真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第二十九話

 

 

 

意識は取り戻したが仕事に戻れない。なんせ、あれから二日は過ぎたが未だに寝台で寝ているのだ。

と言うのも起き上がろうものなら一刀を筆頭に真桜、凪、沙和が「無茶はいけない」と止めに来るのだ。

春蘭や季衣は多少の運動は必要だとフル装備で鍛練に誘ってくるが秋蘭や栄華に止められていた。正直助かりました。

 

華侖や香風は暇を見つけては会いに来てくれる。まあ、オヤツの時間が主なのだが。

大将は来る時間がいつもバラバラだ。なんやかんやと見舞いに来てくれるのは嬉しいが、いい加減自由が欲しい。あ、駄目ですかそうですか。

因みにだが暇潰しにと囲碁や将棋をしたのだが完膚なきまでに叩き潰されました。勝てるとは思っちゃいなかったが泣きたくなった。

 

あれから荀彧は一度も来てない。なんとなく荀彧の最後の顔が気になってはいるのだが部屋から出るのも禁止されてるのでは荀彧に会うなど到底無理だった。

 

 

そして次の日、俺は自由を得た!

既に歩ける位にまで回復したのだからお願いしますと大将に頼み込んだらOKを貰った。ただし完全回復まで新技開発禁止と天の国の物を作る事の二つを命じられた。しかし……新技開発は兎も角、天の国の物を作る方は既に目処が立っている。

と言うのも数日寝たきりだった俺は「車椅子があればなぁ」と何度となく思っていたのだ。そして大将から天の国の物を作れと言われればコレしかあるまい。

車椅子を作れれば医療関係の話にもなる。前回の五右衛門風呂同様に即座に設計図を書き始めた。

 

以前、テレビで見たのだが車椅子の歴史はかなり古くなんと最初の車椅子の資料が出てくるのは紀元前五百年のギリシャだ。まあ、当時は車椅子ではなく車輪の着いたベッドで最初は車椅子ではなく、移動式ベッドとして作られていたらしい。

その後に出てくる最古の車椅子の使用者はなんと諸葛亮孔明なのだ。つまりはこの時代発祥の物と言える…………今思ったけどコレ出しても大丈夫なのだろうか?五右衛門風呂は兎も角、これから孔明が作り出そうとしている物を先んじて出してしまう。

なんか歴史を大幅に変えてしまいそうな気が……とは言っても有名武将の殆どが女性の段階で歴史は狂ってる気がするが。

それは頭の片隅に追いやるとして……用途を絞り、大まかな説明と設計図を書いた物を真桜に渡しておいた。これで数日後には車椅子も出来るだろう。

 

仕事を終えた俺は城壁の上へと来ていた。風が気持ちいいし、見張らしもよい。ここで煙草を吸うのは俺のお気に入りだ。

ここ暫く、煙管ばかり吸ってたから久しぶりにマルボロ吸うか。

 

 

「ん……荀彧?」

「………」

 

 

俺が煙草を口に咥えると荀彧が来た。俺はそれに構わずに火を灯したのだが荀彧は珍しく嫌がらなかった。

 

 

「…………煙草、嫌いなんじゃなかったっけ?」

「嫌いよ。それを吸うアンタもね」

 

 

今日も荀彧は切れ味抜群だった。この間の表情は俺の見間違いか?暫し無言が続いたが荀彧が口を開いた。

 

 

「今日……北郷と凪が黄巾の連絡網を捕らえたわ。紙にこれから黄巾党が集まる場所や時間が指定されていたわ」

「マジか」

 

 

荀彧の言葉に驚かされた。つまり黄巾党の根城の場所が判明したって事だろ。一刀に凪よ大功績じゃねーか。

 

 

「近日中に魏は黄巾党に総攻撃を仕掛けるわ。ただし……」

「ただし……?」

 

 

荀彧はハァと溜め息を吐くと俺を指差した。

 

 

「華琳様からはアンタを戦場に出すなと言われたわ」

「うわーい。ここにきて仲間はずれ?やっぱ理由は俺が倒れたからか?」

 

 

なんとなく……予想はしていた事態が来た。一刀は前戦には出ないしどちらかと言えば軍師タイプだ。対して俺はどちらかと言えば直接戦うタイプ。そんな俺が気が枯渇してマトモに戦えないなら当然の結果だな。

 

 

「それもあるけど今回は華侖と香風も連れていくそうよ。普段は守りにしている子だけど今回は戦場に行くのよ。つまり華琳様はアンタにこの街の守護を命じたのよ」

「なるほど……今回はお留守番って事ね」

 

 

これで漸く話が繋がった。俺の体が治っても新技開発させなかったのは俺が駄目になると本来連れていく予定だった華侖達を残さざるを得ない。ならば俺の行動を禁止して守り役に徹しさせる為って訳か。

一刀は天の御遣いとしての役割もあるから連れていくだろうし……となれば俺が残るべきか。

 

 

「華琳様からの命なんだからしっかりしなさいよ。じゃあね」

「はーいはいっと。そっちも気を付けてな」

 

 

俺が考え事をしていると荀彧はさっさっと行ってしまう。やっぱ煙草の臭いは嫌ですか。俺は荀彧の背を見送りながらこの後の事を思う。

 

 

「これで黄巾が終わるとしたら……次は董卓か」

 

 

次に起こるであろう動乱に、俺はボンヤリと空に消えていく紫煙を見つめていた。

 

そして大将達が出陣して黄巾党は壊滅した。他の勢力も居たらしく劉備や孫策も居たのだろう。どんな人達だったのか気になるなぁ。

因みに俺はと言えばわりかし暇だった。他国が攻めてくるという事態はなく、盗人が出てそれを捕まえる程度のものだ。

仮に他国が攻めてくる事態になったら俺はまた自爆技でもして戦わなきゃか?そうなったらウルトラファイティングボンバーで……止めた。鳩尾に一発良いのを貰って昏倒する未来しか見えなかった……

まあ、ともあれ……黄巾党が無くなって、これでめでたしめでたしかと思っていたのだが。

 

 

「天和でーす」

「地和よ」

「人和です」 

「純一さん、この子等をアイドルにするように華琳に頼まれたんで俺がマネージャーするからプロデューサーをお願いします」

 

 

一刀がやたらと可愛い女の子三人を連れてきた。いやアイドルってどうしろと……って言うか黄巾党滅ぼしに行ってたんじゃなかったのか?色々と説明プリーズ。




『ウルトラファイティングボンバー』

ドラゴンボールZ、リクームの必殺技。全身にエネルギーを溜め、周囲に強大な爆発を起こす……らしいのだが技名を叫んでる途中で悟空の一撃を食らい技は不発に終わった。







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