先に日記が出来たのでこちらを投稿
ラルフさんまだLV1(上がるとはいっていない)
【十四回目の日記】
レベル1でなんとか森のダンジョンをクリアした。
いやあまだまだ勇者の素養は健在ってことだな、これなら地のダンジョンも楽勝だぜ。
そう考えていた時期が今日の朝までありました。
ダンジョンでコカトリスとオークとバットにリンチにされて負けました。
今はずたぼろの体をなんとか家まで引き摺って、ストーンを喰らった腰に氷嚢を当てながら書いている。
いやまじでなんとかなりそうだったんだ。
砂漠に位置する地のダンジョンだが、出てくるのは血を吸う吸血蝙蝠のバットに、蛇と巨大鶏が合成されたような恰好のコカトリス、あとオーク。
未だにレベルは上がらないが、森の守護神であったベヒモスと比べればオーク二体ぐらいなら多少手傷を負うぐらいで倒せたのだ。
ていうかオクオックとは比べ物にならないぐらい弱くて、オークといってもちょろいななどと思ってました。
だが数の暴力は舐めたらいけなかった、混成の集団とぶつかったところ、顔面にバットがぶつかり、四方からオークに殴られ、斬り払おうとしたらコカトリスのストーンが連打で頭と腰に直撃した。痛かった。
魔法はやめおぉ、回避もできねえんだからよ!
傷が癒えたらもう一回チャレンジして、アイテムを回収していこう。
森のダンジョンよりもいい装備が落ちてそうだ、魔法対策もしねえと。
【十五回目の日記】
オクオックだいいいいいいいいいん!!
にやられたのは俺である。
どうやらあいつの修行場も場所を変えていたらしく、地のダンジョンでオークをずんばらりしていたら遭遇した。
今回も挨拶から斬り合いと戦いになったが、なんとか一発フレイムIIに耐えたが、連射されて負けた。
しっかりと魔法戦士の道に進んでいるらしく、回復した後、お前同族たくさんいるがここで修行していいのか? と尋ねたが「俺ははぐれものだったからな、嫌われてるからええんだ」 とのこと。
どうやら森のダンジョンに一人いたのはそういう理由だったらしい。
強くなった腕で同族を見返してやろうとしていたらしい。
頑張って欲しいもんだ、そして俺のレベルは何時上がるのか。
三度目の正直はもう通り越してしまったのだが。
あとひょこひょこ黒焦げて帰ってきたら、ダンジョンパトロールのマスクレディ(レフィという名前だったらしい)に声をかけられた。
いつもとは違う方角から帰ってきたのでどうやら森のダンジョンを卒業してくれたのだと思ってくれたらしい。
「レベルは多少上がったみたいですけど、ソロのままだと危ないですからね。いつでも声をかけてくださいね、あ、500Gですけど」
と言われた。
うん、ありがとうございます。ただし俺のレベルは一切上がってないんですけどね。
そして、500G払ってもさすがに魔王退治にまで付き合ってはくれないだろうしなあ。
良心的な値段だが、俺はいつか魔王を退治する勇者なのだ。
同じ志を持った仲間が見つかるまで頑張るのみ!
寝る。
【十六回目の日記】
妖刀カマイタチをゲットしたぞぉおおおお!!
地のダンジョンにてただならぬ雰囲気を漂わせた宝箱を発見し、慎重に開けてみるとそこには噂に聞く妖刀が!
かつては仲間もいない一人旅時代だった(レベルは普通に上がっていた)時に使っていた呪われた装備に雰囲気が似ていたが、使ってみると多少うひひと口調がかわりかけたが、問題なく使えた。
早速オークなどに試し切りしてみるとなんと四回斬りつけていたのが三回に短縮された、すげえ!
