思いついてるんだけどね....
それに続く話を思いつかないビショップです。
これ以上は特に何もないので
本文をどうぞ。
アーガスに総督府への警告を頼んだ直後、
俺の乗ったLSVは砂嵐に包まれ、
無線が通じなくなった。
俺は一旦速度を落とすと、
帽子の上から頭に取り付けていた
マルチサイトと呼ばれるゴーグルを下ろす。
電源が入ると即座に
砂嵐の中に居ることを認識し、
視界が緑色に変わった。
マルチサイトをつけても砂嵐のせいで
視界はせいぜい数十mだが、
無いよりはマシだろう。
砂嵐が通り過ぎ、ゴーグルをあげると、
遠くにエリア01の防壁が見えてくる。
俺は再びマルチサイトの電源を入れ、
01の防衛部隊の状況を確認する。
名前はわからないが、
自走砲や戦車がたくさん並んでおり、
周囲では火星の風土に合わせたピンク色の
戦闘服に身を包んだ兵士達が
走り回っている。
俺は再び速度を上げ、
エリア01への帰りを急いだ。
防衛陣地にたどり着いた俺は
鳴り響く砲撃音の中、
指揮所になっている建物に
LSVを乗り付けると指揮所に入った。
周囲からは軽蔑の視線を浴びるが、
俺は気にせず指揮官の元に向かった。
「金本、状況は?」
「....傭兵が何様のつもりだ。
ここは防衛軍の陣地だ。部外者は帰れ。」
防衛軍士官学校の同期で、
今は左腕に大佐の階級章をとめている
この友人は…
まあ一般でいう友人の定義には程遠いが、
防衛軍の依頼を受けていた傭兵が
俺だと知ると、顔をしかめる。
「そうも言ってられないぞ。
今回はアリの数が多い。
他のエリアに増援要請はしたのか?」
「必要ない。」
「てことはしてないんだな?」
「………。」
黙った金本に俺はこぼれそうになったため息を
呑み込むと、話を続けた。
「なら集められるだけ
傭兵を集めて防衛線を張れ。
防衛軍に民間人をシェルターに誘導させろ。」
「なぜだ…」
「どうした?」
「それだけ優秀なお前が
なぜ防衛軍を辞めて傭兵なんかしてるんだ…?」
俺は投げかけられた質問を無視すると、
さらに話を続ける。
「俺は"部外者"だから
お前が指示を出せ。」
言いたいことだけ伝えると
俺は自分のLSVに戻って車体を
アリの群れの方に向けると、
新しい弾薬箱を取り出してM2に装填した。
自走砲や戦車から撃ち出される
焼夷弾の炎が真っ赤な火星の大気を
ひときわ赤く染め、
焼夷弾の直撃で粉々になったり、
飛び散った炎に包まれて
焼かれるアリたちの悲鳴が耳にこびりつく。
俺は群れから突出しているアリに
12.7×99mmNATO弾を叩き込む。
金本が俺の指示をそのまま伝えてくれたのか、
我先にと集まってきた傭兵たちも
TOWミサイルや迫撃砲で攻撃を始め、
砂漠に巨大アリの死体を増産していく。
砂漠に動くアリの影が無くなり、
もう何度目かも忘れたM2の銃身交換を
終えた頃に、
ようやく戦闘終了のサイレンが
エリア01中心部から聞こえてきた。
俺は念のためM2に新しい弾薬箱を
装填して再び指揮所に向かった。
指揮所に入ると、
最初同様俺はまっすぐ金本の元に向かった。
「今度はなんだ?
文句か?報酬の話か?」
「いや、礼を言いに来た。
俺の指示をそのまま伝えたんだろ?
ありがとな。」
相変わらず愛想のない言葉を
並べる同期に礼を告げる。
「上には貴様のお父上の名前を
使わせて貰った。」
「ああ、なるほどな。
それと臨時で雇った傭兵たちの報酬だが、
俺のとこに領収書送ってくれ。」
「誰がそんなことするか!
私の命令で雇ったんだ。
傭兵に肩代わりさせるなど
できるわけないだろう!」
「お前のそういうプライドが高いとこ、
可愛いな。昔っからだ。
でも傭兵の稼ぎをなめて貰っちゃ困る。
お前の年収を1ヶ月で稼いでるんだ。
俺が払う、良いな?」
「くっ…好きにしろッ!」
俺は真っ赤になった顔を隠すように
俺に背を向けた金本の机に
積み重なった領収書の束を鷲掴みにして
指揮所を出ると、
ポケットから取り出した端末で
防衛戦に参加した傭兵部隊の代表へ
アーガスの酒場に集まるようメールを送ると、
自分の事務所兼自宅を目指して
バギーを走らせた。
次回
4「疑惑」