真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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今回は短めです。


第百五十二話

 

 

 

 

先日の馬超との戦いで怪我をした俺は基本的に寝たきりか車椅子の生活をしていた。流石に今回は安静にしていろと全員から言われて大人しく従っているのだ。

 

 

「それにしたって今回はハードだったみたいですね」

「俺と同じく倒れてた奴には言われたくねーよ」

 

 

俺は一刀に車椅子を押して貰って外壁の上に来ていた。風があるので気持ちいい。

 

 

「あれ、煙管吸わないんですか?」

「魏に帰って目を覚ましてから即没収された」

 

 

そう、気晴らしに煙管を吸おうと思ったら、桂花に没収されてしまった。

 

 

「そりゃそうですよ。純一さんは吸いすぎですから」

「煙管が無けりゃ、こっちを吸うまでよ」

 

 

一刀の溜め息を聞きながら、俺は残り僅かとなったマルボロの箱を取り出す。いつからタバコが無いと錯覚していた?

 

 

「止めた方がいいですよ。タバコは百害あって一利無しっていうじゃないですか」

「一利くらいはあるさ。俺の気持ちをリラックスさせてくれる」

 

 

肺に満たされる煙は、久しぶりに満たされた気持ちにさせる。

 

 

「馬超に刺された傷はどうなんですか?」

「脇腹を削られたからなぁ……でも不思議と治りが早いんだわ」

 

 

大将が有名な医者を呼び寄せていたから傷の治りが異常な程早かった。確か華佗って名前だったな。やたら叫ぶ謎の医療だったが……

 

 

「へぇ、凄い医者もいたんですね。華琳が呼んだんですか?」

「ああ……少し呼ぶ理由があったんだとよ」

 

 

大将が華佗を呼んだ一番の理由は一刀が倒れたからなんだろうけど、面白いから黙ってよ。そう思いながらも俺は刺された脇腹に手を添えた。

 

 

「あんな風に憎しみを込めて睨まれたのは始めてだったな」

 

 

俺はあの時、俺に槍を突き付ける馬超を思い出す。可愛い娘だったけど……怖かったなぁ……そんで刺された訳だし。

 

 

「やっぱり俺も……戦うべきなんでしょうか?」

「いきなりどーしたよ?」

 

 

俺が考えに集中し始めると一刀が意を決して話し掛けてきた。

 

 

「俺……今回は倒れたままだったし、いつも他の皆に守られてばかりだから……」

「前にも言っただろ。一刀には一刀にしか出来ない仕事があるんだよ。お前が隊長として仕事をしてくれるから俺は普段から色々出来るんだよ。他の誰かと比べて自分は駄目な奴だと嘆くんじゃねーよ」

 

 

一刀は俯いていた。俺は車椅子に乗っていたのでコツンと顎の辺りを叩いてやる。顔を上げた一刀にタバコを加えたまま笑ってみせる。

 

 

「それに大将が一刀を信頼して任せてるんだ。男なら彼女の期待に応えて見せろよ」

「……はいっ!」

 

 

俺が一刀の胸の辺りを裏拳で叩きながら話すと、一刀は先程までの落ち込んだ雰囲気とは違って明るい表情になった。うん、これならもう大丈夫だろう。

然り気無く大将を『彼女』と呼んでみて否定しなかった辺り、やっぱ大将と一刀は良い雰囲気になってるとみるべきだな。面白くなりそうだ。

 

俺がそんなことを思っていると何故か桂花が走ってきた。息切れをしながら外壁を走ってくるなんて何があった?手には何枚かの紙が握られてるし。








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