学戦都市でぼっちは動く   作:ユンケ

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男子会が行われる中、女子会も行われる

アスタリスク中央区に存在するとあるレストラン。そこは大通りから外れた場所にあるので沢山客が来る事はないが、上品な味が有名でお偉いさんがお忍びで来る事もある。

 

そして今日、そのレストランのVIPルームには大量の有名人が集まっていた。

 

「というわけでクローディアが遅刻だけど、久しぶりの女子会に……乾杯!」

 

『乾杯!』

 

シルヴィアがコップを掲げてそう言うと、その場にいる女性らは同じようにコップを掲げるのだった。

 

部屋にいる人間は10人だが、全員世界でも有名な人物だった。

 

リーゼルタニアの王女にして鳳凰星武祭と獅鷲星武祭覇者である天霧・R・ユリス

 

今世界で最も知られている剣術の刀藤流の最高指導者にして、星導館学園の戦闘教師を務める天霧綺凛

 

世界でトップクラスの技術会社である技術開発局のNo.2である材木座義輝の右腕である天霧紗夜

 

アスタリスクの治安を守る世界でも人気の職である星猟警備隊に所属して警備隊隊長の天霧綾斗の右腕てある比企谷小町

 

元世界の歌姫にして星武祭運営委員会の比企谷・R・シルヴィア

 

王竜星武祭を二連覇して世界最強の魔女と謳われる比企谷・R・オーフェリア

 

獅鷲星武祭覇者にして世界最強のバカップル3人の中に混ざる事が出来た生きる伝説である比企谷・M・ノエル

 

欧州を代表するブランシャール家当主であるレティシア・ブランシャール

 

界龍の講師をしながら、夫と共に界龍の諜報工作機関龍生九子の第七府、特務機関の《睚眦》エースエージェントである趙・W・セシリー

 

世界最大の技術会社の擬形体部門のトップを務める、世界最強クラスの技術者のエルネスタ・キューネ

 

 

世界中の誰もが知っているほどの有名人10人がレストランに集まっているのだ。

 

 

「いやー、最近どうですか?忙しいですか?」

 

ワインを飲みながらそう尋ねるのは小町。いつも警備隊として厳かな雰囲気を出しているが、今はプライベートなので本来の軽い性格を出している。

 

「私はブランシャール家当主ですから忙しいですわ」

 

「私は鳳凰星武祭の有力選手の調査は終わったけど、講師として色々忙しいかなー」

 

「私はもう直ぐ鳳凰星武祭が始まるし運営として忙しいな」

 

「私の花屋は趣味でやってるからそこまで忙しくないわ」

 

「私は……最近忙しいですね。あ、それと綺凛さん、例の合同練習についてですが、ガラードワースは参加することになりましたよ」

 

「あ、そうなんですか。ありがとうございますノエルさん」

 

ノエルと綺凛は楽しそうに話し合う。2人は学生時代と殆ど見た目は変化せず子供っぽいので、この場にいる全員は2人を見て癒されている。

 

「ちなみにノエルさん、八幡さんが所属するクインヴェールについてはわかりますか?」

 

「クインヴェールは結構賛成反対がぶつかり合ってるみたいで、まだ決まってないですね」

 

「あ、すみません……」

 

「いえいえ。それより綺凛さんは忙しいんじゃないですか?」

 

「そうですね。星導館としては鳳凰星武祭でポイントを稼がないといけないので忙しいです。クローディアさんが遅れるのもそれが原因ですから」

 

「私はいつも忙しい。煌式武装は幾ら作っても注文が来る」

 

「だよねー。私の所も擬形体の注文が殺到してて、私の研究の時間が減って面倒だよ」

 

「私は基本オーフェリアと花屋で働いて、偶に星導館でアシスタントをするくらいだからそこまで忙しくないな」

 

「ほーほー、やっぱり皆色々な道を歩んでますねー」

 

「それを言ったら小町もだろう。警備隊なんて名誉な仕事に就いているのだから」

 

小町のぼやきにユリスはそう返す。実際警備隊の最大の敵である涼子の娘である小町が警備隊に入隊した時はアスタリスク全域を揺るがした程であったのだ。

 

「まあやりがいのある仕事ですよ……結婚しにくい仕事ですけど」

 

