真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第百五話

 

 

 

そんな訳で戦が始まった。

大将が籠城を最初からするのは嫌と言ったので迎え撃つ事になったのだが……

 

 

「もう限界だな……大将、呼び戻して籠城するぞ」

「そ、そんなん言うたかて華琳様は前線の真っ只中やで!?」

 

 

そう……いくら鍛えた魏の精鋭と言っても数の暴力には敵わなかった。どうにか戦線を支える様に指示を出し、援軍を回していたのだが流石に限界だ。

 

 

「だったら俺が行きます!華琳を連れ戻す!」

「た、隊長!?隊長が行ったかて何も変わらへん!むしろ邪魔に……」

「行くぞ一刀。大将の説得は任せた」

 

 

今にも飛び出していきそうな一刀に真桜が抗議しようとしたが俺は止めるべきではないと思った。ぶっちゃけ大将の説得とか一刀くらいしか出来そうにないし。

 

 

「真桜、斗詩と一緒に残存戦力を纏めてくれ。それと相手方に気付かれない様に籠城の準備な。大河は一刀の護衛だ」

「ああ、もう……後で文句言うたるからなっ!」

「り、了解ッス!」

「あの……純一さんは?」

 

 

俺は真桜と大河に指示を飛ばす。一刀は俺がどうする気か気になっている様だ。

 

 

「俺は新しい装備を着てから行く。先に行け、大将の説得もそうだが先ずは安全の確保だ」

「わかりました!」

 

 

俺の言葉を聞いた一刀は大河と共に大将を探しに行った。後は俺がこの日の為に用意したコイツを纏うだけだ。

俺は袋からソレを取り出すと身に纏う。ぐ……重っ……予想以上の重量だが仕方ない。

それに、ねねは間に合わなかったのか……そろそろ来ても良い頃だと思ったんだがな。まあ、愚痴っても仕方ない。俺は新たな装備の付属として一緒に作った帽子を被る。これで完璧だ。

新しい装備を纏った俺は城から出ると大将を連れ戻す為に先に行った一刀と大河を探す。

 

 

「居た……ってアレは胡軫!?」

 

 

意外にも一刀達は直ぐに見付かったが予想外の人物も一緒だった。まさかの胡軫だ。

反董卓連合以降、足取りが掴めなかったが蜀に居たのか……一応、行方を探しては居たが……前回の劉備との顔合わせの時には居なかったから油断してたな。

胡軫と関羽、趙雲が大将と一刀と大河の目の前。そしてそれを囲うように兵士達が陣形を組んでいる。生け捕り……または確実に仕留める為の処置なのだろう。どういう訳だか大河は一刀の足元で倒れてる。なんとか立ち上がろうとしている辺り、意識はあるのだろう。

 

俺はギリギリ、バレない距離を保ちつつ間を待った。一瞬の隙が出来れば救出に迎えると判断したからだ。

そしてその時は直ぐに来た。胡軫は一刀と大将を仕留めようと棍で横薙ぎにしようとしていたのだ。

 

一刀と大将が危ないと思ったと同時に駆け出した。不意を突いて兵士達を跳ね除けた俺は更に加速して、一刀と胡軫の間に割り込み、腕を十字に組んでガードした。胡軫の棍が俺の腕にメキッと音を立ててめり込む。痛い……だが以前の程のダメージは無い。

 

 

「ふぅ……なんとか間に合ったか」

「そ、その声……純一さんですか!?」

 

 

一刀は声で俺だと気づいた様子だ。よし、そのまま大将を庇ってろよ。

 

 

「秋月……殿なんですね?」

「ほほぅ……あの時の若造か」

 

 

関羽も俺の声を覚えていたのか何処か悲しそうな声で対する胡軫は嬉しそうに俺かと聞いてくる。その言葉に俺は待ってましたと答えるしかない。

 

 

「違うな……今の俺は……」

 

 

そう……今の特注コートを纏った俺は……

 

 

「キャプテンベラボーだ」

 

 

ビシッと親指を自身に向けて立てる。

そう、これぞ服屋の親父と武器屋の親父の共同製作『なんちゃってシルバースキン』

 

本来のシルバースキンは攻撃が当たった瞬間硬質化するが、そんなものを作るのは不可能だ。

そこで俺が考えたのはコートの下地に鎖帷子の様な物を編み込む事。そしてそれに気を通す事で防御率を格段に上げる事が出来る仕組みになっている。凪の鎧や手甲みたいなもんだな。

なんちゃってシルバースキンと凪の鎧の違いを挙げるなら、凪の鎧は通常の鎧と違って動きやすさ重視で軽量化&身に纏う面積が少ないと言う事。逆に、なんちゃってシルバースキンは全身をカバーする鎧のようになっている。その分、凪の鎧よりかは重いが通常の鎧よりも軽くて動きやすくなっている。更に凪と同じく気を鎧の部分に纏わせる事で防御率を高める。凪は一部に気を纏わせるコントロールをするが、なんちゃってシルバースキンは常に微量の気を流し続け、常に防御率が高いようにしている。そして先程、胡軫の一撃を防いだ様に部分的に流す気の量を増やせばその部分の防御率を高められる。

 

デメリットがあるとすれば今の俺は気功波の類いの使用が難しい事だろう。

理由としては単純で気を全身に回すのと部分的に気を集中する作業をする為に気のコントロールをしているからだ。その状況で、かめはめ波を撃とうとすれば、気の量が足りなくなるか自爆の二択。いつもの気絶パターンと化してしまう。気功波を使うとすれば全身に回してる気を止める事。しかしそれをすれば、なんちゃってシルバースキンはただのコート型の鎖帷子となってしまう。

つまり、肉弾戦がメインとなるのだ。まあ、それもブラボー技を駆使すれば問題ない……筈。

そして自己紹介の名乗りで周囲の視線が冷たくなった気がする。

 

 

「なんとも粋な名乗りだ。愛紗、やはり良い御仁のようだ」

「何処がだ……華蝶仮面の様に苛立たしいだけだ」

 

 

趙雲、ありがとう。少し救われた気がする。関羽……お前は誰かに恨みでもあるのか?

 

 

「ほぅ……あの時よりも強くなった様だな」

「秋月殿……私とて退く気はありません」

「やれやれ……ならば私は……」

 

 

ヒュンと胡軫の棍と関羽の青龍偃月刀が俺の方に向けられた。趙雲は……大将と一刀を見定めている。

うん……ヤバい気もするが……いや、ヤバい気しかしないがやるしかない。

そう、思いながら俺は強く拳を握った。

 

 

 




『シルバースキン』
武装錬金のキャラ『キャプテンブラボー』の武装錬金。
攻撃に対して瞬時に金属硬化して鱗のように剥がれ落ち、破損部分は瞬時に再生、着装者を完全防御する。 
その防御力は全武装錬金中トップクラス。

『キャプテンベラボー』
同作品内で主人公と対立する事になったキャプテンブラボー。その事を信じられない主人公は目の前のキャプテンブラボーは偽者で『お前はキャプテンベラボーだ!』と偽者である事を主張したが、そんな事はなくキャプテンブラボー本人だった。







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