学戦都市でぼっちは動く   作:ユンケ

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バカップル3人は何者にも侵されない深い絆を持っている

クインヴェール女学園トレーニングルームにて……

 

現在その部屋には13人もの人がいるにもかかわらず沈黙に包まれている。

 

理由は簡単、俺にとっては予想外だ面々がいたからであり、予想外の面々にとっては俺とオーフェリアいう予想外の人間かトレーニングルームに入ってきたからだろう。

 

しかしその沈黙も永遠に続く訳もなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、比企谷八幡にオーフェリア・ランドルーフェン?!」

 

予想外の面々ーーールサールカのリーダーであるミルシェが驚きの表情を浮かべながら俺とオーフェリアを指差してくる。おいおい……人を指差すなって習わなかったのかよ?

 

それと同時に沈黙が破られる。

 

「な、何でてめえらここにいるんだよ?!……はっ!もしや!」

 

ミルシェに続いて叫び出したトゥーリアがハッとした表情を浮かべてくる。どうしよう凄く嫌な予感しかしないんですけど?

 

俺の嫌な予感に違わず……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかうちの学校の女子に手を出しに来たのか?!」

 

そう言ってビシッと指差してくる。うん……やっぱりそう来ると思った。

 

てかオーフェリアとシルヴィはジト目で見るのは止めてください。お前ら以外の女子に手を出すつもりはないですからね?

 

呆れていると他の連中も口を開ける。

 

「シルヴィアと夜のデートをしたりオーフェリア・ランドルーフェンと抱き合ってるだけじゃ飽き足らずまだ他の女子に手を出すつもり?!」

 

「……やっぱり前にあった6股云々も真実なのかしら?」

 

「そうでしょ!そして今回はチーム赫夜の5人に手を出すんでしょう!」

 

「何だとぉ!って事は11股をしてるって事かぁ?!」

 

待てコラ。11股って何だよ。俺がエロいのは否定しないが11股はないだろ?

 

そんな中……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……八幡君、6股って何?」

 

内心ルサールカにツッコミを入れていると寒気を感じたので横を見るとシルヴィが虚ろな目をしながら煌式武装を向けている。銃口には星辰力が溜まっているのが一目でわかる。怖い怖い怖い。マジで怖いんですけど?

 

「……後で聞かせてやるから武器を仕舞え」

 

つーか最近シルヴィがヤンデレになっているような気がする。この前もテレビでシルヴィじゃないクインヴェールのアイドルを見て可愛いと言ったら虚ろな目をして詰め寄ってきたし。もしも実際本当に6股なんてしてたらガチで殺される気がする。

 

とはいえ今回については完全にデマだ。この事はオーフェリアも知っているので擁護してくれるから問題ないだろう。

 

「絶対だよ。返答次第によっては……」

 

「よっては何だよ?」

 

途中で区切るのは止めて欲しいんですけど。そう思いながらシルヴィに尋ねるとシルヴィは俺の耳に顔を寄せて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今夜……搾り取るから」

 

シルヴィはそう言ってから俺から離れて武器を下ろす。搾り取るって何を?!いや、まあ予想はついてるが怖過ぎる。

 

(まあ実際に11股は完全なデマだから問題ない。誠意を持って説明すればシルヴィも納得してくれるだろうな)

 

そんな事を考えながら息を吐いていると……

 

「それで結局どうなんだ?!本当に11股なのか?!」

 

「まさかとは思うけどそれ以上女子を求めていないわよね?」

 

「変態!色欲魔!女の敵!」

 

 

バカ共がここぞとばかりに責め立ててくる。それを聞いた瞬間、俺の頭で何かがブチリと切れる音がした。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何が11股だ!俺の恋人はシルヴィとオーフェリアだけだ!他の女に手を出すか!」

 

俺の怒鳴り声がトレーニングルームに響き渡る。

 

瞬間、時が止まったように静まった。………あ、やべ。

 

見るとルサールカの5人は完全に動きを止めていた。口が開けっ放しになっているにもかかわらず全く動かないのはある意味凄い事だろう。

 

暫くの間沈黙が流れるがやがて……

 

 

 

 

「「「「「ええぇぇぇーーー?!」」」」」

 

ルサールカの叫び声がトレーニングルームに響き渡る。うるせぇ……

 

内心突っ込んでいるとミルシェとトゥーリアが俺に詰め寄ってくる。

 

「ど、ど、どういうこと?!あんた本当にシルヴィアとつ、つ、つ………」

 

「つ、つ、つ、付き合ってんのかよ?!」

 

キョドり過ぎだろ。顔も真っ赤になってるし純情過ぎだろこいつ?

