ダンジョンに金の不死鳥がいるのは間違っているだろうか? 作:九十九階堂
春姫「ヘスティア様〜、波風様〜
春姫ただいま参りました〜」
ヘスティア「来たな!泥棒猫!帰れ!帰りたまえ!」
春姫「えぇ⁉︎」
悠「ややこしくすんな……」
軽くヘスティアの頭にチョップを入れる
ヘスティア「うう〜、悠君!
止めるんじゃない!」
悠「サポーターのこと言い出したのはあんただろうが!」
春姫「あ、あの〜」
ヘスティア「聞いてないよ!
イシュタルファミリアから雇うなんて!」
悠「もう雇ったものは雇っちまったんだ!仕方ないだろ!」
春姫は遠目から見ていた
ーーーーーーーーーーーー
悠「すまないな……
神さんのおかげで、時間が遅れちまった」
春姫「お気になさらず」
悠「あー、そういや、春姫さんは朝なんか食べたか?
結構早いだろう?」
春姫「別段、大丈夫ですが…」
悠「食ってないのか?」
春姫「はい…」
悠「んじゃあ、そこの飯屋にいくか」
春姫「あの……お金は持って来てなくて……」
悠「大丈夫、大丈夫
お代はこっちで払うから」
春姫「いいのですか!」
悠「気にすんな、さぁ、いくぞ!」
ーーーーーーーーーーーー
悠「あの〜、フローヴァさん?
リオンさん?
あなた方は真面目だったんじゃ…」
リューとシルが真っ黒なオーラを発して悠を問い詰める
今は、そんな状況だった
ーーーーーー
そこに至るまでの経緯
食事をしている最中
春姫と悠は、今日どこまで潜ろうかと話していた、次に、分け前について1:1でいいと話し、昨日の換金した分を渡した時、春姫が変に声をあげた
そのときに、シルとリューが2人に気づき、シルに至っては、春姫のイシュタルファミリアから支給されたバックにあるファミリアの紋章を目にして
黒いオーラを放っていた
ーーーーーー
リュー「その言葉、そっくり返します
その方のバックのファミリアの紋章…イシュタルファミリアのようですが?」
シル「一体どういうことですか?」
(め、目が笑ってない)
悠「いや、普通にサポーターとし…」
リュー「わざわざ、イシュタルファミリアにサポーターですか?」
シル「性欲までサポートしてもらうつもりですか?」
悠「は、春姫さんはそっちの気はなさそうですよ」
リュー「春姫様にはなくとも、あなたにあるのでは?
随分とお綺麗な方を選びましたね
わざわざサポーターにするにしては少々細身すぎる身体つきだと思いますが?
それに反して、男の方々が喜びそうな部位は大きなご様子」
春姫「ひいっ」
悠「い、いや、ギルドから紹介してもらって会うまで顔すら知りませんでしたから…」
リュー「ギルドから紹介?
ならば、事前にファミリアを教えてもらえたはず……」
(墓穴掘っちまった!)
シル「波風さん?」
悠「い、いや〜、気楽にできる人ならいいかな〜なんて……思ったり……」
リュー「イシュタルファミリアなら、気楽に話せる……ですか?」
悠はなぜだかあのミノタウルスたちに囲まれたとき並みに冷や汗をかいている気がした
悠「自分1人がいいんで体験だけならイシュタルファミリアでいいかって感じだったんです」
シル・リュー「だった?」
今度は、怒りというよりかは、興味という方が2人の中に湧いてきた
悠「春姫さん……話しても?」
春姫「私としては、その〜
誠に申し訳ないんですけどあまり話してほしいことでは……」
悠「だよな……春姫さんがフローヴァさんとリオンさんをよく知ってからの方がだろうし……」
リュー「……」
リューはさらに興味が湧いていた
やはり、春姫はイシュタルファミリアと言われても違和感しかないのだ
シルもそれを感じ始めたようで春姫に興味を持ち始めていた
シル「でも、やっぱり気分が変わった理由くらいは知りたいです」
春姫「分かりました……
その……言えることだけ言うなら……
私が、不甲斐ないばかりに男の方の相手も戦闘もできないのでサポーターとして働いたのですけど………
これも上手くいってないって言うのを……波風様に相談して……」
リュー「なるほど……ようやく合点がいきました…ですが、やはり……」
春姫「?」
リュー「春姫様を選んだんですか?
