真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第二百二話

 

熊と遭遇してから数日。俺は季衣達の村で世話になっていた。両腕が極度の筋肉痛になっているので、何も出来ず流琉に料理を教えたり、大河に修行の指導をしたり、ねねと碁を打ったりと概ね平和に過ごしていた。

 

 

「大河、お前は既に魔閃光を習得してるんだから他の技も使える筈なんだ。故に次の技を教える」

「押忍!お願いします!」

 

 

そんな訳で今日も大河と修行である。魔閃光を既に放てるのだから俺は大河に次の技を教えていた。

 

 

「いいか、掌をこう重ねて体を捻って……」

 

 

俺が身ぶり手振りで技の型を教える。大河も割りと天才肌だからアッサリと習得しそうな気もするが。

 

 

「この技は魔閃光よりも気の消費が激しい。俺のかめはめ波に近い技だからな」

「師匠のかめはめ波に近い……自分、頑張るッス!」

 

 

大河は俺の説明を聞き終えると、気合いが入ったのか教えた技の型を反復練習してる。真桜達もこんくらい素直に仕事に臨んでくれたらと本当に思う。

次の日。未完成ながらにも教えた技を放った大河を見て、俺の気の習得期間と照らし合わせて才能の差に泣きそうになった。

 

 

そこから更に数日。大将が本隊を引き連れて戻ってきた。いよいよ蜀に攻め入るのが決まって俺、季衣、流琉、大河、ねねの回収に来たのだろう。包帯が巻かれた俺の腕を見て、ほぼ全員が『やっぱりね』と溜め息を吐いた。解せぬ。

 

 

「まったく……やっぱり怪我してるんだから!」

「ご期待に添えたかな……って痛い!」

 

 

俺の怪我を予想していた桂花に怒られ、ボケたら華雄から拳骨を落とされた。

 

 

「心配したのだぞ。予想通りな結果にしおって」

「ああ、悪かった」

 

 

拳骨を落とした頭をそのまま撫でてくる華雄。なんやかんやで優しいんだよね。

 

 

「もう、今回は何をしたんですか?」

「ちっと無理をしすぎただけだよ。痛みも引いてきてるから包帯ももう取れるよ」

 

 

包帯が巻かれた俺の腕を取って心配そうにしている斗詩。ごめんなさい。本当はちっとの無理じゃなかったんです。それくらいしないと確実に熊にやられてたんです。

 

 

「ふくちょー、なんちゃってシルバースキン直ったで。褒めて褒めて!」

「ありがとな、真桜。後で試着してみるよ」

 

 

なんちゃってシルバースキンを見せびらかしながら俺に詰め寄る真桜は目がキラキラと輝いていた。後でたっぷり褒めてやろう。

 

 

「と言うか何をしたら、そうなったんですか?」

「そうね。あれだけ釘を刺しといたのに、その状態なのだもの。説明なさい」

 

 

一刀と大将が俺に疑問を投げ掛ける。うん、言い逃れできそうにないな。

俺は掻い摘んで説明した。季衣の村で世話になると決めた日に、近隣に熊が出没すると騒ぎになっていた事。季衣達が熊を狩りに行ったら、その熊は今まで俺が戦っていた三日月模様の熊だという事が判明した事。季衣達を助けるために戦い、三日月模様の熊はなんとか撃退したが腕に負荷が掛かって重傷になった事。両腕が使えなくなったので数日、ねねに世話をしてもらった事。

 

 

その説明を聞いた大将達は納得してくれた。特に凪や秋蘭はその目で三日月模様の熊の強さを知っているから尚の事だ。

 

 

「まあ、正直俺も無茶はしたと思ったよ?でも引くに引けなかったからさ」

「純一さんの場合無茶がデフォルトなんですけど」

 

 

因みに季衣達は助けてもらったからなのか大将に俺は悪くないと言ってくれていた。年下に……いや、子供にフォローされると嬉しさよりも悲しさが勝るね。

 

 

「俺もそろそろパワーアップしたいな。その時、不思議な事が起こった的な感じで」

「そんなお手軽パワーアップは平成の世じゃ通じませんよ」

 

 

一刀のツッコミも尤もだが俺としては本格的にパワーアップしたいのよ。取り敢えず真桜に作り直してもらった、なんちゃってシルバースキンに袖を通しますかね。

 

 

 

 





『その時、不思議な事が起こった』
仮面ライダーBLACK.RXが危機に陥った際に、このナレーションと共に奇跡の逆転劇や説明のつかない理不尽な勝利をもぎ取る事を示す。
例1 仮面ライダーBLACKの変身装置を破壊されても不思議な奇跡で仮面ライダーBLACK.RXへ進化を遂げる。
例2 恩人の娘を目の前で死なせて深い悲しみを与えたらロボライダーにパワーアップ。
例3 ロボライダーでも脱出できない罠に放り込んだら怒りでバイオライダーにパワーアップ。


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