憧は穏乃が火葬されているのを大泣きしながら別れを告げた。
仲間の皆も泣いている。
阿知賀こども麻雀クラブの面々も穏乃の急死に涙を流した。
火葬までの間・・・とても大変だった。
赤土先生はマスコミから生徒の変化にも気がつかないのかと散々叩かれ、私達も周りからはそう言われた。
穏乃のおばさんにも言われたときはショックだった。
「・・・暖かくない。穏乃ちゃんの席が冷たいよ。」
「うん。」
学校が始まり、宥姉は穏乃の死をまだ受け入れられてない。
灼さんは穏乃の死で完全に麻雀と決別してしまって麻雀を辞めてしまった。
「玄は辞めないよね。麻雀。」
「う、うん・・・。」
歯切れが悪い返事しか帰ってこない。
もう楽しく麻雀を打つことは不可能となった。
・・・だからこそ、憧は穏乃の楽しく皆で麻雀をしたいという願いに涙を流しながら
「皆の気持ちがバラバラになっちゃったよ。穏乃・・・。」
墓の前で穏乃に語りかけるしか、残された者はできない。
パク
「憧・・・。」
「なに?」
「あんた大丈夫なのそんなに塩分取って大丈夫なの?梅干しやらたくあんやら漬け物とか・・・。」
「大丈夫、大丈夫・・・ただ今は食べさせて。」
憧はストレスから塩分の多めの食事を間食に、穏乃の記憶が増えたことで頭を使うため甘い物も多量に摂取するようになる。
「憧、憧。」
「・・・穏乃?」
「私は穏乃の記憶の残骸。残りカス。」
「でも穏乃は穏乃だよ!!」
「・・・時間だ。憧、頑張って。」
「え?何を?穏乃?え、行かないで!!穏乃!!」
ガチャン
牢屋のような部屋に閉じ込められる。
「フウー、憧サン、こんにちは。さあ麻雀をしましょう。」
ロシア系の白人美女と黒服が雀卓を囲む。
私も知らないうちに座っていた。
「はぁ・・・はぁ。」
「13時間でワタシに勝ちますか。やりますね。」
「次は私かな?」
黒服から煙が上がる
「小鍛治プロ!?」
「これは穏乃ちゃんの記憶。私と対戦した7戦の打ち筋から予想される幻影。卓に着きなよ。」
「24時間経過・・・今日はここまでだね。じゃあまた明日。」
ガバ
「・・・夢?」
凄まじい疲労と枕元にあるチョコレートのカバー、梅干しの種、水が少し残ったコップを見ると私はこれらを無意識に食べていたらしい。
「・・・おかしくなっちゃったんだ。私の体・・・。」
赤土先生は私達を見捨てなかった。
自身のプロ復帰を完全に断り、高校側と交渉の末、麻雀部の顧問を続けてくれることとなった。
また、土日の学校が無い日は他校との練習試合を多く組んでくれるようなった。
新しい麻雀部はここから始まった。