それとも勧められたんですか?」
悠「!い、いや〜、今日はいい天気ですね……」
シル「選んだんですね………」
悠「………ちょっとした冒険心だったんだ、後悔はない……」
リュー「では、後悔させてあげましょうか?」
悠「や、ヤメルンダ!話せばわかる」
リュー「冗談ですよ」
シル「あら、リューが冗談だなんて珍しい……」
ーーーーーーーーーーーー
2人はしばらくの談笑後、2人を見送っていた
リュー「波風さんは優しすぎる……」
シル「さっきは怒ってだじゃない?
どうしたの?」
リュー「おそらく本当にイシュタルファミリアであれば、すぐに断ってもいいと考えていただけなんでしょう
彼は……」
シル「そうだろうでしょうね…」
リュー「本当に……」
シル「………」
ーーーーーーーーーーーー
それから、数週間短くない時間を迷宮ですごし、春姫と悠は互いに距離を深めていった
ーーーーーーー
そんなある日……
9階層………
悠「やっぱり、ここは近づきたくないもんだな………」
魔物を倒して魔石が落ち、それを春姫が拾う
春姫「どうしたんですか?」
悠「前ここにきたとき、ここでミノタウロスの集団にリンチされたんだよ」
春姫「り、リンチってよくご無事で」
悠「あれは本当にまずかった……
今でも、この9階層にだけは苦手意識が消えさ…!
どうやら魔物がきたようだ
春姫さん、下がってて!」
春姫「!……数が多い……」
悠「……あれを使う」
春姫「!……はい、下がってますね」
悠「我は汝、汝は我、汝、真なる我なり!【不死鳥の鎧】!」
ーーーーーーーーーーーー
悠「今日はこのぐらいにするか」
春姫「最後のでいっぱい取れましたね!」
悠「春姫さん、重くないかい?」
いっぱい魔石を入れたバックはパンパンに膨れているて重そうだった
春姫「確かに、重いです…だけどやらせてください
私だってできるようにならないと」
悠「そうだな……」
春姫「えぇ!私だっていつかは妖術覚えて波風様の役に立てるようになるんです!」
春姫が強い意気込みを語り、いっときの暖かい空間が生まれる
カララッ
何かが転がり落ちるような音がした
悠「⁉︎敵!」
即座に振り向く
悠(春姫さんちょっと下がってて)
春姫(はい)
悠はその岩陰に回り込んだ
「ば、バレちまったかぁー」
そこには、アマゾネスがいた
悠「誰だ!って……あなたは!」
春姫「アイシャさん!」
ーーーーーーーーーーーー
アイシャ「おいおい、なんだなんだ春姫〜、男っ気ないかと思いきやこんな大物釣りやがって」
春姫「あ、アイシャさん!波風様はそんな……」
アイシャ「聞いたよ!あんた、随分と金ピカと語り合ってたじゃないか?」
波風「金ピカ?」
アイシャ「あんたの魔法のことさ…あんたは巷じゃそう呼ばれてるよ」
波風「そんな……あれは俺のせいじゃないのに……」
アイシャ「あんたの魔法なんだからあんたのせいだろう?」
悠「まぁ、確かにそうか……っていうか、あんの色ボケ女神に戦わされなければ魔法を使うことも……」
アイシャ「あっはははは!
あんた!男のくせにフレイヤが嫌いなのかい?」
悠「別段そういうわけじゃないが
あんな理不尽なことされたら誰だって不快になんだろ
おかげで、その日ずっと、顔がヒリヒリしてたんだから
あの格闘競技場、ここでミノタウルスに襲われた気分と大差なかったさ」
アイシャ「そういやぁ、噂じゃミノタウルスを9匹同時に相手したんだろ?
