学戦都市でぼっちは動く   作:ユンケ

107 / 324
バカップルにとって普通な事でも他人からしたら砂糖地獄な事もある

俺やシルヴィ、オーフェリアは頭に疑問符を浮かべている。3人同時に頭に疑問符が浮かぶなんて滅多にないだろう。

 

だから俺は当事者らに話しかける。

 

「おいお前ら。さっき甘いって言ったが何が甘いんだ?」

 

俺は正面で真っ赤になっているルサールカとチーム赫夜のメンバーに向けて抱いている疑問をぶつける。

 

するとミルシェとモニカが俺達に詰め寄ってくる。

 

「あんた達の絡みだよ!何だよあの会話!明らかにラブラブじゃん!」

 

「そうよそうよ!普通二股って言ったらもっとドロドロするものじゃないの!」

 

って言われてもなぁ……

 

「まあ俺達は割と普通じゃないからドロドロしないでラブラブなんだよ」

 

「だよねー。私この関係今は好きだし」

 

「ん?今は?昔は違ったのか?」

 

「まあね。今だから言うけど付き合った当初はどうやって八幡君を独り占めするか真剣に考えていたしね」

 

「……実は私もよ。どうしたらシルヴィアより愛して貰えるか真剣に考えていたわ」

 

「いや、お前ら怖過ぎだろ?」

 

それで良く今の関係に落ち着いたな。もしも2人が言っていた事が事実ならかなり厳しいと思うが。

 

「でも八幡君を独り占めする事なんて一週間もしないで考えなくなったな」

 

「私もよ。いくら八幡を誘惑しても八幡は私とシルヴィア、どちらも同じくらい愛してくれたから。それを見て八幡は優劣を付けることはないって判断した私達は2人で八幡の愛に応えるって決めたのよ」

 

「当たり前だ。俺はお前ら2人を同時に愛すると決めた時から優劣を付けた事は一度もない」

 

それ以前にオーフェリアもシルヴィもどちらも本当に素晴らしい女性だから、俺みたいな大した事ない男が優劣を付けていい訳がない。

 

「……そんな事ないわ。八幡は優しくて素敵な人よ」

 

「うん。だから八幡君、俺みたいな大した事ない男なんて自分でも言っちゃダメだよ?」

 

「待て。何で俺の考えている事が寸分違わずに分かった?」

 

マジでこいつらエスパーじゃないの?

 

俺がそう思っていると……

 

「八幡君の考えている事なんて簡単にわかるよ」

 

「そうね。前にも言ったと思うけど……」

 

2人はそう言って一つ区切ると

 

「「心から愛している人の思考を読み取るなんて朝飯前よ(だよ)」」

 

笑顔を見せてから2人がギュッと抱きついてくる。はっ……やっぱりこいつらには勝てる気がしないな……

 

 

そんな事を考えながら2人を抱き返していると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『だから甘いって!』

 

横から叫び声が聞こえたので横を見るとルサールカと赫夜のメンバーが再度突っ込みを入れていた。

 

「てめぇらマジで私達の前でイチャイチャすんじゃねーよ!甘ったるくて仕方ねぇ!」

 

トゥーリアがそう文句を言って他の9人がうんうん頷いているが……

 

「ちょっと待って。私達は別にイチャイチャしてないよ。八幡君もオーフェリアさんもそう思っているよね?」

 

シルヴィがトゥーリアに反論しながら俺とオーフェリアを見てくるので俺達は頷く。

 

「……シルヴィアの言う通りだわ。私達は別にイチャイチャなんてしてないわ」

 

「だな。イチャイチャするとしたら人がいない所でしかしないな」

 

いくら2人の事を愛していると言っても人前でイチャイチャするの恥ずかしいし。

 

『嘘だ!!』

 

再び突っ込みを入れられる。何でお前ら息ピッタリなんだよ……?