 

 

 

しかしどう返事をしようか?

 

一瞬悩んだが正直に話す事にした。もう既にシルヴィとオーフェリアと関係を持っている事はバレたし。

 

「ああ、付き合っているな」

 

「お、お、お……そうなんだ……!」

 

「ま、ま、マジかよ……」

 

正直に認めるとミルシェとトゥーリアは真っ赤になってへたり込んでしまった。前はスキャンダルを狙っていたのに俺が認めると真っ赤になるって……やっぱりこいつら純情過ぎだろ?この程度の話題で顔を赤くするなら始めからスキャンダルを狙って動くなよ。

 

呆れていると……

 

「本人が認めたって事はやっぱり事実じゃーん!チーム赫夜を見るだけの話が予想以上のネタが手に入るなんて最高じゃん!」

 

「……まさに棚からボタモチね」

 

モニカとパイヴィが顔に喜びを露わにしている。マズイな……俺が自爆した所為で面倒な事になってきたな。

 

俺がシルヴィと付き合う際にクインヴェールから出された条件は『世間に知られない』事だ。マスコミにバレたら間違いなくクインヴェールは俺とシルヴィの仲を割いてくるだろう。

 

「……すまんシルヴィ。自爆しちまった」

 

俺は隣で困ったような笑顔を見せているシルヴィに謝罪する。今回は完全に俺のミスだ。

 

「まあやっちゃった物は仕方ないよ。問題はそれからどうするかだよ」

 

だよなぁ。黙って貰えれば1番良いんだが……

 

「一応聞くが黙るって選択肢はあるか?」

 

一塁の望みをかけてモニカとパイヴィに話しかけてみる。まあ結果は殆どわかりきっているけど。

 

「却下却下ー!折角手に入れたネタを手放す訳ないじゃない!」

 

「……当然ね」

 

ですよねー。俺がルサールカの立場なら絶対に却下するからな。しかしそうなると……

 

「シルヴィ、そうなるとクインヴェールは俺とお前を別れさせようとするがそれに関しては?」

 

「絶対嫌。八幡君と別れるくらいなら死んだ方がマシ」

 

だよな。俺もシルヴィと別れるのは嫌だ。何としてもシルヴィとの関係を守りたい。

 

そうなると俺が取れる選択肢は限られる。

 

1つはルサールカを力づくで押さえつけて黙らせる。しかしこれは現実的ではない。絶対に世間に広まらないとは限らないし、世界トップクラスのアイドルを傷物にしたら俺がクインヴェールに殺されるし。

 

2つ目は……

 

「シルヴィ、今直ぐ理事長室に案内を頼む」

 

俺がそう言うとシルヴィは申し訳なさそうな表情に変わる。

 

「……八幡君、それは」

 

どうやら俺が取ろうとしている行動を理解したようだ。そんな顔をすんなよ。元はと言えば俺が自爆したのが悪いんだし。

 

「……八幡、何をするの?」

 

オーフェリアは理解していないようでキョトンとした表情をして制服を引っ張ってくる。

 

「ん?今から理事長の所に行って交渉をするんだよ。俺がクインヴェール、正確にはクインヴェールのバックにいる統合企業財体W&Wで働くから、世間にシルヴィとの関係が広まっても関係を断ち切らないでくれってな」

 

残る方法はこれしかない。俺とシルヴィの関係が世間に広まった事によってW&Wが負う負担を俺が働くことで立て替える代わりに、シルヴィとの関係を断ち切らないように頼むだけだ。

 

幸い俺の諜報能力はアスタリスクでもトップクラスだろう。何せ誰にも干渉出来ない影の中に入れて自由に動けるんだし。

 

