学戦都市でぼっちは動く   作:ユンケ

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やはりこの3人はバカップルで、3人の絆は無敵である

獅鷲星武祭10日目の夜……

 

5回戦が全て終了してベスト8が出揃った。いよいよ明日はベスト4を決める準々決勝がある。試合の組み合わせは……

 

 

第1試合

 

チーム・ランスロットVSチーム・アンドロクレス

 

第2試合

 

チーム・赫夜VSチーム・トリスタン

 

 

第3試合

 

チーム・ルサールカVSチーム・エンフィールド

 

第4試合

 

チーム・黄龍VSチーム・ヘリオン

 

って感じでベスト8に残ったチームの内、俺が目を掛けているチーム・赫夜もいるので是非応援に行くつもりだ。

 

そんな中、俺が何をしているかというと……

 

「んっ……ちゅっ……んんっ……」

 

「んんっ……はち、まん……ちゅっ…」

 

自宅の風呂場にて、恋人のオーフェリアとシルヴィの3人で一緒に湯船に浸かりながら2人からキスを受けている。2人は一糸纏わぬ姿で俺の身体に乗って身体を絡ませ、目を瞑りながらキスの雨を降らせてくる。

 

「八幡君……ちゅっ……んんっ……だい、しゅき……」

 

「ちゅっ……んむっ……れろっ……」

 

2人の可愛らしい舌は俺の口の中にある舌とネットリと絡まって唾液を送ってくる。2人とキスをするのは日常茶飯事だが、ここまで激しいキスは余りしない。

 

何故今日に限って激しいキスをしたかと言うと、昼に俺がアホな事を考えていたらシルヴィとオーフェリアが心配したので、心配をかけないようにエロい事を考えていたとその場で思いついた事を適当に言った。

 

しかしそれは逆効果で2人は『自分達以外でエロい事を考えられないようにする』と言ってきて思い切り誘惑をしてきたのだ。

 

「ぷはっ……!どう八幡君?気持ち良い?」

 

30分近く湯船に浸かりながらキスをしてのぼせかけた時だった。シルヴィとオーフェリアは唇と身体を離してきて、シルヴィは感想を聞いてくる。

 

「まあな。ただ少し激し過ぎるわ。マジで理性が吹っ飛びそうだ」

 

既に何度も2人を抱いたにもかかわらず理性が吹っ飛びそうになっている。付き合って間もない頃ならとっくに理性を吹っ飛ばしていているだろう。

 

「吹っ飛んでも良いのに……」

 

「おい」

 

オーフェリアの呟きに思わずツッコミを入れてしまう。しかしオーフェリアは特に気にすること無く再度俺に抱きついてくる。

 

「私もシルヴィアも八幡になら何をされても構わないわ……」

 

知ってる。2人は俺がどんな要求(勿論無茶な要求はしてないが)をしようと嫌な顔一つしないで、受け入れてくれている。

 

「それは知ってるよ。ただ大分身体が熱くなってきたしそろそろ出ようぜ」

 

流石に暑過ぎる。まあ湯船に浸かりながら30分近くキスをしていたら当たり前だけど。

 

「あ、だったら私の能力で身体の熱を冷まそうか?」

 

「そんなことに能力を使わんで良い。俺はもう出る」

 

言いながら湯船から出て脱衣所に向かうと後ろから2人が湯船から上がる気配を感じる。

 

「あ、待ってよー」

 

「……私も出るわ」

 

俺が脱衣所に着くと2人も直ぐに追いついて、美しい身体を隠すことなくバスタオルを取る。俺も2人に続いてバスタオルを取ろうとするも……

 

「偶には私達が拭いてあげる」

 

「……しっかり拭くから安心して」

 

言うなりシルヴィは背中を、オーフェリアは俺の胸板を拭き始めるが全く安心は出来ません。つーか他人に身体を拭かれるのって予想以上にくすぐったいな!

 

内心そう思いながらも2人は手を止めずに優しく、それでありながらしっかりと身体を拭く。

 

「ふふっ……八幡の身体、ガッシリしてて気持ち良いわ……」

 

オーフェリアはウットリとした声でそう言いながら右手で俺の脇を撫でてくる。そしてッーっと左手の薬指を立てて胸板を擦ってくるので破壊力がヤバ過ぎる。

 

「くっ……ま、まあ星露を相手にしてるし自然とな……」

 

星露と戦う時は遠距離攻撃は殆ど当たらないので必然的に白兵戦となる。ガンガン殴り合っている上に星露に打ち勝つ為に筋トレも増やしているので、自然と筋肉量は増えているのだ。

 

「やっぱりね。これは私も新曲を作らないと次の王竜星武祭で八幡君に負けそうだなー」

 

