学戦都市でぼっちは動く   作:ユンケ

220 / 324
クリスマスパーティーにて比企谷八幡は……

「それでね!八幡はエッチ過ぎるの!胸を揉んだりお尻に顔を突っ込んだり……!」

 

「それに……私達の下着や裸を見たり……エッチ、スケベ……ぐすっ……」

 

「加えて3人の関係が公表される前はバレないように私が情報統制をしていたのよ……そんな苦労をした挙句に3人のイチャイチャを見せられた私の気持ちがわかるの?!」

 

「その上、しょっちゅう他の女にデレデレして……私とシルヴィア以外の女にデレデレしないでよ、八幡のバカ、おたんこなす、絶倫」

 

クリスマスパーティーに参加している俺は正座をしてフェアクロフ先輩、アッヘンヴァル、フロックハート、オーフェリア、計4人から過去の罪について問われている。てかオーフェリア、女子がそんな事を言ってはいけないからな?

 

何故こんな事になっているかというとパーティーの最中に、4人は酒を飲んで酔ったからだ。何故未成年の集まりに酒があるかと言うと、お袋が差し入れた飲み物の中に酒が混じっていたのだ。

 

結果それを飲みまくった4人は酔って俺に接近をしているのだ。しかも全員素面とは態度が違うし。

 

フェアクロフ先輩は敬語を止めて、アッヘンヴァルは泣き上戸になって、フロックハートはヒステリックになって、オーフェリアはいつもより砕けた口調となっている。

 

尚、俺以外の素面の状態のシルヴィと若宮と蓮城寺は離れた所で固唾を飲んで見守っているだけで助けてくれる気配は「聞いてるの八幡?!」……ひいっ!

 

考えるのを止めて顔を上げるとフェアクロフ先輩、否フェアクロフ先輩を含めた酔いどれ4人がキスをしかねない距離まで顔を近づけていた。

 

「私達が説教してるのにまたエッチな事を考えて……」

 

「い、いや、エロい事は特に「嘘だっ!!」え〜」

 

ひ○らしネタは少々古くないか。てかフェアクロフ先輩がそのネタを言うとは……

 

「八幡はエッチな事ばかり考えているってシルヴィアとオーフェリアが言っていたわ!」

 

おい。思わず素面のシルヴィを見るとシルヴィは小さく謝るジェスチャーを見せてくる。彼女じゃかったらしばき倒している自信がある。

 

「ぐすっ……私達、凄く恥ずかしかった……ひっぐっ……」

 

「あ、いや済まん。本当にわざとじゃ「わざとじゃなくてもやったのは事実じゃない!」はい、仰る通りです!」

 

泣くアッヘンヴァルに言い訳をしようとしたら今度はフロックハートがヒステリック気味に怒鳴ってくる。俺がラッキースケベをした件についてはその日のうちに許して貰ったが、酔っている4人には関係ないようだ。

 

 

言うなりフロックハートが俺に近寄り

 

 

 

 

 

 

「いつもいつも私達を辱めて……!だから今度は……私達が八幡を辱めてあげるわ!」

 

言いながら俺の制服のボタンを外しから脱がしてワイシャツ姿にする。……って、待てい!いきなり何をするんじゃ?!予想外の光景に素面の3人も絶句してるし。

 

慌てながらもフロックハートを引き離そうとするも……

 

「そうよ!偶には私達の気持ちを知るべきだわ!」

 

フェアクロフ先輩がズボンに手をかけてズルリと下ろし始める。待て待て待て!これはもっとマズいだろ?!

 

フロックハートを一度諦めてフェアクロフ先輩を引き離そうとするも……

 

「んんっ……」

 

「うぉいっ!」

 

アッヘンヴァルが制服がはだけた事によって露わになった俺の首筋をペロリと舐めてくる。舌を見ればアッヘンヴァルがチロチロと舌を出していた。

 

(こ、こいつらマジでヤバい……!本気で俺のことを辱めに来てやがる……!)

 

酔いって怖過ぎるだろ……どんだけ飲んだんだよ?

 

予想外の3人の行動に焦っている時だった。

 

「……それ以上はダメ……!」

 

オーフェリアが3人にタックルを仕掛けて俺が引き離してくれる。おおっ!オーフェリアよ!流石にやり過ぎだと止めて「八幡を辱めるのは私の役割……!」違った。単に自分がやりたいだけだった……っておい!

 

「オーフェリア!それ以上はマズいって!」

 

オーフェリアはあろうことか3人がやっていた事を全て一人でやり始めた。首筋に舌を這わせて、右手でワイシャツを脱がし……

 

 

「待て待て待て!頼むからパンツは脱がすな!」

 

オーフェリアの左手がパンツに触れて下ろし始める。これはマジでマズい!何で楽しいクリスマスパーティーがこうなってんだよ?!