その後に、ロキファミリアの奴らまで倒したって?」
悠「詳細を教えると思います?」
アイシャ「私は春姫の育て親みたいなもんだよ
春姫つながりってことで……」
悠「つけてきたのはそれが理由ですかい?春姫さんが心配で……」
アイシャ「いんや、春姫がな……昨日……」
春姫「ちょっ!アイシャさん、やめて!やめて下さい!」
アイシャ「なんだい春姫!
お前の昨日の惚気かたを見て私らがどんだけ羨ましがったことか!」
悠「惚気てた?」
アイシャ「そうなんだよ」
春姫「わーわーわー!」
手をブンブンと振り回して、アイシャに近づくが、アイシャの長い手が春姫の頭をがっしりと掴み近づけないでいた
アイシャ「やれ男の人って何が好きなんだ〜とか、やれどういうことしたら喜ぶんだ〜とか、随分と聞いてきてね
まだお高く止まれてる春姫が私らとは別の愛って奴に目覚めたみたいでね
だから、私たちは何があったのか興味が湧いたんだよ
なんせ、前に男を見て泡吹いて返品されるほど男のことを苦手とする春姫を惚気させる相手なんざ、私たちとしちゃ喉から手が出るほど手を出したいからね
実際手を出したくなったよ」
胸を押しつけ、もう少しでキスしようかというほど顔を近くに持ってくる
悠「うん、この人は噂通りのイシュタルさんのファミリアさんだな
春姫さん、周りの人はこんな感じなのか?」
スッと体をひき、アイシャから離れ春姫のもとに行く悠
春姫「はい……」
悠「そりゃ、馴染めねぇわな」
アイシャ「はっはっはっ!私が誘惑してこれかい
つれないねぇ……
でも、いいよ!
こんぐらい肝が座ってる男の方が私は好みだよ」
悠「大丈夫だ、俺は春姫さんで間に合ってる」
春姫「わわわわ、私で⁉︎」
顔が真っ赤に染まっていく
アイシャ「ほんと面白いなあんたは!話してて、飽きないよ!」
キシャァァァァア!
「「「!」」」
アイシャ「おいでなすった」
悠「あなたレベル4でしたよね?アイシャさん?」
アイシャ「私に働けってかい?」
悠「かわいいかわいい春姫さんがここにいるんですよ?」
アイシャ「分かった、ベットで私を満足させな!それで手をうってやろう」
悠「それは、ごめんなんで!」
悠は先陣切って現れた魔物たちに突っ込んでいった
アイシャ「全く……ほんとつれないねぇ!」
その後に続いてアイシャが突っ込んだ
ーーーーーーーーーーーー
アイシャ「ふぅ………だいたい終わったね」
悠「やっぱ、レベルの差は大きいな」
アイシャ「あんたが言うかい?
例の魔法を使えば、私とも互角に戦えるんだろう?」
悠「まさか、そんなはずないじゃないですかー」
すごく棒読みな返事が口から出た
そんな悠に身体を擦りつけては、キスを迫ろうとするアイシャ
春姫「もぅ!アイシャさん!
波風様は私の主人です!
ファミリアでは、他の人が相手してる客には手を出さないって決まりがありましたよね!」
魔石を拾い終わった春姫がふくれっ面でアイシャに迫る
アイシャ「そりゃあ、寝床の客のこと
こっちの客は範囲外でしょ
それに、決まりじゃなくて暗黙の了解って奴ね」
アイシャは自分の体を悠に絡めつける
悠「暑苦しい!離れたまえ!」
わざとふざけた口調でいった
アイシャ「そういやぁ、あんたイシュタル様の魅了すら聞かなかったんだったね
あんた本当に男?」
なおも懲りずに身体をもっと絡めつけながら質問する
悠「失礼な!私は列記とした男だ!」
アイシャ「じゃあホモ?」
悠「ホモだったら離れてくれるか?」
アイシャ
「安心してもっと激しくする」
悠「違うし!いい加減離れろ!暑苦しいんだよ!
