勇者一人旅 ~Hero and Guts~   作:雨 唐衣

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森の守護神を倒した頃の日記

 

 

【十一回目の日記】

 

 オクオックに再び敗北した。

 ダンジョンで再会し、さっそく剣と斧で切りあうこと数合。魔法一発でぶっ飛ばされた。

 物理攻撃だけならまだ覚悟決めて食いしばれるが、魔法はきつい。

 完全に防御姿勢に入れば跳ね返すことは出来るが、それだと斧で殴られる。

 どうにか一発喰らっても耐えられるだけの魔法防御力がないと勝負にならない。

 じ、次回こそリベンジをすると誓ってザックのところで健康にいいというオニオンスープを食べてから寝ることにする。

 MPも足りないし、久々に瞑想でもするか。

 

 

 

 

【十二回目の日記】

 

 はい、通り魔に襲われました!

 その名はキャンディペロン、一度俺をぶっ飛ばした少女である。

 なんとか素振りの成果キントレのおかげか、それとも使い慣れてきた切れ味のいい剣のおかげか、スライムも二発で切り倒せるようになった!

 鼠は一撃で切り倒し、プラントは怖いのでファイアをぶち込んで焼いて倒す。

 毒スライムが混じったスライムの群も範囲を薙ぎ払えるフレイムのおかげで半殺しにされる程度で勝つことが出来るようになったのは大きな進歩だった。

 モンスター相手に怪我を負いながら倒して進んでいたところに後ろからバックアタックだった。

 声をかけられる→ちぃーすまたあったね、キャンディ欲しいならあたしを倒しな→どういうことだ!?

 だがこの勇者ラルフ、挑まれた勝負からは逃げも隠れもせんぞ。

 という感じで戦ったのだが、負けた。

 ていうかあいつ自分で飴を舐めれば怪我は治るわ、斬りあっている間に眠くなる飴を詰め込まれ、意識が戻ったと思ったら吹雪に晒されて、手足が凍り付いていたところをタコ殴りにされた。

 あいつはキャンディーじゃないアイスキャンディー屋だ、間違いない。

 ガチガチに凍っていたところを街の前で放置されていたところを、どこかで見覚えのある少女と自警団マスクレディに通りかかられた。

 炎の魔法剣が使えたらしく解凍してもらったのだが、その解けた雫と一緒に涙が出てきたのは内緒である。

 しかしあの子、俺の顔を知っていたのだろうか。

 自警団のマスクレディが「ラルク」といつか名乗った偽名で呼ばれてた間、何故か首を捻ってこちらを見ていた。

 知らない顔なんだけどなあ、あのユメルって子。

 

 

 

【十三回目の日記】

 

 ベヒモスへの五度目の挑戦。

 オクオックスとも遭遇せず、キャンディ通り魔に襲われることもなく、モンスターを慎重に倒しながら森のダンジョン最深奥へと到達した。

 前回倒されかけたのを忘れてないのか、舐めた態度でもなく、最初に出遭った時のような重々しい口調で何故挑むのか聞かれた。

 それに俺は勇者ってのは何度でも諦めないものだとだけ言って、戦闘に入ったと思う。

 戦いは多分過去にないぐらいクソ長い闘いになった。

 最初の一発目で魔力全部使いこんだファイアの上位魔法をぶちこんで、後はひたすら剣で斬り合っていた。

 あいつの蹄の一撃はこっちの防御の上からでも効くし、体当たりなんて喰らった時には足元を崩して転ぶわ、頻繁に威嚇のように上げられる咆哮にガード用のアクセサリーをつけてなかったら何度手と一緒に心臓が止まったことやら。

 だがアイテムを湯水のように使ったお陰か、途中から何度かお前本当にレベル1か? とか人間とか言われたが、最後に立っていたのは俺だった。

 つまり勝った。

 大事なことなのでもう一度記入するが、勝ったのだ。

 魔王の城へと侵入する為の森の宝石を譲り受け、俺は始めて無事な姿で町へと戻ることが出来た。

 ちなみにベヒモス曰く他の守護者たちも同じように試練をしてくるらしい。

 力を示し、真剣勝負で勝たなければまず封印を破るための宝石は渡してくれないとか。

 あとだってお前レベル1だから渡すのすっごい躊躇うじゃん? とかいうのはいらない言葉だったが。

 

 とはいえ、まだマグレに近い勝利だったから力試しとか修行にはまた来いと言われた。

 もう一回勝てる気があまりしないんだが、うん。

 頑張るぞー。

 

 

 

 

 

【ダンジョンに挑んでない時の日記】

 

 今日はダンジョンに挑まずゆっくりした。

 さすがに短期間で十二回もぶっとばされたせいか、気が抜けると夕方近くまで寝ていた。

 今からダンジョンに挑むと中で夜を過ごすことになるので街で一夜を明かすことにした。

 ザックのところで飯を食った後、町の中をぶらぶらしていたのだが本当になんか住人が増えていた。

 そのうちダンジョンで出遭った女の子もいたが、それ以外にも知らない子が増えていた。

 変な短い上下の服の本人曰くセーラー服というララに、黒いマントにフードで包帯で顔を隠したディエという子と知り合った。

 なんでも女子高生とやらというララ、レベルは300超えてた。うん、もう一回言うが300超えてた。

 正確には382とかいわれた、俺の382倍だった。

 おかしいどういうことだ、弱めの魔王とだったらタイマンで倒せるレベルじゃねえか。ララの出身地だったら同じ女子高生だったらこれぐらい普通だよ? といわれたが、え、なに魔界かなのかその出身地。

 あとディエという子にはなんか呪いを掛けられた、が。

 

「なんであなたこんな特上の呪いかけられてるの?」

 

 といわれた。失敬な、ただ毒を盛られただけだ!

 手足が震えて、HPが1となり、運が下がって石に転んだりとか、そういう感じの呪いてんこ盛りで酷い目にあったが、まあ追いかけっこは楽しかった?

 モンスターも出ない野原で火を起こし、炙ったチーズを三人で食いながら色々と話を聞いた。

 どうやら他にも同じような子がいるらしく、この間知り合ったユメルも彼女たちの仲間らしい。

 なんでもエロイサマナーとやらに召喚されてここにきたらしいが、エロイサマナーってのはなんなのだ。いきなり尻触られたとララが怒っていたのがとんだエロサマナーである。

 一応本人の意思と、観光のような感じで来たらしいので召喚された女の子たちも楽しんでるらしいので平気らしいが。

 この大陸変わった連中も多いな、まあ昔の俺の仲間も何故か大量にいるからお互い様だが。

 あと勇者ラルフって人が魔王退治に挑んでるらしいけど見たことある? っていわれたが、シラナイヨって言っておきました。

 言えない、女子高生に指一本で負けそうな勇者なんて言えない。知り合いにも口封じしておかなくては。

 今日は日課の筋トレも休んで寝よう、明日は土のダンジョンだ。

 さてどんなのが待ち構えているか、強いんだろうなぁ。

 

 




漫画版の設定などもちょこちょこ導入しています。
さて五十回死んだ当たりで魔王(仮)まで倒せるかな?

次回はちょっと日記形式じゃないです
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