小町からは哀愁が漂う。この中で小町とエルネスタだけが独身であるが故に。

 

「だからと言って私達の綾斗にちょっかいをかけるのは止めて貰おう」

 

「えー、良いじゃないですか紗夜さん。他に良い男が居らず独身の小町を救済してくださいわよー」

 

「確かに剣士くんは良物件だね。あーあ、私も良物件の男が欲しいなー」

 

「……お前は義輝と結婚してないのか?」

 

紗夜がそう口にするとエルネスタ以外の全員が同じ気持ちになりながらエルネスタを見る。エルネスタが材木座と同棲している事はこの面子にとっては周知の事実である。

 

「え?結婚も交際もしてないよ。将軍ちゃんは私の事好きじゃないだろうし。ま、良物件だとは思うけど」

 

「へー、どんな風に良物件なの?というかどんな暮らしをしてるの?」

 

セシリーが興味深そうに尋ねるとエルネスタは考えるような素振りを見せてから口を開けて……

 

 

「えーっとね、朝になったら将軍ちゃんが私を起こしてくれて、直ぐに私のパジャマを脱がして着替えさせてくれて、将軍ちゃんが作ってくれた朝ごはんを一緒に食べて、一緒に仕事場に行って別々の仕事をやって、勤務時間が終わったら一緒に帰宅して、将軍ちゃんが作った夕食を一緒に食べて、一緒に映画を見たりして、将軍ちゃんがお風呂を沸かしたら私の服を脱がしてから一緒に入って、お風呂から上がったら将軍ちゃんの部屋で一緒に寝る……って感じかな」

 

「そ、それを毎日やってるのかな?」

 

「え?なんかおかしい所があった……って、何でそんな私を馬鹿にしたような目で見るのさ?!」

 

『………』

 

セシリーは頬を引き攣らせながらエルネスタに質問をするもエルネスタは即答する。それによってエルネスタ以外の人は全員無言でエルネスタに呆れを混ぜた視線を向けて、エルネスタは怒りを露わにする。

 

しかしエルネスタ以外の9人はエルネスタの叫びを無視して顔を寄せ合う。

 

(え?本当にあの2人付き合ってないんですか?小町からしたら結婚しててもおかしくないと思いますけど)

 

(だよねー。私虎峰と結婚してるけど、あそこまでラブラブじゃないよ)

 

(私もですわ……まあ、アーネストが真面目というのもありますけど)

 

(いや、しかし……私達も綾斗とそこまでラブラブじゃないぞ)

 

(まあ綾斗さんが忙しいってのもありますけど)

 

(……それを差し引いても義輝とエルネスタは仲が良過ぎる)

 

(まあ確かにね。私達は八幡君とあれくらいラブラブしてるけど……)

 

(私やシルヴィアとノエルは八幡と結婚しているから問題ないわ)

 

(ですがあの2人は結婚どころか付き合ってない状態でアレですから相当凄いです……)

 

9人の考えは1つだった。お前らさっさと結婚しろという考えを全員が持っている。

 

「ま、まあアレですよ。厨二さんも10年以上エルネスタさんを家に置いているんだし嫌ってないと思いますよ」

 

「というより世間ではお前と義輝はデきているって言われてるから、義輝以外の男と結婚するのは厳しいと思うぞ」

 

紗夜の言葉にエルネスタ以外の全員が頷く。実際材木座とエルネスタは学生時代から仲が良いこともあって世間では恋仲と認知されている。

 

それは2人が学生時代から無意識のうちにイチャイチャしていたことが原因であるが、その状態で他の結婚相手を探すのは無理な話というものだ。

 

「そっか……改めて考えてみるよ」

 

エルネスタがそう言うと9人は大きく頷いて、結婚しろと強く願ったのだった。自分達のブラックコーヒー摂取量を減らす為に。

 

「まあ頑張ってください。ところでもう直ぐ鳳凰星武祭ですけど、この中で自分の子供が鳳凰星武祭に参加するって人は居ますか?」

 

「私の紗枝と綺凛の零が組んで参加する」

 

小町の質問に紗夜が手を挙げて答える。同時にこの場の空気が僅かに引き締まる。

 

「おーおー、星導館の序列1位と4位ペアを出すなんて本気だねー。私達界龍からも強い奴を出さないとマズイかも……まあ2トップは王竜星武祭に絞ってるけど」

 