 

とりあえずこれ以上はマズいので影の禁獄を使ってオーフェリアを影の中に入れようとした時だった。

 

「優しき聖母は狂いし者に、幸福の笑みと、穏やかな子守唄を聞かせて、安らぎを与える」

 

歌声が流れ近くから万応素が噴きだす。同時に光の玉が酔いどれ4人に当たり……

 

 

「「「「………」」」」

 

そのまま地面に倒れ込み、口から可愛らしい寝息を生み出す。こんな事を出来るのは1人しかいない。

 

「ごめん八幡君。酔ってる人間を眠らせる歌を作ってて助けるのが遅くなっちゃった」

 

シルヴィが小さくウィンクをしながらそう言ってくる。歌を媒介とした能力だしシルヴィ以外には考えられない。

 

「いや、マジで助かった。ありがとな」

 

俺は改めてシルヴィに礼をする。特に揉める事なく事態を鎮静してくれたんだ。感謝しかない。

 

 

「わあっ!」

 

「あっ……」

 

すると若宮と蓮城寺が顔を真っ赤にして俯く。何だその反応は?俺なんか変な事をしたか?

 

疑問に思っていると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八幡君………パンツ、下がってるよ」

 

シルヴィが顔を真っ赤にしながら、それでありながらガン見しながらそう言ってきた。

 

………………………あ

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそッ……マジで死にたい」

 

俺は半ばヤケになりながらテーブルの上にあるチキンを食べる。マジで恥ずかしい。理由は簡単、さっきオーフェリアにパンツを脱がされたからだ。シルヴィには毎日風呂に入るときに見られているから問題ないが……

 

 

「……き、気にしなくて良いよ!ね、柚陽ちゃん?」

 

「ええ……私達も気にしてないので」

 

若宮と蓮城寺は別だ。見た2人だけでなく見られた俺もガチで気まずい。実際2人は顔を赤くしてチラチラと俺を見ているし。

 

マジで最悪だ。これというのも全部お袋の所為だ。子供のパーティーに酒を混ぜるなんて。年末にウチに来るときにぶっ飛ばす。

 

そんな事を考えていると……

 

「「「「んっ、んんっ……」」」」

 

横からそんな声が聞こえたので見れば、酔いどれ4人がゆっくりと起き上がり目を擦っていた。思ったより起きるのは早かったな。

 

「あれ?私寝てしまいましたの……?」

 

フェアクロフ先輩がそう言ってくる。口調はいつもの口調になっている。

 

(酔いが覚めたのか?だとしたら有難いんだが……)

 

そう思いながら4人を見ると……

 

「「八幡、さっきはごめん(なさい)」」

 

フロックハートとアッヘンヴァルか顔を真っ赤にしながら謝ってくる。謝罪の内容は十中八九アレだろう。フロックハートが俺の上着を脱がした事、アッヘンヴァルが俺の首筋を舐めた事だろう。

 

「……別に気にしてないから、お前らも気にするな」

 

本当はメチャクチャ気にしているが、それを表に出したら間違いなく面倒な事になるから出さない。タダでさえ、若宮と蓮城寺と気まずいのだから。

 

「え?何故クロエさんとニーナさんが八幡さんに謝っているのですの?」

 

「……本当に何があったの?」

 

するとフェアクロフ先輩とオーフェリアは頭に疑問符を浮かべながら俺達3人のやり取りを見ている。どうやらフェアクロフ先輩とオーフェリアは記憶が飛んだようだ。酔った時の言動といい、タチが悪過ぎだろ?今後オーフェリアと酒を飲むときは気をつけよう。

 

「なんでもない。それより飯を食べろよ。冷めちまうぞ?」

 

言いながら4人に食べるように促す。とりあえずフロックハートとアッヘンヴァルは違う事に集中すれば気が紛れるかもしれないし。

 

俺の言葉を理解したフロックハートとアッヘンヴァルは俺の考えに従い早いペースで食べ始め、オーフェリアとフェアクロフ先輩も未だに頭に疑問符を浮かべながらも食べるのを再開した。

 

あ、お袋の差し入れについてはお菓子以外の飲み物はちゃんと外しておきました。また酔ったりしたら面倒だからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後……

 

「じゃあプレゼント交換をやろうか!」

 

飯を食べてケーキを食べると、漸く気まずい空気が無くなったので若宮がそんな提案をしてくる。そういや先程のやり取りのインパクトが強過ぎて忘れていたな。

 

そう思いながら全員がプレゼントを取り出す。全員バラバラのサイズで包みの色も違う。

 

「これじゃ誰のプレゼントかわかっちゃうね……あ、そうだ」

 

するとシルヴィはいきなり俺を見てくる。何だ?俺にどうしろと?

