真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第百三十六話

 

 

 

 

交渉団を見送ってから、なんのトラブルも無かったのだが交渉団が帰ってきてからトラブルが発覚した。

馬騰は『己は最後まで漢の臣である』と言って魏に下るのを拒んだ。と言う訳で俺達の涼州行きが決定した。

 

 

「ま、なんにしても急すぎるんだよなぁ……」

 

 

俺は服屋と鍛冶屋の親父に頼んでおいた物を受け取ってから帰路についていた。以前、頼んだ品が完成したとタイミング良く連絡が来たのだ。

 

 

「ま、交渉だけで上手く行くなら戦にはならんか」

 

 

俺は煙管に火を灯しながら呟く。今回の交渉は春蘭が代表だが実際に交渉したのは風だった。そりゃそーか。

しかしマズいのが次の相手が騎馬主体だと言う事だ。

ぶっちゃけ俺の今までの戦い方は対武将。血風連は華雄が監修しているから騎馬戦にも対応出来るけど俺自身は馬に乗って戦う経験は寧ろ少ないくらいだ。なんちゃてシルバースキンだと重すぎて馬が辛いだろうし。

 

 

「ま、それを解消させるのがコレな訳だが」

 

 

俺は服屋の親父から渡された服を包んだ袋に視線を移す。

これは、なんちゃってシルバースキンに続く物だ。

 

 

「後は気孔波の類いで牽制とかか?」

 

 

こんな時に拡散かめはめ波が使えたら……と思ってしまう。ジャイアントストームは自分も味方も巻き込む自爆技と化してしまったし。

それにしても涼州か……桂花の話じゃ細かな部族からなる連合みたいな地域らしい。反董卓連合みたいなもんかと思ったのだが五胡と言う董卓の時よりも長く戦ってる因縁深い相手だから反董連合みたいな寄せ集めよりも統率が取れている集団との事だ。

ただ……一番の心配する所が今回の行き先が涼州だと言う事。相手が馬騰……つまりはその子である馬超とも戦うと言う事だ。馬超と言えば蜀の五虎大将軍の一人だ。西涼の錦馬超の名で有名な武将だ。反董卓連合の時には会わなかったけど女の子らしい。

 

 

「なんとなーく……嫌な予感がするんだよなぁ……」

 

 

今までの経験から歴史に名高い武将の名を聞くと嫌な予感がする。なんせ今まで関羽、趙雲と戦ってきたのだ。更に胡軫にもロックオンされてるし。この流れで行くと涼州に到着してから馬超と即エンカウントして戦う事に……いや、流石にそこまで無いと思いたい……無いよね?

 

 

「関羽や趙雲、胡軫の時はぶっちゃけ不意打ちだったから、なんとかなったけど馬超は完全に戦闘体勢で来るだろうから……う~む」

 

 

なんちゃてシルバースキンの事やなんちゃってパワーボールの事で相手のペースを乱してから戦ったからなぁ。後は華雄や血風連の増援もあったし。

 

 

「いっそ、新技開発に勤しむか……」

 

 

悩んだ末に俺は新たな技を生み出す事にした。うん、少しでも生存確率を上げとこう。

 

 

 

 

 

 

因みにだが、新技開発をしようとしたら桂花以下数名から止められた。遠征前に潰れる気かと……そこまで深刻に言われるとは割りとショックだ。

 


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