真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第百十六話

 

 

 

 

 

イオナズンの失敗による自爆をしてから数日。今回は然したる怪我もなかったので復帰も早い。以前の俺なら気絶したもんだが俺のタフネスぶりも上がっているとみた。

 

さて……今回は怪我もなかったし……新しい技の目処も立った。本来なら順調と言えるのだが……

 

 

「…………」

 

 

食堂で朝飯を食っていたのだが背後からの視線がキツい。自爆をした日から詠が俺の事を睨んでる。もう超不機嫌オーラが出ている。何があったかと話し掛けようとしても不機嫌なまま、そっぽを向いて行ってしまう。まるで取り付く島も無い。

 

 

「まいったなぁ……話も出来ないんじゃ」

「少し前の桂花みたいですね」

 

 

俺の呟きに一刀も同意する。確かに、あのツンツン状態は桂花みたいなんだよな。なんか拗ねてると言うか。

 

 

「そうね、純一。以前の華雄の時もそうだけど、ちゃんと彼女達と向き合いなさいと言った筈よ」

「……大将」

 

 

これまた、いつの間に食堂に来たのか大将が俺を睨んでいた。いや、正しくは笑みを浮かべているのだが凄みが有ると言うか……

 

 

「詠には任せてる仕事も多いし、今後に影響しても困るわ……………解ってるわね?」

「………了解です」

 

 

大将の言葉が『訳:早急に問題解決しないとオシオキ』に聞こえた。うん、間違っちゃいない筈。

しかし、どうにかしろってもなぁ……

 

 

「土下座でもしてくるか」

「すすり泣きも追加ですね」

「以前にも言いましたけど、お二人はその行動に慣れすぎですよ」

 

 

俺と一刀の会話に凪のツッコミが入った。

 

 

「純一さん……」

「月……」

 

 

等と話をしていたら配膳を終えた月が俺を見上げていた。はぅ……しかも、そんな泣きそうな顔しないで罪悪感ハンパないから。

 

 

「純一さん……詠ちゃんはきっと拗ねてるんだと思います」

「やっぱそうか……拗ねてるか」

 

 

月のアドバイスで詠がやはり拗ねてると確信する。でも拗ねてる原因は……

 

 

「あ、あの……やはり副長が桂花様ばかり構ってるからなのでは……真桜も愚痴ってましたし」

「ああ……そう」

 

 

うん。俺が原因なのは良く分かってきた。凪に愚痴る辺り警備隊には噂が伝わってる可能性が高いな。

 

 

「そっか……うん。とりあえず詠と話してくるよ。それに……月もゴメンな」

「へ、へぅ!?」

 

 

俺は謝罪と共に月を抱き締める。わ、凄い軽い。抱き心地も抜群。恥ずかしがるのが最高。星三つです。

 

 

「よし、行ってくる」

「は、はい……行ってらっしゃい」

 

 

俺は月から離れる。ポーッと顔が赤くなってる。その状態でも俺を送り出そうとするのは流石だ。詠の機嫌直したら月にも時間作るよ。

食堂を出る際に一刀と凪に視線を移したのだが凪が一刀をチラチラと見ていた。顔はめっちゃ乙女になっていた。頑張れよ一刀。俺も頑張るから。

 

 

さて、通りすがりの兵士達から話を聞くと詠は書庫へと向かったらしい。その情報を得た俺は急いで書庫へと向かった。

書庫に到着して文官に挨拶をしながら詠を探す。途中で『今日は荀彧様はまだお越しになってませんよ』と言われた。改めて桂花ばかりに気を使ってたと実感される。

そんな事を思っていたら詠を発見。椅子に座ってなんかの本を読んでいた。

 

 

「詠……少し話があるんだがいいか?」

「…………」

 

 

詠は俺の言葉を聞いても手元の本から視線を移さずに無言を貫いている。

 

 

「頼む……話を聞いてくれ」

「……よいしょ」

 

 

俺は土下座をして詠に頼み込んだのだが詠は座っていた椅子から俺の背に乗る。

 

 

「違うぞ詠。上に乗ってくれって意味じゃない」

「……踏めばよかった?」

 

 

顔を上げて抗議しようとしたら詠は座ったまま俺の顔をグリグリと踏みつける。俺はMじゃないから嬉かないぞ。

 

 






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