言いながらセシリーはシルヴィアを見る。シルヴィアの娘の竜胆は界龍の序列1位であるのでセシリーもそれなりに付き合いを持っている。

 

「竜胆は王竜星武祭以外興味ないからね。ちなみにユリス、歌歩とクローディアの優子は鳳凰星武祭に参加しないの?」

 

シルヴィアがユリスにそう尋ねると……

 

「歌歩は王竜星武祭に絞っていて、優子は獅鷲星武祭に出るらしいですよ」

 

返答はユリスの後ろから聞こえたので見てみれば……

 

「あっ、クローディア。お疲れー」

 

そこにはスーツを着た金髪の女性ーーー天霧・E・クローディアがニコニコしながら立っていた。

 

「お疲れ様。すみません、会議が長引いてしまったので遅れました」

 

「まあ銀河の最高幹部なんですから仕方ないですよ。どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

クローディアは小町から渡されたワインを飲んで一息吐く。

 

「それで?優子は獅鷲星武祭に出るのですの?」

 

クローディアがワインのグラスを口から離すとレティシアがクローディアに話しかける。

 

「ええ。優子曰く『八幡さんの娘がいる限り王竜星武祭を制するのは厳しい』と言ってましたから」

 

「なるほどね……まあ歌奈は出るか知らないけど私の竜胆とオーフェリアの翔子は王竜星武祭に出るき満々だしね」

 

「まあ獅鷲星武祭に出るなら丁度良いですわ。ウチのメリクリウスはチーム・ランスロットのメンバーですし、楽しみにしてますわ」

 

「わ、私の所の茨ちゃんも頑張ります」

 

クローディアの娘の獅鷲星武祭参加に、ガラードワースに所属する娘を持つレティシアとノエルもやる気を出す。ガラードワースOGとして全力でサポートする考えを持っている。

 

「警備隊の小町としては平和に終わればそれで良いですね……ま、小町達が学生の頃に比べたら平和ですよね」

 

「そうだな……フローラの誘拐があったり……」

 

「八幡君がオーフェリアを自由にする為に金枝篇同盟とやり合ったり……」

 

「私が銀河に喧嘩を売って実働部隊に命を狙われたり……」

 

「治療院で八幡と綾斗がマディアス・メサと戦ったり色々あったわね」

 

「加えて葉山隼人及びそのグループメンバーが闇討ちを仕掛けようとしたり色々ありましたわね」

 

「終いには八幡さんと星露さんがシリウスドームを壊したりしましたね」

 

「あー、そう考えると私達の世代って面倒事が多かったね」

 

セシリーの言葉に全員が頷く。改めて思い出すと最近の星武祭期間に生まれるトラブルは随分と温いものになったと思える。

 

「あ、そういえば小町思い出しました!実は先日、ノエルちゃんの一件の時に捕まった葉虫グループが出所されたんです」

 

その言葉に八幡の妻3人を筆頭に全員が嫌な表情になる。

 

今から15年以上前、八幡は大学卒業する直前、長年アプローチしてきたノエルの告白を受け入れて結婚を約束した。

 

世間では大きな騒ぎとなったが、その際に葉山グループは八幡はノエルを利用してガラードワースの運営母体である統合企業財体E=Pのコネを手に入れると判断した。

 

そして葉山グループは八幡を暗殺してガラードワースを救うべく、八幡に闇討ちを仕掛けたが、結果は当然惨敗。

 

全員半殺しにした八幡はそのまま警備隊に突き出した。結果として葉山グループは懲役15年以上となり、ガラードワースの評価は最悪となり、判決を聞いたエリオットの胃は爆発して1ヶ月以上の入院となった。

 

「ふーん……わかった。しっかり警戒しておくね」

 

「まあ八幡があんな雑魚集団に遅れをとるとは思わないけど」

 

「絶対に八幡さんに怪我なんてさせません」

 

八幡の嫁3人は小町の言葉に強く頷く。自分の愛する夫が傷つく所を見たくないが故に。

 

「私達E=Pの方でも監視するようにしておきますわ……それにしても本当総武中の人は碌なのが居ませんわ。この前も相模という生徒が問題を起こしたので調べてみれば母親は総武出身ですし……」

 