 

「嘘じゃないよ。普通に会話しているだけだよ」

 

シルヴィがそう反論すると全員が呆気に取られポカンとした表情を見せてくる。

 

「……えっと、じゃあ3人にとってイチャイチャするってどんな事をするんですか?」

 

ルサールカ唯一の常識人であるマフレナがそう聞いてくるが……

 

「イチャイチャねぇ……やっぱり湯船で八幡君の上に乗って甘える事かな?」

 

「……私としてはベッドでお互いの体を触り合う事かしら?八幡は?」

 

俺?俺としては……

 

「1日最低30分ディープキスをする事だな」

 

色々イチャイチャはしているが1番のイチャイチャはそれだと思う。シルヴィなんて仕事でアスタリスクの外に行く時は前日に2時間近くディープキスをしてくるし。

 

「……なるほど。確かにアレが1番かしら?シルヴィアなんて凄くいやらしくなるし」

 

「なっ?!オーフェリアさんだって最後の方は八幡君におねだりしてるし充分いやらしいじゃん!」

 

「……そうね。八幡の事を考えるとついいやらしくなってしまうわ」

 

「それは私もそうだけど……元はと言えば八幡君があんなに激しくしてくるのが悪いよ!」

 

「ぐっ……そこを言われたら返す言葉がないな」

 

確かにそうだ。2人をその気にさせる為序盤から激しく攻めるしな。完全に俺が悪いな、うん。

 

とりあえず今後は自重していきたいが……無理だな。2人ともメチャクチャ可愛いし。すまんが自重しない。

 

内心そう頷いていると……

 

 

「あ、そ、そ、そうですか……」

 

質問をしてきたマフレナを筆頭に全員が真っ赤になって俯き出す。マジでこいつら純情過ぎだろ?

 

てかそろそろ訓練に入りたいんだけど?それ以前にルサールカに聞きたい事がある。

 

「てかルサールカ、何でお前らはここにいたんだ?」

 

ここは赫夜のメンバーが借りているトレーニングルームだ。ルサールカの連中がいる理由がわからん。

 

俺がそう尋ねるとルサールカの5人はハッとした表情になる。

 

「あ、そうだった!こっちも聞きたいんだけど、何であんなとオーフェリア・ランドルーフェンがいるのよ?!」

 

ミルシェが俺達を指差してくる。漸く本題に戻れたか。本当に長かったな……

 

「ああ。それな、簡単に言うと赫夜のメンバーを鍛えてる」

 

俺がそう返すとルサールカは再びポカンとした表情をしてから……

 

「「「「「えぇぇーー!」」」」」

 

騒ぎ声を出してくる。まあそれが普通の反応だよなぁ……

 

「ど、どういう事よ?!」

 

「何でレヴォルフのあんた達が他所の学校の生徒を鍛えてるのよ?!」

 

「……意味がわからないわ」

 

モニカ、ミルシェ、パイヴィが続いて聞いてくる。さっきまでの会話で疲れた俺は適当に流す事にした。

 

「まあアレだ。シルヴィに頼まれたりと色々あったんだよ。俺からも質問するがお前らは偵察か?だとしたら大人気ないと思うぞ?」

 

何せ前回獅鷲星武祭ベスト8チームが無名のチームに対して直接偵察に来たんだ?普通に大人気ないし。

 

「そうなんだよ。私もそれを知って軽く怒っていた所で八幡君達がやって来たんだよ」

 

「だから正座してたんだな。つーかシルヴィも知ってたのか?」

 

「んー、ベネトナーシュからこの子達がまた何か企んでいるみたいって報告があったの。トレーニングルームの予約状況を確認したり、偽名を使って予約に割り込んだり、勝手に備品を持ち出したりしてるって」

 

そう言ってシルヴィは近くにあった簡易迷彩フィールドの発生装置を叩いた。てかこんな物まで持ち出してるって……

 

 

 

世界トップのロックバンドって暇なのか?そう思っても仕方ないだろう。

 

「はぁ……一体何故そんな真似を?わざわざそんな事をしなくても、ベネトナーシュからデータは渡されているでしょうに」

 

フロックハートもあきれた表情でため息を吐いている。まあ気持ちはわかるがな。

 

「う、うるせー!そういう問題じゃねーんだよ!大体てめえら、さっきは黙って聞いてれば好き放題言いやがって!」

 

「そうよそうよお!お尻の青いへなちょこの癖にモニカ達を馬鹿にしてくれちゃってえ!練習も見てたけど、あの程度でモニカ達に挑もうなんてちゃんちゃらおかしいわ!」

 

