画して、僕たちの部活は正式に認められ、
〈近隣貢献型オカルト研究部〉ヤドリギが正式に部として活動を始めた。
手始めに手を付けたのは放課後の近隣清掃と情報収集を兼ね備えたゴミ拾いだ。
「ゴミ結構あったね」
今日も光が陰る日没をバックに決められた時間に指定の公園に集まる。
「所で魔獣の痕跡は見つかった?」
二人に問いかける。
「私は全然。うーちゃんは?」
ティルナは両手を上げお手上げのように首を振る。
「私は変な噂を聞いたわ」
優津が聞いた話によると、最近、街から離れた丘のところにある霊園付近で腕のない幽霊を見た人がいると言う話であった。
「霊園か……」
実のところ、僕は肝はよく座っているが、
お化けとか幽霊が嫌いだ。
けれども、見たいもの怖さもあるので時々、
そう言ったジャンルのものを見る人ではある。
「それ、"てけてけ"じゃない?」
「それは、足のないお化けでしょ」
僕は、そう突っ込みを入れる。
しかし、何か親近感のようなモノがある……腕のない化物。
『それは、魔獣かもしれないね』
「「きゅうべー!!」」
すこし離れた外套の明かりに照らされてこちらを見据えていた。
『墓地や病院、廃墟などは負のエネルギーが溜まり易い。結果的に魔獣も湧いてくるのは必然だよ』
「そうなんだ」
しかし、今までに出会った魔獣は基本的に顔の無いモノばかりで欠損があると言うのは見たことが無い。
そう、僕が悩ましくしているとティルナがこう言ってきた。
「その魔獣の主、相当呪いを抱いてるわね」
どーゆーことだ……
「知らなかった?魔獣は負のエネルギーから生まれるけど魔鍵を使ってる魔人はその人の特徴があらわれるの」
まぁ、その分疲れるけどね(トホホっ)
と、呆れ顔する彼女。
『腕が無いということは多分、素早いと思う。用心はした方がいい』
「分かったよ。ありがとう」
『易い御用さ』
じゃあ、ボクは失礼するよ。
きゅうべーは何処かに去っていった。
「じゃあ、明日もその噂について調べようか」
「「OK」」
日か沈む。陽から光を反射して月がその姿を見せ街の至る所から魔獣の気配が濃く広くなり始める。
「仕事だ!」
僕達は魔法少女になると魔獣を討伐し始めた。
…………
赤々と灯る白く細いタバコを
「ふーっ」と吐く。
白い煙が闇に溶けてゆく。
「…………」
無言のまま、丘の上から街を見下ろす。
遠くの空は黒く染まり 街の灯りだけが煌めいている。
夜風が強く吹き荒れる。
男は不満そうに溜息をついた。
「……行くか」
そう呟きながらタバコを踏み潰し コートの中に手を入れる。
すると、
「ここで、なにをしている?
彼の背後から黒いモヤの様な塊が現れ、
少年の様な声で問い掛けてくる。
「おやおや、これは貴方ですか」
桜……。
月明かりが再び丘を照らす時、彼女の姿が映し出された。
そこに居たのは、端奈中の服を着た黒髪ショートの少女が
キーホルダーを片手に彼を見つめていた。
「約束通り、何人かは化け物に喰わせた……これで、」
「治りますよ。」
Dは間髪入れずに答える。
「まぁ、名も知らぬ魂が軽い者を食った所で鍵は簡単に答えてくれませんが……」
「そうかよ」
桜は踵を返しどこかに行こうとした。
「どこへ行こうと言うんですか?」
数秒、間を開けてこう応えた。
「霊園だよ。アソコはチカラを強めるには、
うってつけっておまえがいってたじゃん。偶に餌も来るし」
「そうでしたそうでした。では行ってらっしゃいませ」
お嬢様……と、言った拍子にもう一度丘から去ろうとする彼女から振り向き街を見る。
「もう少しです。待ってて下さい我が主よ」
と、少しほつれ掛けている包帯を風になびかせると、何も無い空間に鍵を差し込んで扉を造りどこかへ消えていった。