シルヴィはそう言ってくるが、それは勘弁して欲しい。前回の王竜星武祭では予想外の歌を何度も経験して押し切られたからな。

 

まあこっちも前回と違って比べものにならない程強くなったし、どうなるかわからんがな。

 

「まあ王竜星武祭で当たったら負けないからな?」

 

いくら大切な恋人が相手とはいえ易々と負けるつもりはない。前回負けた時は普通に悔しかったし。

 

「それはこっちのセリフだよ?オーフェリアにリベンジ出来ないのは仕方ないけど、八幡君には負けるつもりはないから」

 

「……私にリベンジをしたいなら出るわよ?」

 

「別に良いよ。オーフェリアはもう自由なんだし、無理してオーフェリアの身体に負担が掛かるのは嫌だし」

 

シルヴィは笑顔で首を横に振る。まあ俺も同感だ。オーフェリアが叶えたい願いがあるなら止めないが特にないなら出ないで欲しいのが俺の意見だ。俺自身オーフェリアに勝ちたい気持ちはあるが、最優先はオーフェリア自身の気持ちだ。既に自由になったオーフェリアに物事を強要するつもりはない。

 

「……ありがとう」

 

「別にお礼を言わなくても良いよ。それより八幡君の身体を拭かないと、ね♡」

 

シルヴィは言いながらタオルを背中から下半身ーー尻や足の方に動かして擦り始める。

 

「……そうね」

 

そしてオーフェリアもタオルを胸板から下半身に移すが……

 

「待てオーフェリア!流石に下は俺がやるからな!」

 

流石に下は無理だ。尻はまだしも俺の息子を拭かせる訳にはいかない。恥ずかしくて死ぬ。え?しょっちゅう搾り取られているから平気だろだって?馬鹿野郎、それとこれは別問題だ。

 

慌てながらオーフェリアを止めようとするも……

 

「ふふっ……ダメッ」

 

オーフェリアは蠱惑的な笑みを浮かべてから俺の下半身に手を添えて……

 

「あっ……ちょ待っ……!」

 

俺が止める間もなく、拭き始めた。恥ずか死ぬ……

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ、マジで婿に行けない……」

 

自室のベッドにて俺は恥ずかしさに悶えてしまっている。オーフェリアとシルヴィに全身くまなく拭かれてしまった。マジで恥ずかしい……

 

しかし当の本人らは……

 

「あははっ、ごめんごめん。やり過ぎちゃったかな?」

 

「……でも大丈夫。私達が結婚するから婿に行けない事はないわ」

 

楽しそうに笑いながら俺に抱きついてくる。その瞳は笑っていて謝意がないのは丸分かりだ。

 

しかし2人にここまで揶揄われると割と腹が立つな。まあ元々俺が昼にアホな事を言ったのが悪いから文句を口にするつもりはないけど。

 

だから……

 

「お前ら……そこまで揶揄うなら雌犬にするぞ?」

 

言いながらベッドの傍にある戸棚からロドルフォから貰った特製媚薬を見せる。これを使うと2人は従順で卑猥な雌犬になる事は知っている。

 

すると2人は目をパチクリするも直ぐに真っ赤になる。2人が雌犬になると翌日は毎回悶えているので、相当恥ずかしい自覚があるのだろう。

 

しかし……

 

「じゃあ……お願いします」

 

「……思い切り可愛がって欲しいわ」

 

2人は真っ赤になりながら可愛らしい口を開けて薬を飲む体勢となる。冗談で言ったのだが、2人はやる気満々のようだ。

 

そんな体勢を取られるとこっちもテンションが上がってしまうな。久しぶりに楽しむか。最近は一方的に搾り取られてばかりだし偶には主導権を握りたい。

 

「はいよ。じゃあ……スるぞ?」

 

言いながら俺は2人に媚薬を飲ませて、間髪入れずに2人のパジャマを脱がせて……

 

 

「「「んっ……」」」

 

3人一緒にキスをする。艶かしい夜は始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから3時間後……

 

「「……八幡(君)のエッチ……」」

 

ベッドの上にてオーフェリアとシルヴィが一糸纏わぬ姿で美しい肢体を俺の身体に絡めながらジト目で文句を言ってくるが……

 

「いやいや、人の身体を余さずに拭いて雌犬になったお前らも充分エロいからな?」

 

俺自身がエロいのは否定しないが、2人も負けず劣らずだろう。

 

俺がそう指摘すると2人は暗闇でもわかるくらい真っ赤になる。

 

「うぅ……もしかして八幡君はエッチな私達の事は嫌い?」

 

「んな訳ないだろ。お前らがどんな一面を持ってようと気にしないし、その全てを受け入れるつもりだ」

 

人間である以上絶対に人に見せたくない一面はある筈だ。しかし俺はそんな一面を含め全てのオーフェリアとシルヴィを受け入れて愛するつもりだ。

 

