真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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今回は短めです


第百七話

 

 

 

なんちゃってパワーボールで上手い事、隙を作ったけど長持ちはしない上に城までの距離を考えれば邪魔も入るだろう。急がないと……って大将が妙に静かだ。

ふと一刀に視線を写せば、一刀に抱かれ、少々うっとりとした瞳で一刀を見上げてる………惜しいな、携帯のバッテリーが切れてなきゃ速写してたわ。

 

 

「待ぁぁぁぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

「ヤバッ……もう回復したのか!?」

 

 

無駄な事を考えていたら後ろから関羽が追っかけてきた。その直ぐ後ろには趙雲も一緒に向かってきてる。胡軫は追ってこなかったのか……まあ、ムスカ状態だったしダメージデカかったのだろう。

 

 

「ちょっと、追い付かれるわよ!」

「しょうがないだろ!俺は大河背負ってるし、そもそも装備が重いんだよ!」

 

 

大将の言葉に反論するが確かに追い付かれそうだ。なんちゃってシルバースキンのデメリットその2。『重すぎて移動するときには不便』が追加された。

 

 

「とは言っても……迎え撃つにはちと厳し……いや、このまま走り抜け一刀!」

「え、あ、はい!」

 

 

どうしようかと悩んでいた俺だが前方に『援軍』が見えたので、一刀に指示を出す。間に合ってくれたか!

俺と一刀が城に向けて走り続けると謎の一団が前に立ちふさがる。一刀や大将は敵かと思って足を止めようとしてしまうが俺はそのまま走り抜けろと一刀の肩を叩く。その意図を察したのか一刀は少し遅れてだが走り続け、そしてその一団を追い越した後、関羽と趙雲が迫ってくるがその一団は揃って口を開いた。

 

 

「「まばゆきは月の光、日の光!正しき血筋の名の下に、我等が名前を血風連!」」

 

 

そう、彼等こそ俺と華雄で鍛えた精鋭部隊『血風連』

実は彼等の修行場所は魏からそう遠くない山の中なのだ。今回の騒動が起きてから俺はねねに華雄、恋、血風連を連れてくる様に頼んでおいた。本来なら戦の前に合流できるのがベストだったけど、このタイミングで来てくれたのは有難い。

 

 

「愉快な連中の様だな」

「だが数だけだ。突破するぞ」

 

 

趙雲と関羽が血風連を見てそれぞれコメントを出す。甘いな……血風連を鍛えたのは俺だけじゃないんだぜ?

 

 

「やれやれ……容易に突破出来ると思ったか?」

「貴様……華雄!?」

 

 

血風連の一団から一人が前に出る。それは血風連と共に来た華雄だった。

 

 

「秋月、北郷……先に行け。私は関羽を相手にする」

「ふん……貴様ごときが私の相手になるだと?」

 

 

華雄の挑発にアッサリと乗って来る関羽。やっぱ此方を甘く見てやがるな。

 

 

「隊長、副長。ここは我等にお任せを」

「頼んだ。行くぞ、一刀……華雄、待ってるからな」

「え、あ……はい!」

「ああ……すぐに合流するから待っていてくれ」

 

 

血風連の一人に声を掛けられた俺はそのまま一刀を連れて城へと走った。華雄は俺の言葉を聞いて小さな笑みを溢して答えてくれた。

 

 




『血風連』
ジャイアントロボに登場する十傑集直系の怒鬼直属の戦闘集団。
高い戦闘力を持ち、チームワークを活かした集団戦法を駆使する。全員が編み笠を深く被り、武器は七節棍や刀。

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