九死一生を得たら魔法少女になりました   作:夜祢亜

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はい、どうも~筆者の夜祢亜です。
いや、何分配属先がかわったりとかして執筆する暇のない最近ですが…休日はのんびりしてたりします。(プロットの作成も完遂してないので…汗)
更新は日曜にするので気長に見てやってください


九死一生を得た僕は彼と話をしました

~一週間後のある日の事~

 

ふと、真夜中に目が覚めた。

まだ、5時間程しか寝てないが眠気はスッキリし、意識はクリアである。

 

んっ?…違和感を感じた。

誰かが、いない様な…窓際?

 

「工藤さん?」

 

そう、呼び掛けた言葉は虚空へと消えた。

それも、そうか…寝ていれば反応するはずもない。

そう思い、ベッドを抜け出し彼女の仕切りカーテンを開く…その時だった。

 

「(トントン…)」

「ん?…うわぁ?!」

 

しぃ…

 

背後にいたのは、少し前に屈んで人差し指を立て僕に沈黙を授けんとする狙井さんだった。

 

「(狙井さん、何で起きてるんですか?)」

「(いいから、用事あるのはティナにでしょ)」

 

着いてきなさい…そう、いい放つと昼間とは違う冷ややかな気配を漂わせ忍の如く足音を立てず先を行く。

僕も足音にだけは注意して、後を追った。

 

~~~~

 

暗く足下も覚束無い夜の階段を昇り上へ上へと足を進める。

狙井さんはと、言うとすたすたと経路を辿っていっている距離や感覚を記憶してるかの如く、時々エコロケーションをしながら僕を導く。

 

 

何処へ行こうと言うのかね…

 

かつん、カツンと段差を昇り中途半端に開いたトビラを開けそこへ辿り着く。

 

「ここは…屋上?」

「あそこよ」

 

そこには、真夜中でも輝く外環を夜空に踊る月に負けない町の夜景を越えることの出来ない金網の隙間から臨む金色の髪を持つ彼女がいた。

 

「工藤さん?」

「あっ、かんちゃん? 今、ちょいと忙しいから…」

 

待ってて…言葉を残し視線の先をもとに戻した。

 

(これは…呪い?)

 

魔獣から放たれるモノに酷似していた。

 

 

 

そして、一時がたち…

「何…してたんですか?」

「なにも、してないと言ったら嘘になるわね」

 

そう、言って手にしてるモノをちらつかせる。

 

「イーブル…」

「イーブル?」

「この、鍵の事よ。私たちはそう呼んでいるわ」

 

その手握られた、12、3cm程の骨のような樹で黒色の水晶を覆い被さる様に鍵の形作っていた。

そして、それから発生する黒煙のような霧は魔獣の時より濃く、異様であった。

 

「それをどうするんですか…」

「決まってるでしょ、呪う(つかう)のよ。これを、人に…ね」

「……」

 

すると、ティルナはイーブルを振るい。

3体の魔獣…下半身がなく両手で肢体を支えている、都市伝説にある化け物が姿を表した。

 

私もとっさの判断で変身をし、緊急時に備えた。

 

「あっ、かんちゃん?勘違いしないで別に貴方を襲う気はなくてよ」

「じゃあ、どういう事」

「そうね…遊びかしら」

 

ティルナから放たれた3体の魔獣は獰猛で狂悪な勢いで襲い掛かって来た。

 

まず、狙井さんを抱えるようにして背後にジャンプすると、タイミングを逃し飛びかかってきた1体…Aが空を切る。

 

そして、彼女を安全そうな入り口の付近に運搬すると、その間にBが眼と鼻の先を突っ込み。

それを避け、後続のCに渾身の拳を与える、それを受けたCはその衝撃で霧散した。

 

「ふ~ん」

 

すかさず、AとBの飛びかかり。

それも、勘で右へ左へステップをし身を翻したところでBも滅殺。

 

最後にAは飛び込んできたところを顔面をキャッチして床にバンした。

 

ふぅ…ふぅ…

 

「息が上がってるじゃないの?」

 

今回は、かなり手強かった…ホーミングしてくる極太光線は慣れてきてはいたけど、別々に襲いかかってくる想定で戦いなれてはいなかった。

 

「さっ、遊戯も済みしましたし…話を続けましょう」

「ティナ…そろそろ、その変な敬語止めたら?」

「狙井さん?」

 

そう言えば、さっきから可笑しいと思ったのだが、狙井さんが全く狙われていなかった。

 

「ごめんね、私も魔人なんだ」

「あっ、魔人ってのはイーブル使いの事ね。察して、かんちゃん♪」

「工藤さん」

 

さて、元に戻しましょう。

大きく逸れてるから…

 

と、一呼吸すると話を再開することにした。

 

「えっ…と、実を言うとね。前から知ってたんだよ、貴女が魔法少女だってことが…」

「へっ?!」

「だって、貴方が部屋を移動する前の深夜、街に行くのが見えてたから」

「あっ、だから驚かなかったんですね」

 

まぁ、ね…

ドヤ顔をきめる工藤さんを見て思った、やっぱり悪い人じゃないなって…。

 

「それで、話ってのは?」

「そう、そう…私達を魔法少女にしなさい」

「えっ?!えぇ!?」

「きゅうべさーん」

『あいよー』

 