「そっか……うん、私も。どんな八幡君でも受け入れるよ」

 

「八幡……大好き……」

 

すると2人は優しく笑みを浮かべて更に強く抱きついてくるので、俺は2人の頭を優しく撫でる。やっぱり3人で過ごす時間は本当に幸せだ。

 

これから先、嬉しい事があったら3人で笑い合って、嫌な事があったら慰め合い3人で乗り越えていきたい。豪華な家や食事なんて要らない。オーフェリアとシルヴィが笑顔で居られるなら俺はそれで幸せなのだから。

 

だから……

 

「ああ。俺もお前らを愛しているよ」

 

今はこの場にある幸せを噛み締めて過ごすとしよう。俺は2人の頭から手を離して、2人の背中に手を回して眠りにつくまで抱きしめ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

pipipi……

 

耳元から電子音が鳴り響くので瞼を開ける。同時に光が眼に入るので思わず眼を細めると、窓から日差しが入るのを認識する。見れば太陽は割と高い場所に上がっていて……

 

(……って、もう11時前じゃねぇか!)

 

見れば目覚まし時計は10時50分を示していた。完全に寝坊だ。今日は準々決勝があるってのに……こんな事なら6回もやらないで4回にしとけば良かったぜ。

 

内心後悔していると……

 

「んんっ〜?もう朝……?」

 

「ふぁぁぁっ……おはよう、八幡」

 

俺の身体に抱きついて寝ていた恋人2人が眠そうに瞼を開けるが……

 

「おはよう。朝ってかもう11時だな」

 

俺がそう言うと2人はパチクリ瞬きをしてからハッとした表情を見せてくる。

 

「11時……あはは、完全に寝坊だね」

 

「……仕方ないわ。昨日は3時過ぎまで起きていたのだから」

 

「まあな。それより早く朝食を食べてシリウスドームに行こうぜ。試合まで余り時間はないし」

 

チーム・赫夜の試合は12時からだ。今から朝飯を食べてシリウスドームに向かったら結構ギリギリである。

 

「そうだね。急いでご飯を作ろっか」

 

「……ええ。でもその前に……」

 

言うなり2人は俺の顔に近付き……

 

 

ちゅっ……

 

2人同時に俺の唇にキスを落としてくる。2人の愛情のこもったキスによって俺が幸せになる中、2人は俺から離れて……

 

 

「「おはよう八幡(君)、大好きよ(だよ)」」

 

見る者全てを魅了するであろう可愛らしい笑みを浮かべておはようの挨拶をしてきた。どうやら今日も幸せな1日を過ごせそうだな。

 

 

 

それから15分後……

 

「うーん。やっぱり八幡君のこれは便利だねー」

 

「そうね。流石世界で最も多彩な魔術師にして私の彼氏」

 

アスタリスク上空にて、シルヴィとオーフェリアが俺が生み出した影の龍に乗りながら感嘆の声を上げる。一般客や学園の人間は電車やバスを使うが、混雑した乗り物に乗るのは面倒故に能力を使って移動している。普通に電車でシリウスドームに行けば30分近くかかるが、影の龍に乗れば15分で着く。これならチーム・赫夜の試合に余裕で間に合うだろう。

 

「どういたしまして。世界最強の魔女と世界で最も万能な魔女にそう言われるとは光栄だな」

 

てか彼女に褒められると幸せになる。寧ろ昇天してしまいそうだ。

 

そんなアホな事を考えている間にも影の龍は空を駆けて、遂にシリウスドームに到着した。本来なら龍を地面に降ろす所だが、星武祭中のシリウスドーム周辺には露店や観客が沢山いるので龍が降りるスペースがない。

 

よって……

 

「丁度あそこら辺の窓が開いてるし、あそこから入るぞ」

 

俺がそう言ってシリウスドーム、より正確に言うとシリウスドームの開いているを指差す。

 

同時に龍は一度雄叫びを上げてゆっくりと窓に近付く。窓から入る際に廊下を歩いている観客は驚くかもしれないが気にしない事にする。

 

そして龍の首が窓と密着したので俺達は龍の首を伝ってシリウスドームに入る。すると……

 

 

「おっ、馬鹿息子に義理娘2人じゃん。奇遇だね」

 

「……どんな入場の仕方ですか?」

 

意外そうな表情を浮かべたお袋と呆れた表情のペトラさんが居た。何とも凄い偶然だな。

 

まあ、とりあえず……

 

「どうもっす」

 

挨拶くらいはしておくべきだろう。

 

 

 

しかしこの時は知らなかった。10分後、地獄を見る事になるとは……




もう直ぐ原作8巻の部分は終わりますが、多分9巻の部分は殆どカットすると思います。八幡は星導館じゃないので……

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