「……私達が公式序列戦でいまいち振るわないのは事実だけど、それはあくまでこの純星煌式武装を使う事が出来ないからで、チーム戦ならあなたたちなんて相手にもならないわ」

 

何か明らかに3人がヒートアップしている。その表情には差があれど怒りが見えるが……

 

「おい若宮、お前ら何を言ったんだ?」

 

気になったのでつい聞いてみる。するとトゥーリアが俺に詰め寄ってくる。

 

「それがあいつら『負けてばっかり』だとか『結構苦戦してたり』とか『ミスが多い』とか散々言ってくれやがったんだよ!」

 

あー、なるほどな。まあ確かにルサールカはチームとしては強いが個々の実力はそこまで評価されていない。実際『詩の蜜酒』や『六万神殿』でのランクは低いし。

 

しかしそれでも赫夜のメンバーよりは強いだろう。実際俺もそう思っているし、それだけボロクソに言われたらキレてもまあ仕方ないだろう。

 

俺が内心ため息を吐いているとフロックハートが口を開ける。

 

「無駄に喚いてごまかさないでちょうだい。質問の答えになっていないわ。何故こんな手間をかけてまで私達の偵察にやってきたの?」

 

冷たい目をして論破にかかる。前から思ったが何か雪ノ下に若干似てるな。

 

「くっ……相変わらず理路整然と冷静な奴……!だ、だからそれはその……あんたがシルヴィアのプロデュースデビューしたっていうから、それを問い質そうと……」

 

『は……?』

 

その言葉に全員がポカンとする。そういやフロックハートはシルヴィにプロデュースされたな。理由はまだ聞いていないが……シルヴィの事だ。きっと何か理由があるのだろう。

 

「で、でもそれだったら、別にここに隠れてる必要はないんじゃ?普通にクロエに聞けば……」

 

アッヘンヴァルがそう訊ねるとトゥーリアが視線を外しながらぼそりと呟く。

 

「ばっか、それじゃ白を切られて終わりだろーが」

 

「だからなにか弱みを握れないかと思って隠れて探ってたんだけどお、まさかシルヴィア……さん本人が来ちゃうとはねー」

 

「じゃあ何ですの?あなた方は今度の試合とは全く関係なしにこんな真似を……?」

 

「だってさー!おっかしいじゃん!シルヴィアだよ?あのシルヴィア・リューネハイムが、ぽっと出の新人のプロデュースをするなんてらあり得ないじゃん!絶対なにか汚い手を使ったに決まってるよ!しかもあんた、ベネトナーシュだよね?だったらシルヴィアの弱みの一つや二つ握っていてもおかしくないし」

 

「……そんな事を言われても……大体シルヴィアの弱みなら貴女達も手に入れたじゃない」

 

そう言ってフロックハートはチラっと俺を見てくるが……

 

「それは却下!例の二股のネタは公表しない!」

 

ミルシェがノンノンとばかりに首を横に振ってくる。え?マジで?公表しないでくれるの?

 

「えー?!リーダー本気?折角特ダネを手に入れたのに棒に振るのー?」

 

俺が驚いている中、モニカは不満そうな表情を見せるもミルシェは気にしない。

 

「あったりまえじゃん!もしも公表してシルヴィアが別れちゃったら可哀想じゃん!」

 

「まあ……そうだよな。流石にこのバカップル3人の仲を引き裂くのは……気が引けるよな」

 

トゥーリアもため息を吐きながらミルシェに賛成する。

 

シルヴィからルサールカの事は聞いていたが根っからの悪人ではないようだ。

 

そう言って見逃してくれるのは本当にありがたい。

 

ありがたいが……一つだけ言いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……シルヴィの事を可哀想だと思うなら初めから弱みを探ろうとするなよ……」

 

「それはそれ、これはこれ!」

 

結論、やっぱりこいつらはバカだ。

 

 

その後はなんやかんや色々な事が起こって、シルヴィとルサールカが交渉してシルヴィがルサールカに曲を作る代わりに試合でモニカとマフレナの純星煌式武装の固有能力を使わない事となってルサールカは退場していった。

 

尚、最後にルサールカに俺達はバカップルじゃないと訂正を求めたら、ルサールカだけでなく赫夜のメンバーからも『嘘だ』と言われた。解せぬ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。