4人だけ・・・いや、宥姉もそろそろ引退するので、実質3人になる麻雀部はとても寂しかった。
「ほら、元気出して!!」
赤土先生は精神が安定しない玄を励まし、私には実力が伸びるように、前よりも厳しく指導してくれた。
ただ、毎晩出てくる小鍛治プロに比べると物足りない感じもする。
「・・・トイトイ。」
「宥がいたら寒いって言うね。」
赤字無しのドラも無し。
2ハン役のみの低い点数だった。
「最近大丈夫なの?顔色悪いよ。」
「大丈夫です。赤土先生、今週の土曜日はやっぱり私だけですか?」
「玄がどうしても行きたくないって言うからね。姫松に乗り込むよ!!」
「がんばります。」
「お、来たね。」
「今晩もですか・・・。」
「いや、今晩は別の人だよ。・・・私も怖いから近づきたくないんだよね。」
「憧!!ファイト!!」
「小鍛治プロが怖い?穏乃!!説明してよ!!」
「まぁ顔を見れば頭の良い憧ならわかると思うよ!!」
ゴゴゴゴゴ
私の背後から凄まじい圧力を感じる。
いくら夢だからといって現実にも支障をきたしているので、もし夢の中で死ぬようなことが有れば、現実でも死ぬ可能性がある。
「凄く振り向くのが怖いんだけど!!」
ゴゴゴゴゴ
「後ろを向け。」
老人の声・・・でも振り向かない。
振り向いたら何がおこるかわからない。
「・・・それがダメなのだ。」
パン
目の前にいた小鍛治プロと穏乃がガラスのように景色と一緒に割れる。
「ほぅ。それでも振り向かぬか。」
カツンカツン
「私自ら顔を見せる手間をかけさせるとは、小娘、それはある意味で才能だな。」
今のロシア大統領のウラジル・プレーが立っていた。
「これはあくまで私の夢、起きれば日常に戻れる。」
「果してそうかな?夢は夢でも精神が壊れれば植物人間となり起きないことも有り得るぞ。」
「プレーも穏乃から引き継いだ、記憶の断片なら穏乃はあなたに直接会い、そして生き延びている。穏乃にできるのなら私にもできる!!」
「・・・なるほど。」
パチパチ
「良く言った。だが、世の中そこまで甘くはない。穏乃、戻ってこい。」
「まだ見たかったんだけどな~。」
「穏乃!!試したの!!」
「ここで起こることは、全て憧の力になる。今回はテストみたいな物だし、精神のトレーニングでもある。憧は偉いよ。私は同じことをされて振り向いた。今の彼より年老いていたけど、威圧に屈して失望されたよ。所詮プロの一流にはなれないような人はこれぐらいの才能しかない。けど憧は可能性を見せた。たぶん今の憧なら全国で暴れられる。現実でも体感してみなよ。」
ここで夢は終わる。
ベッドは汗でグッショリ濡れていた。