レティシアの言葉に八幡の嫁3人はピクリと反応する。相模と言ったら八幡の嫁3人にとっては不倶戴天の怨敵だ。何せ自分の事を棚上げして散々八幡を侮辱した女なのだから。

 

「総武中って色々とすごい学校だねー。確か八幡ちゃんと将軍ちゃんも総武出身だったし」

 

「陽姉も総武中出身だったな」

 

「総武中って良い意味で有名な人と悪い意味で有名な人の差がありすぎだな」

 

紗夜の言葉に全員が苦笑しながらも頷く。

 

「まあその話はここまでにしましょう。折角の女子会で暗い話をしても意味ないし」

 

「そうだねー……あ!じゃあ折角だし夫持ちの人に聞きたい事があるんだけど」

 

オーフェリアの言葉にエルネスタが大きく手を挙げて……

 

 

「旦那とはどれくらいのペースでヤってるの?」

 

『ぶっ……!』

 

予想外の爆弾にユリスと綺凛とノエルとレティシアが噴き出す。一方夫の居ない小町はそう言った話を苦手としないクローディアと紗夜とシルヴィアとオーフェリアとセシリーは噴き出した4人の口を拭いてあげている。

 

「な、ななななんだその破廉恥な質問は?」

 

「えー、だって夫を持ってるとどれくらいか気になるし。それでどれくらいのペース?」

 

「誰がそんな質問を「大体週に1、2回」紗夜!馬鹿正直に答えるな!」

 

「意外と少ないねー。セシリーは?」

 

「私?私はケースバイケース。1週間以上いない時もあるし3日連続って時もある。まあ虎峰ってチキンだから毎回受けに回ってるけど」

 

「あー、虎峰さんって積極的には見えないですから。ちなみにレティシアさんは?」

 

「小町も悪ノリしないでくださいまし!答えませんわよ!」

 

小町がエルネスタ同様に警備隊の人間にあるまじき下衆い笑みを浮かべながら質問をするもレティシアに一蹴される。

 

「ちぇー、じゃあシルヴィアさん達は?」

 

「週に2日から4日かな」

 

「ちなみに何回戦まで?」

 

「最大で一人当たり2回戦、計6回戦だね」

 

「えっ?お兄ちゃんって絶倫?」

 

『ぶっ……!』

 

再度ユリスと綺凛とノエルとレティシアが噴き出す。ズケズケという小町の言葉に耐えられずにいた。

 

「そうだと思うよ。でも毎回終わった後に優しく頭を撫でて可愛いって言ってくれて凄く嬉しいんだ」

 

「全く飽きる気はしないわね」

 

「良いなー皆さん男がいて。小町も欲しいー!綾斗さんちょうだい」

 

「「「「却下(だ!)(です)(です!)」」」」

 

「ちぇー」

 

言いながら小町はやけ酒を始める。そこにはアスタリスクの治安を守る警備隊の面影は全くと言って良いほどなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間後……

 

「じゃあそろそろお開きにしよっか」

 

夜10時を回った所でシルヴィアがそう口にする。

 

「ですよねー。小町も明日は仕事ですよー」

 

「私もE=Pで会議がありますわ」

 

「ま、各々忙しいかもしれないけど、次の女子会まで頑張ろっか」

 

セシリーの言葉に全員が頷く。皆、1日1日を一生懸命生きているので、今日休んだ以上明日からまた頑張らないといけない。

 

「そうですね。ではまた会う時まで……解散」

 

クローディアの解散の言葉を合図に各々の家がある方向に向かって歩き出した。

 

シルヴィアとオーフェリア、ノエルはというとレヴォルフとクインヴェールとレヴォルフの中間にある自宅に向かって歩き出す。

 

暫く歩いていると……

 

「「「八幡(君)(さん)!」」」

 

3人の旦那である八幡が歩いてくるのが目に入る。

 

「おう。お前らも帰りか?」

 

「まあね。八幡君達は男子会どうだった?」

 

「いや、いつも通り愚痴りあったな。まあ楽しかったけど」

 

「それは何よりね……今日は疲れたから早く帰って寝ましょう?」

 

「だな……明日からまた忙しいし頑張らないとな」

 

「はい……じゃあ……」

 

ノエルがおずおずと呟くとこの場にいる4人は一斉に目を瞑り……

 