そう、狙井さんの呼び掛けに答えた白狐のような生き物はフェンスの向こうから身軽そうに飛び越えてここへ来た。

って、ここ8階だけど……色々と大丈夫なのか、この生き物。

 

「きゅうべ、何故ここに…と言うか何で二人が彼の事を?」

『それは、僕がアプローチを掛けておいたからね。因みにだけど彼女たちが僕を視認できるのは彼女達が魔人(魔獣を従えしモノ)だからだよ』

「かんちゃん、険悪そうな顔でこっちを見るのは辞めて頂けるかしら?」

「…工藤さん」

 

魔人…聞いていたのは印象と言うかここまで一般人と大差がないのには正直驚いた。

そう、魔鍵(イーブル)を出されるまでは…

 

「それと、狙井さん…貴方達は一体何を考えているのですか」

「そうね」

 

 

 

 

…世界征服、とか?

 

 

そう、言った瞬間…場の雰囲気が吹雪いた。

 

 

 

 

「じょ、冗談よ。冗談」

「工藤さん~」

『茶番はいいから早くしてくれないかい、ボクも暇人じゃないんだ』

「分かってるわ。単純に言うとね…飽きた(・・・)のよ」

「えっ?秋田?ここは東北地方じゃありませんよ?」

「あ~もう、察しが悪いなぁ…魔人でいることによ」

 

あぁ、成程…だから、魔法少女にしてくれと…

そう、話の流れに踏ん切りがついた僕は彼女に問う。

 

「…で、きゅうべ。僕は何をすればいいの」

『まず、魔鍵(イーブル)を破壊しよう。まずは、それからだ』

 

そうして、床に置かれた2本の魔鍵(イーブル)を変身して、強化した腕力と魔術装甲で押し潰すと微量の魔力と障気を放ち、塵と化した。

 

「へぇ~、案外脆いのね」

『いや、これは想定内だよ。魔力こそ微量だけど、オリハルコン級のモノ迄は破壊出来る筈だからね』

 

ねぇ、それ、どんな夢素材…使ってる本人も初めて聞いたわ。その設定。

 

『次に、彼女達の願いを叶えて魔法少女になって貰うんだけど…涙、君がやるんだ』

「僕が?えっ、でも…」

『そう、不安そうな顔をするのもわからなくもないが、つい昨日程まで君の魔法系統の割出を行ってたんだ』

「魔法系統の割出」

『君には悪いけど先に内容だけは彼女達に伝えてある、後は君次第だ』

 

僕自身…その言葉は僕が1番苦手で遠い言葉の1つだ。

僕は今まで…男であった頃は全ての判断は両親の言うなり、命令通り動く自動人形(オートマタ)だった。

自分の意思で判断で行動を行った事はなかった。

 

『君は、あの出来事で変わった。君は、今までの君ではない…大丈夫、ボクが手を引いてあげるよ』

「きゅうべ…」

 

いいかい、まず二人の肩に手を…

 

「失礼しますよ、工藤さん。狙井さん」

「あっ、はいはい」

 

次に、眼を瞑って相手の鼓動を感じるんだ。

 

「また、この神々しい空気」

『…集中したいので静かにして貰えますか?すぐに終わらせたいので』

「わ、わかったわ」

 

そうしたら、その鼓動の軌跡…光がみえてくるはずだよ。

それに君の魔力を通して、その先、大元…大きな

輝きが見えるだろ?

 

…うん。

 

じゃあ、それを魔力で包んで引っ張り上げるんだ、できるかい?

 

…ん~ん?んん"?

 

いや、できるかい?

 

 

おーい

 

…うるさいなぁ、やってるよ~

これを、引っ張ればいいでしょ?

 

ゆっくりね、後、もう眼を明けてもいいよ

 

 

…眼を明ける?

あぁ、そうだった。魔力の制御でいいのかな?何分、初の試みだったので魔力を感じとることだけに集中して周りの事が視えなくなっていた

 

「ちょっと、怖いけど…」

 

まず、始めに視覚したのは光だった…

それは、私のソウルジェムから起点をなして、

発生している蒼白な光の線で幾何学な模様を描き、大なり小なりの魔方陣を形成していた。

用はもう…

 

「キレイだ…」

『それは、好かった。しかし、これはキミの魔法…他人の絶望をゼロに帰す奇跡。因果の裏切りだ』

使ったとしても後2、3回が限度と言った所だろうね。

 

と、彼はいつもと変わらない声色で言葉を綴った。

 

「3回ね、覚えておくよ」

『ふむ、君が物覚えがいい子だと…祈っておくとしよう』

「神様に?」

『神ね、あんなものに頼るのはボクとして威厳を失いそうになるよ』

「会ったことあるの?」

『ないと、言えば嘘になるが…聞きたいかい』

「…ん、いい」

『そうかい、たく…あの人は……って、聞かないのかい?』

「えっ?だから、別に話さなくていいって」

『ぷっw』

「何笑ってんの…」

『いや、確かにあの人が選んだだけの性格だなとね』

「だから、あの人…ん?」

 

魔力の流れに異常が起きた。

 

『式の終わりだ。魔力の流れをゆっくり抜くんだよ』

「わ、わかった」

『安心していい、この手の魔法は1度意識を抜いた人間は長時間起きないことが多い』

 

さぁ、仕事に戻ろう。

 

そう言って私達、ひとりと1匹は月輝く夜の中。

業務と言う名のキセキを綴った。

 

 

 

 

 

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