灼熱のポッター   作:真夏の太陽

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第4話 疾走!鋼鉄特急決戦

 

 

脳筋帝王歴15年

 

覇利威は旅を続けていた。

 

脳筋帝王を倒すために。

 

そして真の筋肉を極めるために。

 

「ふむ。」

 

「帝王の手下どもは思った以上に手強い。」

 

「だが所詮は小手先の筋肉。」

 

「この黄金筋肉の前では無意味よ。」

 

その時であった。

 

遠くの地平線から轟音が響く。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

大地が揺れる。

 

空気が震える。

 

鳥が落ちる。

 

雲が割れる。

 

「む?」

 

覇利威の視線の先。

 

そこには巨大な蒸気機関車があった。

 

ホグワーツ特急

 

脳筋帝王が各地から労働力を拉致するために使用している悪魔の列車である。

 

車内には捕らえられた子供たちが満載されていた。

 

彼らはホグワーツへ連行され、発電奴隷として酷使される運命なのだ。

 

「なるほど。」

 

「帝王の補給部隊か。」

 

「見過ごすわけにはいかぬな。」

 

覇利威は地面を蹴った。

 

ドォォォォン!!

 

大地が爆散。

 

クレーターが出現。

 

覇利威の身体はミサイルのように加速した。

 

「待てぇぇぇぇぇ!!」

 

時速3000km。

 

いや、

 

筋速3000km。

 

黄金の肉体が列車を追う。

 

その時。

 

特急の屋根の上に立つ人影があった。

 

赤毛。

 

巨大な肩幅。

 

背中には鉄アレイを百本装備。

 

腰にはダンベル。

 

胸にはプロテインボトル。

 

頭には回転する鉄鍋。

 

ホグワーツ脳筋四天王

 

櫓兄坊(ろん・うぃーずりー)

 

「げっへっへっへ。」

 

「帝王様のお言葉通りだったぜ。」

 

「黄金筋肉の覇利威が来るってなぁ!」

 

「ほう。」

 

「貴様が櫓兄坊か。」

 

「そうだとも!」

 

「俺様は四天王最強!」

 

「プロテイン摂取量なら帝王様にも負けねぇ!」

 

「くだらん。」

 

「筋肉は量ではない。」

 

「質だ。」

 

「言ったなぁぁぁ!!」

 

櫓兄坊は背中から巨大な鉄アレイを引き抜いた。

 

全長五メートル。

 

重量三十トン。

 

「くらえ!!」

 

「筋肉魔法!」

 

「エクスペクト・プロテイナァァァァ!!」

 

投げられた鉄アレイが音速を超える。

 

ドゴォォォォン!!

 

「甘い。」

 

覇利威は走りながら鉄アレイを素手で受け止めた。

 

そして握力だけで圧縮。

 

メキメキメキ

 

鉄アレイはピンポン玉サイズになった。

 

「返すぞ。」

 

チッ

 

指ではじいた。

 

ズギャアアアアアア!!

 

超圧縮鉄アレイ弾が列車の横を通過。

 

遠方の山脈が消滅した。

 

「なっ!?」

 

櫓兄坊の額に汗が流れる。

 

「この俺様の鉄アレイを・・・」

 

「指で・・・?」

 

「次はこちらの番だ。」

 

覇利威はさらに加速。

 

ドドドドドドドドドドド

 

走る。

 

走る。

 

走る。

 

もはや脚が見えない。

 

その速度。

 

ついに列車と並走。

 

「ば、馬鹿な!」

 

「ホグワーツ特急は筋力機関八百基搭載だぞ!?」

 

ホグワーツ特急は通常の機関車ではない。

 

車内で千人の筋肉奴隷が自転車発電を行っている。

 

世界最速の脳筋列車なのだ。

 

「列車ごときで逃げられると思うたか。」

 

覇利威は笑った。

 

ニヤリ

 

「筋肉を舐めるな。」

 

その瞬間。

 

ドォォォォォォン!!

 

覇利威は跳躍。

 

特急の屋根へ着地した。

 

列車全体が沈む。

 

レールが悲鳴を上げる。

 

ギギギギギギギ

 

「来やがったなぁぁぁ!」

 

櫓兄坊は全身の筋肉を膨張させた。

 

ボゴボゴボゴボゴ

 

筋肉がさらに筋肉を生む。

 

筋肉から筋肉が発芽する。

 

筋肉の上に筋肉が生える。

 

「見せてやる!」

 

「俺様の最終形態!」

 

究極筋肉形態

 

メガ・プロテイン・ロン

 

身長十五メートル。

 

体重推定不明。

 

「ほう。」

 

「少しは楽しめそうだな。」

 

覇利威も構えた。

 

黄金のオーラ。

 

天空へ伸びる筋肉の気。

 

「いくぞ。」

 

「おおおおおおお!!」

 

二人が同時に踏み込む。

 

ドガァァァァァン!!

 

拳と拳が衝突。

 

衝撃波で雲が消滅。

 

線路が蒸発。

 

列車の窓ガラスが全部割れる。

 

「ぐおおおお!!」

 

櫓兄坊が押し込む。

 

しかし、

 

覇利威は微動だにしない。

 

「ば、馬鹿な・・・」

 

「終わりだ。」

 

覇利威は静かに告げた。

 

「我が究極奥義を受けるがよい。」

 

黄金の筋肉が輝く。

 

太陽が霞む。

 

世界が震える。

 

覇利威流筋術奥義

 

『筋肉特急逆走拳』

 

ドゴォォォォォォォォォォォン!!

 

覇利威の拳が櫓兄坊の腹にめり込む。

 

「ぶべらぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

櫓兄坊は空の彼方へ吹き飛んだ。

 

成層圏を突破。

 

月へ向かって飛翔。

 

二度と帰ってこなかった。

 

静寂。

 

覇利威は屋根の上で腕を組む。

 

「ふむ。」

 

「四天王でこの程度か。」

 

その時。

 

列車の先頭車両から通信機が鳴った。

 

ブゥゥゥゥゥ

 

『聞こえるかのぅ、覇利威よ。』

 

聞き覚えのある声。

 

脳筋帝王

 

駄無舞怒阿

 

であった。

 

『よくぞ櫓兄坊を倒したのじゃ。』

 

『しかし本当の地獄はこれからじゃぞぉぉぉ!!』

 

通信が途絶える。

 

「帝王・・・。」

 

覇利威は空を見上げる。

 

「待っているがよい。」

 

「必ずや貴様のホグワーツを叩き潰してくれる。」

 

黄金の筋肉が夕日に輝いた。

 

つづく

 

~~ワンポイントレッスン~~

 

・ホグワーツ特急

 

脳筋帝王軍の輸送車両。

 

内部には発電用エアロバイクが1000台設置されている。

 

乗客は全員こぎ続けなければならない。

 

サボると車掌にプロテインを飲まされる。

 

・櫓兄坊(ロン)

 

ホグワーツ脳筋四天王の一人。

 

プロテインの飲みすぎで身体の98%が筋肉になった。

 

残り2%も筋肉である。

 

・今後の救いについて

 

やはり救いはない。

 

 

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