それに普段から男とその手のことをしてるだろうあんたが安心するも何もないだろう」
アイシャの顔を手で押して離そうとするが………
アイシャ「レベルの差って大きいね」
全然アイシャのことを離せずにいる悠に皮肉げにいった
悠「やかましいわ!」
春姫「離れてください!波風様から離れてください!」
ーーーーーーーーーーーー
ギルド前
アイシャ「あー、楽しかった!…」
悠「疲れた……」
春姫「私もです………」
アイシャ「なんだいあんたら!元気ないね?」
悠「あんたが原因だ!あんたが!」
アイシャ「私、嫌われちゃった?」
いきなり儚げな雰囲気を出すアイシャ
悠「いや、嫌ってはいないが……」
アイシャ「っ!優し……」
悠「面倒くせぇか」
アイシャ「くなかった!」
悠「春姫さん、換金はどのくらい?」
春姫「約80000ヴァリスです」
悠「んじゃ、昨日と同じで……」
春姫が分けようとする
悠「あっ……アイシャさんの帰り道の分どうしよう……」
春姫「そうですね」
アイシャ「気にしなくていいよ、そこまで困っちゃいないから」
悠「やっぱ、昨日と同じでいいみたいだな」
ーーーーーーーーーーーー
そして、分け前を春姫に渡したときだった
アイシャ「どういうことだい!
これは!」
悠「いや、2人で頑張ったんだから半分ずつにしたまでですが……」
アイシャ「あんたバカなのかい?」
悠「いやいや、だってサポーターを雇う前の3倍以上だし、こっちとしちゃ全然損してないって」
アイシャ「そういう問題かい?」
悠「違うのか?」
悠は春姫に聞く
春姫「うーん……
前の人たちは100分1だったので波風様にわけ前のことでそう言われた時はすごく驚きましたけど……」
悠「そいつらのことはどうでもいい、普通の人はどうなんだってところだ」
アイシャ「まぁ、それにしたって半分はやりすぎだと思うけどね
春姫を甘やかしすぎだね、一般の娼婦よりいい稼ぎじゃないか」
悠「まぁ、今まで辛い思いをしている分そういうことがあったっていいさ」
アイシャ「かっこいいこと言うねぇ」
悠「褒めるなって……照れちまうだろ?」
アイシャ「おっ!照れちまうほど、私が綺麗に見えるかい?」
悠「いや全然」
アイシャ「くはっ……いってくれるねぇ」
悠「いやいや、そんなこと言っちゃ綺麗さんに失礼だろ〜
あんたは綺麗ってよりかは艶めかしいって奴なんじゃないか?」
アイシャ「なんだい、ちゃんと分かってんじゃないかい?
ご褒美にベットで世話してやろう?」
悠「大丈夫です」
ーーーーーーーーーーーー
フレイヤ「面白くない……」
フレイヤは、ドス黒いオーラを纏って、あるものを眺めていた
フレイヤ「イシュタルの子のくせに、あの子に随分と気に入られて……」
それは、春姫と悠とアイシャが笑いあって、ギルドから出てきている光景だ
オッタル「いかがなさいますか?」
フレイヤ「まだ何もしないわ……まだね……」
ーーーーーーーーーーーー
イシュタルファミリア
「アイシャ〜どうだった?春姫がこうなった理由分かった?
っていうか相手はだれだった」
血気盛んなアマゾネス集まる娼館で春姫とアイシャを含めた、女たちが集まっていた
アイシャ「あれは私のもんだよ!
だから、ひ・み・つ」
春姫「あなたのじゃありません!私の主人です!」
「やっぱ男で確定ってことね!」
「んでんで、だれなのよ春姫ぇ?」
春姫「教えません!サポーターは主人をのことを裏切りません!」
アイシャ「私も教えないよ!まぁ、どうせあんたらどうしても見たくなったらくるんだろうけど」
「明日には行く!」
「私も!」
春姫「はわわわわ〜波風様が、波風様が
どうしましょう、アイシャさん」
アイシャ「春姫、あんたバカかい?
何を名前だしてんだい?