 

 

 

 

ちゅっ……

 

4人で一斉に唇を重ねる。触れるだけの短いキスだが、それだけで4人の中に幸せの感情が生まれる。

 

 

そして4人は顔を見合わせてから笑顔を浮かべて自宅に帰宅したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「おっ、帰ってきたかエルネスタ殿」

 

エルネスタが自宅に帰ると先に帰った材木座が迎えてくる。

 

「カバンは持つぞ。それと酔っているだろうからスポーツドリンクを飲むっ良い。少しでもマシになるぞ」

 

「あ、うん……ありがとう」

 

エルネスタは女子会で言われた事もあって特に揶揄うことなく礼を言いながらリビングに上がって、材木座が差し出してくるスポーツドリンクを飲む。

 

 

「飲んだら少し寛いでから寝ろ。今日は風呂に入らず明日仕事前にシャワーを浴びると良いだろう」

 

「そうする……ねぇ将軍ちゃん」

 

「なんだ?」

 

「私が将軍ちゃんに結婚しようって言ったらどうする?」

 

「ぶほっ!」

 

エルネスタ発言に材木座は思わず噴き出してしまった。暫く咳き込んでから材木座はエルネスタに話しかける。

 

「い、いきなりどうしたのであるか?」

 

「うーん。女子会で独身の私が結婚するとしたら将軍ちゃんって話が出たから」

 

「貴様の所もか。我もだよ」

 

「あっ、男子会でもそんな話をしたんだ……ま、でも将軍ちゃんは私の事好きじゃないし、ないか」

 

エルネスタが軽く笑いながらそう口にする。すると材木座はそっぽを向いて……

 

「ふん。好きでないならとっくに追い出してるわ」

 

「え?それって……」

 

「……まあ、アレだ。貴様は敵だが、10年以上一緒に住んでいたら貴様と過ごす時間も住めば都となったのだよ」

 

ぶっきらぼうにそう口にする材木座の言葉にエルネスタはキョトンとするも……

 

「……うん。私も将軍ちゃんと過ごすこの時間、結構好きだな」

 

ニコニコしながら自分の考えを口にする。すると材木座は不機嫌そうな表情を浮かべたまま空間ウィンドウを開いてエルネスタに渡す。

 

そこには『婚姻届』と表記されていた。

 

「えっ?将軍ちゃん、これって……」

 

「貴様が結婚という話を出したのなら少しはそんな考えがあるのだろう。嫌なら捨てるといい」

 

「でもなんで将軍ちゃん、婚姻届なんて持ってるの?」

 

エルネスタがそう尋ねると材木座は顔を赤くして……

 

「……学生時代に声優と直ぐに結婚出来るようにと準備をしていた」

 

恥ずかしそうにそう告げる。

 

「ぷっ……!あははっ!将軍ちゃんらしいや!カミラが海外から帰ってきたら教えてあげようっと!」

 

それを聞いたエルネスタは目尻に涙を浮かばせるくらい大笑いをする。

 

「やめんか貴様っ!……ええいっ!我を悶死させる気か?!」

 

材木座がエルネスタに詰め寄る中、エルネスタは笑いながらも材木座が差し出した婚姻届を表記した空間ウィンドウを手を伸ばし……

 

 

 

「えいっ♪」

 

自分の書くべき箇所に書くべき事を記入して承認ボタンを押す。同時に空間ウィンドウからピロンと軽やかな音が流れて空間ウィンドウが消える。市役所に届け出されたからだ。

 

「………は?」

 

予想外の展開に材木座がポカンとする中、エルネスタはいつもの笑顔を浮かべて……

 

 

「これからも宜しくね、将軍ちゃん♪」

 

いつものペースでそっと唇を重ねるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……って事があってエルネスタ殿と結婚したわ』

 

「早ぇよ!」

 

材木座からの電話に思わず声を上げてしまった俺は悪くないだろう。

 

マジでなんなんだこの2人!今まで20年以上付き合ってもない癖にイチャイチャしていたのに、結婚について真剣に考えてみろと言ったらその日の内に結婚って!

 

 

「あー、はいはい。お幸せに」

 

そう言って俺は通話を切って空間ウィンドウを閉じたのだった。

 

なんかもう……凄く疲れました、はい……

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