真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第百三十四話






◆◇side凪◆◇



私は今、副長と戦っている。いつもの鍛練と平行して行われていたのだが実践式修行として鍛練の締め括りに私と副長が試合形式で戦う事となった。
今回、副長はなんちゃてしるばーすきんと言う戦闘服は纏わずに以前から使用していた亀仙流の胴着を着ている。副長曰く『なんちゃてシルバースキンに頼ってばかりじゃなくて己を鍛えたい』と仰っていた。


「うおりゃあ!」
「はぁぁぁぁぁっ!」


副長の右拳を反らしながら、がら空きとなった脇腹に肘を叩き込もうとしたが副長は左手で私の肘を受け止めると逆に右足で私の足を払う。私は体勢を崩してしまうが副長の腕を掴んで、引っ張りながら体勢を入れ換えて副長を押し倒した。私の下になった副長の顔面に拳を突き付ける。


「………まいった。降参」
「はい、お疲れ様でした」


副長の降参を聞いてから私はフゥと一息ついて副長から離れる。


「いやー、まいったまいった。まだ凪には敵わないな」
「私にも気を使うものとして、そして将としての意地があります。まだ副長には負けませんよ」


副長は軽口で負けて悔しいと言う。私もまだ負ける気はないと言うけど内心では穏やかじゃない。副長は確実に強くなっている。今回こそ、なんちゃてしるばーすきんを装備していないが、もしも装備していたら先程の戦いの結果は逆転していたかもしれない。


「師匠、出来ないッス!」
「やってみろ!気合いだ気合い!」


副長は私との戦いを終えた後に試合を見ていた大河に気の使い方を教えていた。大河は座り込んで掌に気を込めている。


「手がじわーと熱くはなってるッス」
「掌に気を集中させる事は出来てるな……放出させるとなると……」


大河も大河で物凄い早さで気の扱いを習得していた。今は気の放出で手間取っているらしいが、それでも私よりも早い習得だ。


「はぁ……」


私は思わず溜め息を漏らす。私が幼い頃から修行してやっとの思いで習得した気を僅かな期間で習得していく副長と大河に私は僅かにだが劣等感を感じたのかも知れない。


「凪、お前からもアドバイス……じゃなかった、助言は無いか?」
「凪さ~ん、お助けッス~」


私の方を向く副長と大河。助けを乞うているけど私の助言では……


「私などでは……やはり副長が教えた方が良いのでは?」
「何言ってんだよ。凪は魏の武将の中で一番、気の扱いが上手いだろ。凪以上の使い手は知らんぞ」


ああ、もう……こう言う所は本当に隊長と副長は良く似ている。誰かが落ち込んでいる時に持ち前の優しさと感覚で誉めたり慰めたりする。


「それに俺が教えると大河が自爆しかねん」
「どんな教え方をするつもりですか!?」


副長の発言に驚く私。こう言った思考も私達とは違う。隊長も『純一さんはいつもこっちの考えの斜めを行く』と言っていた。


「仕方ありませんね……では私がご教授させていただきます」
「おう、頼むよ凪」
「お願いします凪さん!」


私は仕方がないと言いながら副長と大河に気の扱い方を教えていく。
出来の悪い兄と手の掛かる弟を持ったようだと思ったのは私の秘密だ。







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