「貴方、リッチになりますよ」   作:あなからー

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 ヒモになりたかった


リッチの居候生活

 ▲月×日 雨

 

 ひょんなコトから女子高生の家に居候することになった。

 

 言葉の絵面がやばい。

 

 取り敢えず、「他の家が見つかるまでの繋ぎ」だということは分かっているようだ……というか俺が強くそう言ったので、お昼の間は他の家を見つける作業を続けようと思う。夜には能力の制御だ。あの能力は使い所を誤れば余りにも危険すぎる。最近のリッチはこんなもんを全員持っていたのかと思うとゾッとする。これは……少し、動く必要があるのかもしれない。

 

 兎に角、雨風をしのぎながら安全に日記を書くことが出来るだけで今のところは有り難い。もう少し彼女には危機感を持って欲しいが。死んだとしても俺は男だ。警戒を何故しない。

 

 年下にあまり興味がない事をありがたく思って欲しいものだ。

 

 

 

 さて、半ば無理やりとはいえ住ませて貰っている身だ、何か恩返し……とまではいかないが、役に立つことをしておきたい。何よりここの大家さんはいい人だったのだ。俺の部屋の整理やらも進んでしてくれた時は死者の身でありながらまた号泣してしまったものだ。

 さっき「恩返しとまでは」などと書いたが、訂正だ。恩返しだ。

 

 というわけで、まずはこの家の近くに巣を作っていやがる害虫どもを殺そうと思う。蜘蛛は恐らく害虫がいなくなればドコかへと行くだろう。

 

 作業を開始する為、ここで筆を置く。

 

 

 

 

 

 ▲月■日 雨が続(以下筆談内容が綴られている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全く。俺が日記を書こうとすると後ろから覗いてくるのは止めてもらいたい。そういうのは人権的にアレだ、プライバシーの侵害だと思う。

 

 ……怨霊に人権って適用されるのだろうか。

 

 

 

 

 

 あることにしよう。

 

 昨日ヘトヘトになりながら作業をしたことで「すていたす」が上がっていた。

 

 ひっとぽいんと:41

 まじっくぽいんと:59

 いかりぱわー:20

 

 こうげきりょく 3

 ぼうぎょりょく 999

 ちから     1

 すばやさ    19

 ちりょく    56

 まほうぼうぎょ 17

 がっつ     29

 

 

 特性:霊 物理全無効、光属性被10倍  

                      』

 

 MPが大幅に上がっている。前5とかだったがどうなっている。いやまあ最近凄く魔法を行使した記憶があるが。使えば使うほど成長するのか? まるで俺が主人公のようではないか。馬鹿らしい、怨霊は何時だって退治される悪の側だ。そうでなければ「怨」霊である意味などない。

 

 まああと200年くらいしたら退治されるとして、まずはこれからのこと。この「すていたす」が役に立つ時が来るのがいつかは知らないが、問題はこれを鍛えて損があるかないか、ということだ。

 

 通常大怨霊と呼ばれる存在、菅原道真公が代表的な人物だが……は、文献上非常に強大な力を持っていた。

 

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 俺の理性が消えた時、ああなってしまうのが怖い。俺は死して尚迷惑をかけ続けることになってしまう。いや、迷惑をかけるレベルが大きすぎるのだ。あの時は都全体に呪いが襲った。俺の場合はそこまでいかないとしても、それでも街一帯に呪いを振りまかないとは言い切れない。

 

 よってしばらくは成長しないように気をつけながら日々を過ごそうと思う。理性がなくなると思ったらとっとと退治してもらえるくらい弱ければ問題ないだろう。

 

 今はそれより娘さん……書くのが面倒になってきた。お嬢? ヤクザみたいではないか。だが、名前で書くのはなんとなく違うだろう。少女? まあ年齢的に少女ではある。だがそれだと余所余所しくなってしまうし。

 

 娘さんで妥協する。彼女に俺が書く日記を覗かせないようにしなくては。

 

 気持ちはわかる。怨霊が書く日記ってなんだよ、と思うし、何書いてんのか気になるってのは凄く理解出来る。

 

 だが当事者になってくると話が別なのだ。ふよふよ浮きながら日記を書くこちらの身になってくれ。凄く書きにくい、ああまた文字がずれた。

 

 

 

 ▲月◇日 まだ曇り

 

 最近天気が安定しない。雨が続いたと思ったら急に晴れたり、朝は晴天なのに急に雲が出てきて雨が降ったりの毎日だ。今日も一昨日から続く雨の影響で曇り……この季節、ここではあまり雨が降らないのだが。

 

 俺の記憶がいつなくなるかが分からない。俺はこれから200年も生きる予定なのだ。名前を覚えなくとも、せめてどんな人物と共にいたかくらいは記録しておきたい。

 

『怨霊が書いた日記』

 

 将来ベストセラーにならないだろうか。天国でリッチになれたら儲けものである。

 

 そんな妄想はさておき、今居候している部屋の主である娘さんについてある程度の記録を行っておく。

 

 

 背は少し低め、150センチ後半だろうか?セミロングの黒髪で大きい目をしている、大家さんの奥さんと似て美人な、いや美少女と言い換えたほうがいいかもしれない。ただ、前髪も長いため両目が偶に隠れる事がある。素材が素晴らしいのにあまり付き合いがないのはこの髪型にも一因があるだろう。いや、一番の原因は性格なのだろうが。

 

 成績は上の中、特に日本史が得意のようだ。逆に英語が苦手、といったところか。

 

 運動は明らかにできるタイプではないと思っている。こう書いたのは俺は彼女が運動するところを見たことがないのが理由だ。実際どうかは分からないが、見た目と性格からつい連想してしまった。これは俺の悪い癖だな。

 

 まあ、文学少女と書いておけばなんとなくイメージが掴めるだろう。あくまで外見のイメージは、という前置きがつくが。

 

 家に戻ると大人しい性格は一気に消散する。進んで家族と会話して手伝いをして、尚且つ部屋ではネットや読書をして笑う、ドコにでもいる普通の女の子だ。

 

 俺が見える時点で普通じゃないが。

 

 そんな俺は最近よく彼女の日常の話を聞いている。なんでも、近頃学校が楽しくなってきたらしい。友達はあまり出来ないし相変わらず人見知りも治らないが、なんだか勉強が進むのだとか。

 

 いい傾向だ。例え暗示でも楽しいと思えれば伸びしろは大きくなる。好きこそものの上手なれ(下手の横好きという言葉もあるが)という言葉は大体真実だ。好きになれれば大抵上手になれる。彼女には色々な可能性を見つけて欲しい。

 

 死者として、身近にいた生者への願いとしては正しいのではないだろうか。




 (娘さん視点とかイメ画とか)いる?
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