真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第百二十三話

先日のぎっくり腰も治って、数日。やっと自由を手にした俺だが現在違った意味でピンチである。

 

 

「どうした秋月!貴様の実力はこんなものか!?」

「ぐ……くそっ……」

 

 

そう、何故か俺は春蘭と模擬戦の真っ只中なのだ。何故こうなったかと言えば……復帰した俺が鍛練場に顔を出す→華雄と春蘭の鍛練中→二人に見つかる→休んだせいで体が鈍ったのではと疑いを掛けられる→Let's模擬戦。

 

と、まあ……流れるように模擬戦となった。何故春蘭としているかと言えば華雄とは普段から模擬戦とか血風連の訓練で互いの手の内を知られているので私が相手をすると春蘭が立候補。こっちには拒否権すら与えられなかった。

 

そんな訳で俺はなんちゃってシルバースキンを装備した上で春蘭と戦っているのだがいかんせん不利だ。

だが、この間のカブト版ライダーキックを成功させた俺には対策もある。

 

俺は素早くしゃがむと地面をバァン!と強めに叩く。それと同時に気で強化した脚力でジャンプしながら標的である春蘭に迫りながら両足で蹴りを放つ!

 

 

「RXキック!」

「む、ぬぅん!」

 

 

これぞRXキック。決め技ではないがダメージを与える繋ぎ技として、これ以上のものはない!実際、俺を攻めていた春蘭も初めて防御に回ったし。この隙を逃すわけがない!

俺は予め用意していた模擬刀を構えると気を集中して模擬刀に注ぎ込む。すると模擬刀の刃が気の光で輝き始める。ここまで上手く出来てると少し怖い気もするが、いざ!

 

 

「ギャバンダイナミッ……く?」

「………折れたではないか」

 

 

俺がギャバンダイナミックを放つと春蘭も大剣で迎え撃とうと振りかぶった。そして刃が重なったと同時に俺の持っていた模擬刀はアッサリと折れてしまった。何故に!?また気の出力不足だったのか?

 

 

「ふむ……秋月の気に模擬刀の方が保たなかったらしいな」

「そう……なのか?」

 

 

華雄が折れた刃を持ちながら教えてくれた。前だったら気の出力不足で駄目になったもんだが。

 

 

「以前見た時と違った気がしたのでな。それに秋月の気の強さは私がよく知っているさ」

「そっか……華雄が言うならそうなのかもな」

 

 

華雄に武の事を誉められると流石に嬉しいな。普段から負けっぱなしってのもあるが。

 

 

「なんだまったく……どの道、戦うことが出来なくなったのだろう?秋月は先の戦で関羽や趙雲と対等に戦ったと聞いたから試してみたくなったと言うに」

「いや……あれは騙し騙し戦っただけだからな?」

 

 

どうやら春蘭は俺が関羽達と戦った時の事を聞いたらしく俺の強さを確かめようとしたらしい。過大評価したみたいだけど、あの戦いでは俺は防御を固めつつ、相手の隙を突いただけだからな?

 

 

「それに強さを言うなら華雄だろ?撤退の時に関羽と戦って推していたって聞いたけど」

「既に華雄とは刃を合わせた。華雄の強さは私も認めているぞ」

 

 

へぇ……春蘭が認めるって余程の事だな。『私が華琳様の一番だ!』なんて、いつも言ってるから意外だ。

 

 

「春蘭に認められた強さって凄いな華雄」

「それは結構だが春蘭がしつこかったんだ。仕事があるはずなのに私に模擬戦を申し込みに来たんだからな。秋月が倒れてから数日毎日な。秋蘭に仕事を押し付けていた様だから私が数日手伝ったくらいだぞ」

 

 

なんか立場逆転してないかい?春蘭よりも華雄の方がこの国の将軍に見える。うん、気のせいだと思いたい。

 

 

「ま、俺の強さを確かめるのは次回にしてくれ」

「なんだ用事でもあるのか?」

 

 

鍛練場を後にしようとする俺に春蘭が質問してくる。この後、警邏に行って終わったら斗詩とデートなんだよ。




『RXキック』
仮面ライダーBLACKRXの使うライダーキックで片手で地面を叩いた後、ジャンプ中に前方に跳びながら後方回転を加えて両足で蹴り込むライダーキック。

『ギャバンダイナミック』
ギャバンの決め技。
レーザーブレードで敵を真一文字に叩き斬る。ジャンプしながら一回転を加えて斬るverもある。

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