真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第百七十五話

 

呉へと遠征が決まり、行軍を開始した。目指すは呉の建業。

 

 

「ま、すんなりとは行けないよな」

「アンタ……よく、そんな態度とってられるわね」

 

 

俺が馬車の荷台でゴロゴロと寝ていたら桂花に睨まれた。

 

 

「純一さん運搬用の荷台に医療セット。更に開発した武器一覧。本当に全部、純一さんの為に揃えられましたね」

「設備が整うのは良いこった」

「寧ろ、その状況を嘆きなさいよ」

 

 

苦笑いの一刀に待遇自慢をしたら桂花の鋭いツッコミが入る。

 

 

「自爆から治療までが一括りですからね……」

「それほど凄まじい経験をしてるって事さ」

「どっちかちゅーたら、副長は予想不可能なだけやで」

 

 

斗詩の発言に格好つけたら真桜の呆れた様な一言が。失礼な。

そもそも漫画やアニメみたいに速攻で技を修得なんか無理っぽいんだよな。皆、俺が不甲斐ないからみたいな評価だけど難しいんだよ。見るのとやるのじゃこんなにも差が出るとは思わなかったけど。

 

 

「今回もなんか新技とか武器とか考えてるんですか?」

「孫策とかが相手だからな。決死の覚悟でファイナルエクスプロージョンを放つ」

「確実に自爆一択ですよね、それ」

 

 

技を即座に察するとはやるな一刀。

 

 

「アンタね……」

「や、自爆は流石に冗談だから」

「副長の場合は洒落になってへんわ」

 

 

桂花にジト目で睨まれ真桜には笑われた。ま、今回は無茶は出来ねーから。

 

 

「ま……今回はなんちゃってシルバースキンは殆ど使えないから遠巻きにかめはめ波を撃つのが主流になるな」

「え、なんでシルバースキンが使えないんですか?」

 

 

おいおい、一刀。俺に死ねと言うのか?

 

 

「船の上でなんちゃってシルバースキンを使って、万が一にも船から落ちてみろ。泳げずに沈んでいくぞ」

「あー……そうでした」

 

 

俺のなんちゃってシルバースキンは本来の物と違って重量が半端ない。そんな物を着ている状態で海や河に落ちるとか自殺行為にしかならん。

 

 

「こんな時に舞空術が使えたらと本気で思うよ」

「報告で聞きましたけど純一さんなら桃白々式の移動方法で空が飛べるんじゃ……」

 

 

いや、あの時の丸太で空を飛んだのは熊のアシストがあったからで一人じゃできねーよ……まさかとは思うが、あの熊現れないよな?

 

 

「そう言えば華雄は?」

「さっきまで大河が宥めてたわよ。呉が相手で因縁深いから落ち着かないみたいね」

 

 

先程から姿が見えない華雄だが、相当に気合いが入ってるらしい。先代の孫堅に借りがあって孫策にも因縁がある。今回は華雄にも気を使わなきゃだな。




『ファイナルエクスプロージョン』
ベジータが使用した自爆技。
魔人ブウとの戦いで打つ手無しとなったベジータが己の命と引き換えに、気を大爆発させた技。ブウを完全消滅とまではいかなかったが粉々にする程の威力を見せた。
ドラゴンボール超では、破壊神の力を開放させたトッポに対して使用し、トッポを吹き飛ばすことに成功。ブウ編以降の修行の成果なのかベジータも死ぬ事はなかった。

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