 

「八幡君の能力でさ、全員のプレゼントに影を纏わせてわからないようにしてくれない」

 

「なるほどな……了解」

 

言いながら全員のプレゼントを一箇所に集め、終えると同時に自身の影に星辰力を入れて地面から影を取り出す。そしてそれをテーブルにあるプレゼントに纏わせる。

 

それによって巨大な黒い塊が生まれるも、塊は直ぐに7つの黒い紙袋、もとい影袋となる。

 

「これで問題ないな。んじゃ全員適当に取れ」

 

俺がそう言うとそれぞれがプレゼントを取るので俺も取る。俺が持ってきたプレゼントより重みがある気がするな……

 

「じゃあ時計回りにプレゼントを渡そっか。時間は……良し!」

 

シルヴィがタイマーをセットする。見れば1分12秒と微妙な時間だ。まあこれなら意図的に特定のプレゼントを狙うのは無理だし悪くない判断だ。

 

そう思いながらも俺は手元にあるプレゼントをシルヴィに渡す。同時にオーフェリアからプレゼントを渡されたので直ぐにシルヴィに渡す。

 

暫く続けていると……

 

pipipi……

 

アラームが鳴るので手の動きを止める。

 

「いよいよプレゼントを開けよう!」

 

若宮の言葉と同時にプレゼントを包んでいた影が俺の影に戻る。俺の手元には緑色の包み紙に包まれたプレゼントがある。

 

そして開けてみると綺麗な花が描かれた巾着袋が入っていた。プレゼントのチョイスから蓮城寺だろう。試しに見てみれば小さく笑顔を浮かべてきたしビンゴだ。

 

(折角貰ったものだ。煌式武装を入れておくか)

 

巾着袋は割とデカイし、最近は『ダークリパルサー』を数本持ち歩いているし。

 

そういえば俺のプレゼントは……

 

「綺麗なブローチ……次のライブで付けてみるか……」

 

どうやらフロックハートの手に渡ったようだ。見る限り反応も悪くないので良かった良かった。

 

安心しながら俺は早速腰に巾着袋を付けてポケットにある『ダークリパルサー』5本を入れた。いやー、ポケットだと邪魔だから助かったわ。

 

 

 

結局、プレゼントはどうなったかと言うと……

 

俺のプレゼント(サファイアが埋め込まれたブローチ)はフロックハートに、

 

シルヴィのプレゼント(可愛らしい髪飾り)はフェアクロフ先輩に、

 

オーフェリアのプレゼント(花の刺繍が付いたピンク色のハンカチ)はアッヘンヴァルに、

 

若宮のプレゼント(雪だるまが描かれた手袋)はシルヴィに、

 

蓮城寺のプレゼント(和風の雰囲気の巾着袋)は俺に、

 

フェアクロフ先輩のプレゼント(上品そうなブレスレット)は蓮城寺に、

 

アッヘンヴァルのプレゼント(手のひらサイズの熊のぬいぐるみ)は若宮に、

 

フロックハートのプレゼント(高級そうな万年筆と手帳)はオーフェリアに渡った。見る限り全員喜んでいたのでプレゼント交換は成功と言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はお菓子を食べながら雑談したり、公式序列戦の試合を見て語り合ったり、今年を振り返ったりして生徒会の業務で怠くなっていた気分も良くなった。

 

しかしそんな楽しい時間にも終わりが来る。気がつけば25日と日が変わっていたので解散する事になった。

 

「んじゃ俺達は帰る。今日は誘ってくれてありがとな」

 

今日のパーティーは楽しかったと本気で思った。まあ途中で物凄い恥ずかしい思いをしたけど……いかん。思い出すと顔が熱くなってくる。

 

「ううん!こっちも凄く楽しかったよ!」

 

若宮達チーム・赫夜の5人もそう言ってくる。こちら側だけが楽しい思いをしたとかじゃなくて良かったぜ。

 

「そうかい。じゃあまた来年に会おうぜ」

 

「うん!……あ、八幡君達さえ良ければ年末も一緒に過ごさない?」

 

「悪いが年末年始は家族と過ごす予定になってるから無理だ」

 

「まあそうですわよね」

 

「そんな訳で無理だ。とりあえず今日は楽しかった、またな」

 

「また遊ぼうね」

 

「……さようなら」

 

シルヴィとオーフェリアも赫夜の5人に挨拶をすると、5人も笑顔で挨拶を返すのでそれを確認した俺は影に星辰力を入れてから自身の影に入って、クインヴェールの女子寮を後にした。

 

 

 

そして影に潜りながらそのままクインヴェールを出て、あと少しで自宅に着く時だった。

 

「「八幡(君)」」

 

いきなり後ろにいる恋人2人が話しかけてきた。何事かと思って振り返れば……

 

「「メリークリスマス」」

 

ちゅっ……

 

2人同時に俺の唇にキスを落としてきた。同時に俺の胸に温かな風が吹く。

 

だから俺も……

 

「ああ、メリークリスマス」

 

ちゅっ……

 

2人の唇にキスをする。そして3人で抱き合う体勢を取る。

 

聖夜に3人でキスをする。その行為は何ものにも勝る行為だと俺は思った。

 

アスタリスクに来る前はクリスマスなんてリア充のイベントと忌避していたが……

 

(恋人がいると最高のイベントだな)

 

そう思いながらキスを続ける。

 

俺達の間に介入出来る者は居ないと断言出来るだろう。

 

 

 

余談だが、翌日のクリスマスは、朝8時に起きてから食事やトイレの時間を除いて一日中キスをして、夜は性夜のひと時を過ごした。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。