね!」

 

「うるせえ黙れ」

 

 

ツー、ツー、ツー。切りました。

ISになんか乗らない。コア以外まで自分で作ったりなんかしない。これは決定事項だ。多分。

 

 

しかしまあ、束が忠告、ねえ。

さて。一体何を企んでいるんだか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後メールが来ていた。

件名は「束さん2」

本文は

『それはそれとして、今度お花見行かない?』

 

だった。

返信。件名はなし。

『織斑先生巻き込むなら行く』

 

1秒も経たずに返した。




亡国機業さんがログインしました。
束さんの言っていた今回の相手、とは亡国機業さんのことです。

ちなみに君・雷子念→キミ・ライコネン
富馬記念→トミ・マキネンです。だれか気付いたかな…。
ジョージとジョータは三浦しをん著、風が強く吹いている
から。

あ、あと束さんは盗聴器も盗撮カメラも仕掛けていません。でも鹿波の様子はモニターしてました。はい。
では、どこから見ていたのでしょうか?


答えは活動報告に。








【次回予告】
時事ネタです。明日は2月3日なので節分をやる予定。

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