真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第百九十七話

 

 

春蘭からロメロスペシャルを食らってから翌日。漸く、関節の痛みも引いてきた。

 

 

「春蘭の力だと大概の技が必殺技の領域だな」

 

 

肩をグルンと回してストレッチ。なんか妙に体が解れた気がするのは気のせいなのだろうか?

その直後だった。城の一角から激しい爆音と揺れが来た。なんだ、爆発っ!?

俺は爆音のした方へと走り出した。

 

すると直ぐにそこに向かっている一刀と凪を発見。即座に動いた様だな、関心関心。

 

 

「なんだ、今の爆発。どこかの襲撃か純一さんが自爆したのか!?」

「わかりませんが、副長は朝の鍛練の時は普通にしていましたし……方角的には工房の方ですね」

 

 

真っ先に俺を疑う辺り、一刀達が俺をどう思ってるか分かるな。

 

 

「じゃあ……原因を探りに行こうかな隊長殿?」

「あ……じゅ、純一さん……」

「お、お疲れ様です……副長」

 

 

俺が背後から一刀の肩に腕を回すと一刀と凪は気まずそうにしている。そのままの状態で移動する。二人はなんとも言えない顔をしているが自業自得だ。

そして工房に到着すると……まあ、酷い状態だった。何か作りかけの物や工具が散乱し、破壊された炉から煙が吹き上がっている。

 

 

「酷い有り様だな……」

「けふっ……けふっ……」

 

 

その様子を見た凪が呆れた様子で呟くと、爆発の中心付近から真桜が咳き込みながら出て来た。

 

 

「……やっぱりお前か、真桜」

「最初は俺を疑っていたがな」

 

 

一刀の発言に俺はツッコミを入れる。一刀はサッと視線を反らした。

 

 

「べ、別に好きで爆発させた訳やないで……副長じゃあるまいし」

「俺だって好きで自爆してんじゃねーよ。ったく、煤だらけじゃないか」

 

 

俺は煤だらけになっていた真桜の顔をタオルで拭いてやる。まったく……

 

 

「なぁなぁ、副長……ここも煤で汚れてもーたわ」

 

 

そう言って真桜は一刀には見えないように、俺にだけ見えるようにビキニの紐をズラした。チラリと見えるツインボムに視線が釘付けになってしまう。

 

 

「よーし、わかった。拭いてやる」

「わ、ちょっ!?副長、冗談やから!」

 

 

俺が手拭いを近づけると真桜はパッとビキニの紐を直して俺から後退り。ちっ、あと少しだったのに。

 

 

「最近、純一さんも遠慮がなくなってきましたね」

「お前達もな。真っ先に俺を疑ってただろ」

 

 

一刀の言葉に俺は反論しながら真桜にタオルを渡した。後は自分でやんなさい。

 

 

「何があった!劉備の襲撃か!?それとも秋月の自爆か!」

 

 

そんな中、春蘭と秋蘭が騒ぎを聞き付けて走ってきた。どいつもこいつも俺を疑いやがって。

 

 

「違うよ。真桜がなんか失敗したみたい」

「……そうか。怪我はないか?」

「うぅ……心配してくれるのは秋蘭様だけや。他のモンは部屋がメチャクチャになったのばっか心配して、ウチの心配なんか全然してくれへんし……副長には襲われそうになるし」

 

 

一刀が状況説明をすると真桜の心配をした秋蘭。流石に優しいと思ったら真桜が濡れ衣を俺に浴びせてきた。誘ったのはお前だろうに。

 

 

「部屋の事ならお主の給金から引いておくから、特に心配をする事はないが……秋月の事は求められて嫌だったのか?」

「いや……そな……嫌っちゅー訳やないんやけど……」

 

 

秋蘭の言葉にモジモジとし始める真桜。

 

 

「それに、この状況で秋月の方から手を出すとは考えにくい。大方、お主の方から悪戯をしたのだろう?」

「う……お見通しかいな」

 

 

秋蘭の言葉に泣きそうになった。信じてもらえるって嬉しいね。

 

 

「それに本当に襲われていたら桂花や詠の様に顔を赤くして上の空になっているだろうしな」

「秋蘭、それ以上はいけない」

 

 

その個人情報の取り扱いに注意だ。後で怒られるから、主に俺が。

 

 

 

「しかし、何故爆発など起こしたのだ?」

「ああ、霞姉さんから偃月刀の強化を頼まれたんや。前に随分、強化したんやけど決戦前に打ち直して欲しいてな。ほんでいざ作業をしようと炉を温めたら……」

「爆発したと……」

 

 

春蘭の疑問に真桜が答える。なるほど、開発の途中経過だったか。

 

 

「だったら何故爆発したんだ?今までも似た作業はしていたんだろ?」

「そりゃ炉の違いや。城の炉と此所の炉じゃ性能に雲泥の差やで」

「そう言えば城の炉って華琳が開発に力を注いでたっけ。純一さんも確か、開発に一枚噛んでるって聞きましたけど」

 

 

凪の疑問に真桜が答え一刀が納得した。確かに炉の開発にも俺は関わってる。なんせ話は五右衛門風呂を作成した頃まで遡るんだからな。

 

 

「霞の偃月刀の強化か……私のも頼みたいくらいだ」

「ええですよ。意匠やら寸法は前に調べてるんで」

 

 

いつの間に調べたと言いたいけど、発明に関しては好奇心の塊の真桜なら、ある意味当然か。

 

 

「なら俺のシルバースキンも頼めるか?」

「副長のシルバースキンも春蘭様の剣も城の炉が使えりゃ直ぐにでも作れるんやけどなぁ」

「なら、帰れば良い」

 

 

俺が破損してしまった、なんちゃってシルバースキンの修理も頼もうかと思ったのだが結局、城の炉が使えないと無理との事だった。秋蘭から助け船の様な一言が。

 

 

「ええのっ!?」

「本日の昼頃から華琳様が国元に戻られる。護衛という形で同行すれば問題無いはずだ」

「そういや、今朝の会議で大将が一刀を呼び止めてたっけ」

「いや、時間を空けておけと言われたけど国に戻る話だったは思わなかったんで」

 

 

思い出すのは今朝の会議での事。会議が終わると大将は一刀を呼び止めた。俺はてっきり大将が一刀に逢い引きの話でもしてるのかと思ったが違ったらしい。

 

 

「ああ、その事で秋月にも伝言だ。国元に戻る際に同行せよとの事だ。街の警備や市場の景気を見て報告せよとの事だぞ」

「ありゃ、俺も行くのか。まあ、街の状態も気になってたから丁度良いけど」

 

 

更に秋蘭から俺も同行する話が来た。取り敢えず街の状態を確認したら服屋と武器屋に顔を出すか。頼んどいたのが出来てるかもだし。



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