真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第二百八十八話

 

 

龐統から真名を許されたので今後は雛里と呼ぶ事になった。その雛里だが現在は魏の軍師としての役割もあるので気の才能を調べるのは後日執り行う事に。まあ、俺の体が治ってないので調べようもないのだが。

 

 

「秋月さんも揉め事によく巻き込まれますね」

「それがこの世界での俺の役割な気がしてきたよ。しかも今回は色々と重なりすぎだ」

 

 

本日のお目付役の斗詩から呆れた様な一言を貰いながら俺は茶を啜っていた。自分で言っておきながらトラブルまみれな日々だよな。帰ってから早々に恋と戦い、大河と戦い、甘寧と周泰との隠密訓練、孫堅との戦い、卑弥呼と貂蟬に襲われそうになった。全ての戦いで気が枯渇するレベルでの戦いである。

 

 

「卑弥呼さんと貂蟬さんは一応、華佗さんに頼まれていたみたいですけど」

「あの二人に迫られた段階で俺の警戒心が上限振り抜かれたよ」

 

 

あの二人は華佗に頼まれて俺の体の診察をする為の下準備で迫ったらしい。出来れば人選のチョイスは慎重にして欲しかった……無駄に怪我が増えたっての。

 

 

「兎に角……大人しくしていてくださいね?以前もそうでしたけど心配ばかりかけさせるんですから」

「そうだな……その辺りは本当に申し訳ないと思ってるよ」

 

 

斗詩が腰掛けていた俺の部屋の寝台に俺も寝転ぶ。すると斗詩は俺の頭を持ち上げると膝枕をしてくれた。

 

 

「本当に……心配しました。秋月さんが居なくなった時みたいに……また私達は……」

 

 

そう言って斗詩は俺の髪を撫でる。ほんと、俺は周りに心配ばかりさせてるな。

 

 

「行かないよ……俺はもう何処にも行かない。心配ばかりかけてるけど前みたいにいきなり消えたりはしないからさ」

「そうですね、桂花ちゃんには別れを告げたのに私達には何もありませんでしたしね」

 

 

一緒にいる宣言はしたのだが斗詩からはツンとした態度と厳し目な一言が飛んできた。確かに桂花にばかりかまけていたから拗ねられても文句は言えん。

 

 

「あの時は急だったからなぁ……俺だって帰りたくなかったよ」

「きゃっ!?秋月さん!?」

 

 

斗詩の太ももに顔を埋めながら腰に手を回す。斗詩からは可愛い悲鳴が聞こえた。

 

 

「そんで、桂花ばかりにかまけていた事も反省はしてるのよ。ですので積極的にしてみようかと思いまして」

「ちょっ……やん!」

 

 

顔を薄めていた顔を上げながら斗詩を抱き寄せながら一緒に寝台に寝る。更に斗詩の服に手を伸ばしながら手を服の下に滑り込ませる。あー、ヤベェ肌の柔らかさが天元突破してる。

 

 

「あ、秋月さん!?」

「斗詩は俺とこういう事するのは……嫌か?」

 

 

動転してる斗詩の耳元で囁く様に言うと斗詩の抵抗する力は徐々に弱くなる。

 

 

「斗詩」

「あ、秋月さ……」

「純一?ちょっと話があるんだけ……」

「姉様、見知った相手だからと勝手に部屋の戸を開けて、は……」

「なっ……」

 

 

斗詩にキスをしようとする。斗詩もそれを受け入れて体を俺に預けようとした直後に俺の部屋の扉が開いて雪蓮、孫権、甘寧が部屋の扉を開けたままフリーズした。

まるでタイムストッパーにかけられた様に、その場の全員の動きがピタッと止まる。しかし、俺は知っている……いや、既に経験した事だ。俺は即座に耳を塞ぎ次の事態を待つ事にした。

 

 

「「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」

「貴様、昼間から何をしている!?」

「あ、あらあらー」

 

 

斗詩と孫権の悲鳴が鳴り響き、顔を真っ赤にしている甘寧が武器を構え、雪蓮が面白い物を見た様なリアクションをしたが顔は真っ赤になっていた。そして悲鳴を聞きつけてバタバタと俺の部屋に向かって走ってくる足音が複数。これは血を見るなぁ……流れるのは主に俺の血なのだろうが。

 

 

 





『タイムストッパー』
ロックマンシリーズのボス『フラッシュマン』が所持する武器で使用すると画面内の雑魚敵や一部のボスの動きを完全に止める事が出来る。

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