わざわざ黙ってやっていたのに」
春姫「あっ……」
「何⁉︎あの春姫が噂の金ピカくんのサポーターだって⁉︎」
「へぇ〜、春姫が慕うほど優しくって強いなんて!言うことなしじゃない!」
「アイシャ〜どうなのよ〜教えなさいよ〜」
アイシャ「この狐、迷宮の中でデレッデレしてほんとに幸せもんだよ
あいつもあいつで、面白い奴だし
しかもこいつ、何気に波風の奴に気に入られてんだ
どうりで惚気るわけだよ」
春姫「アイシャさん⁉︎裏切りましたね!」
「私たちもこうしちゃいられない
明日から、夜這いの準備よ!」
アイシャ「させると思うかい?あれは私のだよ!」
春姫「だ〜か〜ら〜!私のです!」
アイシャ「ん〜?そういえば春姫?私のですっていうのはどういうことだい?私にはこれから手を出しますって聞こえるんだけど?」
春姫「な、波風様が相手なら私だって!
やるときはやるルナールです!」
ーーーーーーーーーーーー
悠「へっくし……」
ヘスティア「悠君?どうしたんだい?風邪かい?」
悠「わからん……」
ヘスティア「ではでは、ステータスの更新をするよ」
ーーーーーーーーーーーー
春姫たちは、悠の話で大いに盛り上がっていた
「なんだい、お前ら?何かあったのかい?」
その声はこのイシュタルファミリアならだれもが知っている声だ
「イシュタル様!どうしたので?」
イシュタル「お前たちの話が気になっただけだよ一体何があったんだい?」
「イシュタル様には、関係ない話ですよ〜だ」
アイシャ「聞いてもつまんないと思いますよ?………はっ!」
アイシャはとっさの判断でそう口走ったが、神は嘘を見抜けるというのを思い出してドジを踏んだと思った
「ほぉ……なんだいなんだい、私に隠そうっていうのは男の話だね?」
「どうでしょうかねぇ?」
「さぁ〜」
「分かんないなぁ〜」
イシュタル「おや、そんな話に春姫がいるなんて珍しい……」
春姫「お、男の人の話なんかじゃありません!」
アイシャ「バカっ!神には嘘がバレバレなんだっつの!」
春姫「あっ……」
イシュタル「ほぉ!!
あの春姫が積極的に隠そうとする男の話か!一体どんな男だい?
私もその男には興味がわいた!」
アイシャ「あれは私のです!
他人の客には手を出さないってのが、ここの筋ってもんでしょう?」
春姫「だから!アイシャさんのじゃありません!私の主人です!」
イシュタル「神は別ってものよ」
アイシャ「それじゃあ、示しがつかないんじゃないですか?」
イシュタル「なんだいなんだい!そこまで私にとられたくないかい?
それに、春姫の主人だって?
春姫……あんた、男っ気ないかと思いきや最近で1番の大物を釣り上げちまったのかい?」
春姫「そんなんじゃありません!」
イシュタル「嘘って顔に書いてあんじゃないかい!」
春姫「わわわっ!」
アイシャ「春姫!あんたちょっとすっこんでな!
あんたが出てくると、色々とバレるだけだよ!」
春姫「はい……」
イシュタル「まぁ、いいさ
春姫の主人ってことは、サポーターの契約主だろう?
大方、春姫の境遇に同情できて、さらに強いってところだろう?」
春姫「!」
イシュタル「はははっ!春姫は本当に分かりやすいな!」
アイシャ「イシュタル様……
春姫をからかうのはそんぐらいにしてくれませんかね?」
イシュタル「仕方ないね……
でも、名前くらいだけは聞かせておいてもらおうかね
そうすりゃあ、引いてやるよ、どうせ言わなくても私ならすぐに調べられるよ?
そしたら手を出すからね!」
アイシャ「………波風 悠です」
イシュタル「っ!本当かい!春姫!
本気の大物じゃないか!
フレイヤの奴ですら、見向きもしなかったのによく!」
アイシャ「ほら、教えたでしょう?行った行った!