他所の統合企業財体の情報を簡単に盗める俺がレヴォルフを辞めて精々数十年働けばシルヴィのスキャンダル関係によって出来る負担も補填出来るだろうし。

 

俺が事情を説明するとオーフェリアは何か考えるような素振りを見せてから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なら、私もW&Wで八幡と一緒に働くわ」

 

俺と一緒に働く意を表明する。

 

「……え?」

 

「……オーフェリア?」

 

俺とシルヴィがオーフェリアの予想外の意見に驚く中、オーフェリアは話し続ける。

 

「諜報能力に長けた八幡と戦闘能力に長けた私の2人が下に就くならW&Wの方も八幡とシルヴィアの交際を認めてくれる可能性は充分にあるわ」

 

確かに俺だけでなくオーフェリアもいれば向こうも認めてくれるかもしれないが……

 

「いいのか?今回は完全に俺のミスだしお前が無理する事じゃないぞ?」

 

「……ううん。私がそうしたいの」

 

「お前が?」

 

「ええ。八幡と付き合ってからわかったけど、八幡にとってシルヴィアは必要な存在。だから離れ離れになるべきじゃない。それに……」

 

オーフェリアは一つ区切る頬を染めながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私も、その……シルヴィアと一緒にいたい。3人で過ごす時間は本当に幸せだから……」

 

そっぽを向きながらそう言ってくる。

 

(や、ヤバい……オーフェリアがデレた……!クソ可愛い)

 

隣ではシルヴィも俺と同じ気持ちのようだ。優しい笑みを浮かべてから俺とオーフェリアに抱きついてくる。周りでは騒ぎ声が聞こえてくるがどうでもいい。

 

「……ありがとう。私も2人と一緒にいたい。大好きだよ」

 

それを聞いた俺は胸が熱くなりオーフェリアとシルヴィの背中に手をまわす。

 

「ああ。俺もお前らを手放したくない。だから最善が尽くすだけだ」

 

「……私も」

 

オーフェリアも同様に俺とシルヴィの背中に手をまわしていた。

 

そうだ、スキャンダルがどうしたってんだ。世間が何と言おうと知った事じゃない。俺達3人の関係にひびを入れる奴は誰だろうと許さない。

 

いざとなったら来年の王竜星武祭で優勝してシルヴィの所有権もオーフェリア同様俺の物にしてやる。

 

改めて強く決心した俺は息を吐いて抱擁をといてシルヴィに話しかける。

 

「じゃあ俺達は今から理事長室に行って交渉してくるわ」

 

「……絶対に八幡と関係を断ち切らせないよう全力を尽くすわ」

 

「……うん。ありがとう」

 

「……お礼を言われる事じゃないわ。同じ八幡の妻として当然よ」

 

「そもそも今回は俺のミスだからな。お前が気にする事じゃない」

 

俺はそう言ってからルサールカの方を向く。

 

「……って訳だ。悪いがシルヴィの事を公表するならせめて理事長から許しを得たらにして……って、どうした?」

 

見るとルサールカの面々は全員真っ赤になって俯いていた。少し離れた場所では赫夜のメンバーも若宮とフェアクロフ先輩とアッヘンヴァルも真っ赤になって俯いていた。例外なのは苦笑を浮かべている蓮城寺と呆れ顔のフロックハートだけだ。

 

何だこいつら?いきなり顔を真っ赤にして何かあったのか?隣ではシルヴィとオーフェリアも疑問符を浮かべている。何が何だかさっぱりわからん。

 

そう思った俺は再度質問をしようとすると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『甘い(ですわ)(よ)(な)(わ)!!』

 

真っ赤になっているルサールカと赫夜のメンバーから突っ込みが入った。

 

(何が甘いんだ?訳がわからん)

 

「おいお前ら。甘いって何の事かわかるか?」

 

気になったので恋人2人にも訪ねてみるも……

 

「私はわからないな。オーフェリアさんは?」

 

「……知らないわ」

 

2人も知らないようで首を横に振る。

 

 

マジで何なんだ?

 

 

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