「以上で今日の訓練を終わりにする。思っていたより筋はいい、このまま頑張ってもらうぞ」
59式宇宙用戦闘ポッド『オッゴ』での初訓練が終わった…なかなか思ったようには動かせなかったな…。当然の話だが。
「まぁ面倒な事情に巻き込まれたのは聞いている、だからと言って手加減するつもりはないが」
と言っていた教官の羽切中佐の指導は容赦はなかったがわかりやすかったし、オッゴ自体の操作も「動かすだけ」ならば簡単だった、思った通りにとなると相当難しかったが。現在我が国の主力MAであるオッゴは手堅く、古い技術を持って作られた機体で整備性や生産性も良好、値段も「アジアオセオニア共同体の兵器としては」抑えられえている、他国の主力MAであるミストラルに対して性能的に優勢であり、会合内では「メビウスじゃなくてオッゴのままでいいんじゃね?」という声もあるらしい、しかし、会合内ではメビウス、およびメビウス・ゼロの採用はほぼ決定事項らしい。というか共同開発に参加してガンバレルのデータがほしいらしい。おかしな話だがこの世界、『各国の融和と平和の象徴』として兵器の共通規格化が進んでいるのだ、兵器が融和の象徴とはおかしな話だと思う、でもよく考えたらあの世界、三つの大国が同じ兵器を使っているんだものな…しかも旧世紀には自力で兵器を開発していた国、メタ的なことを考えなければそんな事情でもなきゃそうはならないか…。
まともにMAやワークローダーを動かせるようになるには3か月ほどかかったがMSがまだ完成しないので特に問題はなかった。
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「…機体も完成した、OSの搭載も終わった。銃火器は…その、まぁまだ代用品のみだが、ありあわせで用意した。とりあえずMS1号実験機、完成だ」
大体半年…MSの実験機が完成した、完成した機体はガンキャノン初期型に近いが肩のキャノン砲はなく両肩に75㎜対空砲イーゲルシュテルンが取り付けられた状態で、駆逐艦用の127㎜速射砲を流用したキャノン砲かオッゴ用の57㎜連装機銃が装備できるようになっている機体だ。完成度はまだ高くないと思う。
「とりあえずやりましたね…なんというか…結構あり合わせですけど」
「前にも言ったがMS開発を念頭に技術開発してたからな、これから稼働テストを繰り返してMS自体のデータを蓄積する必要があるがな。予算さえどうにかなってくれるならムーバブルフレームに一足飛びに行きたいくらいだ。それくらいの技術蓄積はある」
なるほど、確かにそのほうが高性能機が作れるし、整備性もよくなるはずだ、損傷した装甲を取り換えればいいのだからな、それに装甲のアップデートも簡単になる。
「OSは俺の5年の集大成だ、まぁ、まだ問題のほうが多いとは思うがとりあえず動かしてみてくれ、前後左右、上下に動くくらいなら問題ないはずだ。」
システムを開発していたエンジニア、石井さんが言う、普段はワークローダーのシステム開発をしているそうだ。よく考えればワークローダーのシステムってMSに応用が利くのかな?簡易マニュピレータの二本腕で三本足のローラーダッシュで移動する重機だし。
「わかりました…でも期待しないでくださいよ?まだ操縦技術に関してはケツの殻の取れていないひよこなんで。」
「動かしてデータが取れたらそれでいいんだ、大体実戦でMS動かすのは最初はそんな連中だ、そいつらを対象にしている機体なのだからそういうやつがやるべきだ、大体いまMSに精通したパイロットなどいないだろう。早速だが動かしてみてくれ。」
教授に言われてコックピットに乗り込むみ機体を立ち上げる。
「さて…我が国初のMSパイロットは僕か…」
アニメで見ていたMSとは少し違うが、それでもMSを動かせるというのは気持ちが昂るな…。
今回は短いですがこれで終わりです。同時に設定的なものを投稿します
ワークローダーは00に出てきたやつです。一期でロックオンが気だるそうに相手をしていた奴らです。