自分の子供の初恋なんですから、邪魔しないでくださいね」
イシュタル「……まぁ、口惜しいが仕方ないね……
あっと、忘れるところだった」
イシュタルは自分の部屋に戻ろうとしたとき、何かを思い出したのだった
イシュタル「アイシャ、あんたの頼んでたもんが届いたよ
あんたが誑かしたおかげであの男が贈り物でしっかりと届けてくれたよ」
アイシャ「届いた!イシュタル様、本の場所は?」
イシュタル「あんたの部屋だよ」
アイシャ「春姫!行くよ!」
春姫「えぇ!何ですか?」
ーーーーーーーーーーーー
アイシャ「春姫、これ読んでみ?」
春姫「ゴブリンでも分かる現代魔法?」
アイシャ「あんたにゃ丁度いいだろ?」
春姫「失礼です!私、書物ならいっぱい読んでます!」
アイシャ「いいんだよ、読んでみ?」
春姫「むぅ……分かりました」
春姫は最初のページに目を通した
ーーーーーーーーーーーー
イシュタル「ウチデノコズチ……ね」
春姫「?何か変わったんですか?」
イシュタル「まぁ、見てみな」
イシュタルは春姫のステータスが書かれた紙を渡した
春姫「ま、魔法が発現している!」
イシュタル「あんたの場合には妖術…だね……なかなかに強力な妖術じゃないか?」
【ウチデノコズチ】
・階位昇華(レベルブースト)
・発動対象は1人限定
・発動後、一定時間のインターバル
・術者本人には使用不可
春姫「………これって、私自身は活躍できないんじゃ……」
イシュタル「みたいだね」
春姫「そんな!」
イシュタル「そうがっかりしないの」
春姫「だって……折角、発現したのに、これじゃ、やっぱり波風様を助けられない」
イシュタル「レベルを上げるだなんてすごい効果だと思うけどね」
春姫「でも……でも……私自身は戦えない…」
イシュタル「サポーターとしては一級品の力だよ?」
春姫「やっぱ私はサポーターしかできないんだ〜」
イシュタル「へぇ〜、あんたはまだ冒険者になりたかったのかい?」
春姫「波風様といつか成長したらパーティーを組みたかったんです」
イシュタル「あれと、パーティー組むのはアイシャでもそのうち無理になるだろうよ
金ピカのサポーターとして働いているなら見たことあるんだろう?
黄金騎士と呼ばれる理由を…」
春姫「確かにすごかったです
あの魔法を使った後は、すごい勢いで魔物を倒してました」
イシュタル「私もあれを見たときは、流石に驚いたもんだよ
ミノタウロスの話も、冗談だろうと思ってたけど、あれを見ちゃうとね」
春姫「イシュタル様は波風様の魔法を見たことあるのですか?」
イシュタル「あぁ、フレイヤの提案が通ったときには腹が立ったもんだけど
そのときにあの力を見れたのは、良かったかねぇ
それに、試合が終わった後の、あいつのくやしがりようっていったらなかったよ、フレイヤはあいつの何かを見たくってそんなことをしてたみたいだが……」
春姫「フレイヤ様まで、波風様を気にかけてるんですか⁉︎」
イシュタル「春姫、フレイヤの奴に様なんて、つけるんじゃないよ!」
春姫「すいませんでした!」
イシュタル「まぁ、あいつもそういえばそうだね……結構、あの金ピカを気にかけ………!」
何かに気付いたイシュタルは不敵に口を釣りあげた
春姫「イシュタル様?」
イシュタル「(そうか……きっとあいつの今の狙いは波風悠の魅了だ…)
そんなときに、私の子が波風悠に気に入られたとなれば………)
ふふふふふふ………
ハハハハハハッ!!
こりゃあ愉快だ!最高だ!」
春姫「どどど、どうされたのですか!イシュタル様!」
イシュタル「春姫!」
春姫「は、はい!」
イシュタル「あんたの恋路…全力で応援してやろうじゃないか!」
春姫「えぇっ⁉︎あ、ありがとうございます」