だがおかしいな。
確か俺の聞いた噂だと妖刀カマイタチを振るえば一撃で三方向を斬れるとか、三体倒せるとか、通路の入り口からモンスターと戦うのに便利だと旅の最中に知り合った風来人から聞いていたのだが、これは単一にしか刃が飛ばないようだ。
話が嘘だったのか、それとも本物とは違うのか、謎である。まあ切れ味のいい剣とはこれでおさらばだ、今後はこれを使っていこうと思う。
そして、なんとかそれのおかげで地のダンジョンの最奥にまで侵入し、守護神と遭遇した。
地のダンジョンの守護神はキメラ、酷く口が悪いケダモノだった。
森の守護神同様相手のステータスを見切る力があるのか、俺がレベル1だと知ると激しくこきおろされた。
なにが「レベル2ぐらいにまではあげてこい」だ、「調子こいてんじゃねーぞ、おいこら」だ。
「どこの世界にレベル1の雑魚が魔王倒すことなんてあるんだよ」
ぷげらと爆笑されて、ついマジ切れして殴りかかったが返り討ちにあった。
あの野郎、ひたすら頭と口調はチンピラの癖に爪は毒持ってるわ、ひたすら魔法連打してきたとんだクソ野郎だ。
ちくしょう、俺だってレベルが上がるものなら上げてるわ。
レベル1でも魔王倒せること証明してぶっ倒してやる!!
まだ身体がだるいので解毒薬を寝酒代わりに飲んで寝る。
【十七回目の日記】
ベヒモスさんにやられました!
うん、どんだけ強くなってるのかなって思ってかまいたち片手に森のダンジョンにまたいったらぶっ飛ばされた。
所詮レベル1だったんな、おれ。油断しすぎだろ。
「何をやってるのだお前は、これ以上弱くなってどうする」
といわれても言い返せませんでした、まる。
集中力が切れておる、焦りは禁物だということがよくわかったぜ。
【十八回目の日記】
心頭滅却、己の弱さを自覚せよ。
朝から街の片隅で座禅を組み、女神象のある泉で桶から水を頭に被って瞑想修行を行なった。
心だ、まずは心で斬るのだ。
相手の強さよりも己の弱さを克服すべし、ラルフよ、まずは心のレベルを999にするのだ。
という気分で昼まで水を浴びていたら、妙に巨乳で露出度の高いマッシブな少女が後ろで五十回ほど通りかかるのを目撃した。
鍛えるっすーという高らかな声と共にランニングをして体を鍛えているスポーツマンというよりも格闘家か?
だがそこで俺は一つの真理を掴んだ。
あんなに鍛えていても胸は揺れる。
揺れるのだ。
どれだけレベルを上げても女の胸は揺れるのだ。
一つの真理を悟った俺の心は不動だった。
地のダンジョンにもぐり、まさしくマッシブといったバーサーカーと遭遇しても俺は不動だった。
三十度を超える剣と拳の交差を行い、殴られながらも回復魔法で傷を治し、出足を打って僅かに稼いだ時間でポーションを飲み干す行動にも俺の心は震えることはなかった。
幾ら筋肉だろうが、咆哮で奮い立たせようが、俺の心に動揺はない。
揺れない胸に畏れるものなどはないのだ。
バーサーカーを撃破し、そのままキメラへと再戦した。
俺は不動の心のまま戦った。
ストーンを撃たれても不動の心で反射した。
クェイクを撃たれても不動の心で魔法を反射した。
毒爪で斬られても、不動の心で魔法の反射に失敗した。
幾ら毒爪で殴られようが、ひたすら反射の態勢でまるで怯まない俺に何故かびびったのか、魔法を撃たなくなったキメラ。
どうやらMPが尽きたようなので不動の心で刀を抜き、斬りかかり、死等の果てに惜しくも敗れた。
「なんか怖いんだけどお前!! もうくるな!!」
といわれたが、お前を倒さないと次に進めないからしょうがないだろう。
とはいえどうやら今の俺は力不足のようだ。
多少戦えるようになったし、森のダンジョンの賞金首でも倒して腕を磨こう。
俺の心は不動だった。
ラルフさん賢者タイム
ルージュさんがあんな恰好でランニングしていたのをみたらそりゃあね?
絶対ずれ(ry