真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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数話前にぎっくり腰の話を書きましたが本当にぎっくり腰をしてしまいました。ヤバい感がハンパないです。
少し良くなったので執筆再開。今回は短めです。



第百二十二話

 

 

 

変装をして声を少し変えたけど……どうだろう。斗詩は明らかに疑いの視線を送ってきてるし。

 

 

「なぁんだと、てめぇ!」

「俺たちはなぁ!」

「やんのかこるぁ!」

 

 

なんて思ってたら酔っ払い三人は俺に絡んできた。

 

 

「酔って店ならびに通行人への迷惑行為。覚悟しろよ?」

 

 

俺はグッと拳を握ると体を弓のように捻りあげ、限界まで伸ばす。そして、それを撃ち放つように全てを拳に乗せる!これぞ花山薫の方程式「握力×体重×スピード=破壊力」

 

 

「ぶげふっ!?」

 

 

花山薫みたく人を数十メートルは飛ばせなかったけど威力は充分だ。

 

 

「や、野郎っ!」

「おい止せ!」

 

 

残った二人は片方が刃物を取りだし、片方は酔いが醒めたのか刃物を取りだした方を止めていた。

 

 

「お前らなんかに……俺の気持ちがわかって堪るか!」

「………お前が何に苦しんで酒に溺れたのかは知らん……だが、他の人に迷惑を掛けていい理由にはならないな」

 

 

俺は襲い掛かってくる刃を避ける。ぶっちゃけ普段から恋や華雄の攻撃を見ている俺には通じないだろう。慣れって怖いわぁ。

だが、このままと言うわけにもイカン。落ち着いてタイミングを合わせなければ1.2……1.2.3……よし、このタイミングだ。俺は右足に気を集中して……今だ!

 

 

「1.2.3.……ライダーキック!」

「はぶぅ!?」

 

 

俺は振るわれた刃を避けて気を集中していた右足でカウンターを叩き込んだ。流石に背後からの回し蹴りは無理があるって。

しかし、冷々した。慣れたと言っても素手VS刃物って怖いから。でも、まあ綺麗にカウンター入ったな。完全に気絶してら。

 

 

「す、すいません!もうしませんから……」

「その辺りは警備隊の皆さんに言うんだな。じゃ俺はこれで……」

 

 

残りの一人は完全に戦意喪失していた。だったら俺の仕事は終わりだな。さて、後は警備隊に後を任せて……

 

 

「逃がしませんよ」

「俺は善意で揉め事を止めた一般人。出来ればこのまま見過ごして欲しいんですけど」

 

 

逃げようと思ったら斗詩に肩をがっしりと捕まれた。

 

 

「あら、一般の方なら尚更です。協力していただいた方のお名前を聞かなきゃですね」

「俺は……その……」

 

 

ニコニコとしている斗詩が却って怖い。ここは取り敢えず名乗らねば……えーっと

 

 

「俺の名は……雲井ひょっとこ斉だ」

「仮にも偽名を名乗るなら、もっと考えてくださいね秋月さん」

 

 

俺の名乗りに斗詩は深い溜め息を吐いた。完全にバレてら。

と言うか、しょうがないじゃん咄嗟に名乗ったんだから前田慶次と同じだよ。

 

 

「まったく……なんで変装なんかしてるんですか?」

「いや……城を抜け出したとバレたら大変な事になるだろうから変装して買い物済ませたら素早く帰ろうかと思って」

 

 

ヒソヒソと城から抜け出した事と変装の経緯を話した。

 

 

「本当に素早く帰るなら問題なかったんですけどね……」

「う……すまん」

 

 

斗詩にジト目で睨まれる。確かに首を突っ込むほどじゃ無かったんだろうけどさ。

 

 

「今回の事は黙っててあげますから……今度は私と出掛けてくださいね?」

「お、おう」

 

 

斗詩は俺の耳元で囁く。斗詩もなんやかんやで甘え方が上手いよな。ドキッとしたわ。

この後、警備隊の事を斗詩に任せ、俺はねねと城に戻り、料理に取り組んだ。

作った麻婆豆腐は皆に好評だったが凪には辛味が足りないと少しばかり不評だったが。

ま、外に出た事もバレなかったし、料理も作ったで問題無だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と……思ってたんだけど。

 

 

「純一、城に引き込もって退屈だったのは理解するけど、もう少し方法を考えなさい」

 

 

夕食後の後片付けをしていたらすれ違い様に大将からボソッと告げられた。本当に何処までお見通しなんだよ覇王様。




『花山薫の方程式パンチ』
バキシリーズの登場人物『花山薫』が使うヤクザパンチ。
「握力×体重×スピード=破壊力」という方程式から、強力な一撃を生み出す。その威力は人を数十メートル吹き飛ばし、時には装甲車を数メートル先まで殴り飛ばし破壊する程の威力を持つ。


『ライダーキック(カブト)』
仮面ライダーカブトが使うライダーキック。既存の仮面ライダーとは違い、相手が背後から飛び掛るタイミングに合せて、振り向きざまにカウンターで放つ上段回し蹴り。

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