真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
<< 前の話 次の話 >>

33 / 202
第三十三話

 

 

 

◆◇とある兵士◆◇

 

 

私は最近、入隊したばかりの新兵だ。魏の兵士となった者はまず最初に北郷警備隊と言う街の警備部隊に入るのが決まりらしい。

 

配属されるのは楽進、李典、于禁のそれぞれが預かる小隊に配備され、街の見回りや三将の指導の下で隊列や武術の指南を受ける。

ここまでは良いのだが楽進小隊長達の上司に当たる方々が……なんとも不思議な方々だった。

それは大陸中の噂となり、曹操様の陣営に舞い降りた『天の御遣い』様だ。彼の名は『北郷一刀』と言い、真名は無いそうだ。警備隊の間では彼の総称を『隊長』と呼んでいる。

武力はないが人当たりが良く、警邏に出れば街の者は皆、隊長と話したがる。彼は自身の存在を鼻に掛ける事なく、自然体であるが故に民からも慕われている。

更に曹操様に召し抱えられている為に夏侯姉妹等の魏の重鎮にも変わらぬ態度を取っている。彼は大物とも言えるがうつけとも言える。それでいて隊長は曹操様や夏侯姉妹に気に入られて……その男女の関係に近いと聞く。その快挙を称えて皆は口々に『魏の種馬』と呼んでいたりする。

 

更にわからないのが警備隊の副長である『秋月純一』だ。

彼は隊長と同郷らしく隊長と親しい。更に軍師の荀彧様の家で兵法を学び、気を扱う強者らしい。

彼もまた気さくで柔軟な思考の持ち主らしく隊長と同様に街に出ると良く民と話をしていた。その事を副長に訪ねたら『人の話を聞くのが街の様子を知る事にもなる。見るだけじゃ伝わらない物もあるのさ』と言っていた。この人は隊長と同じなのだと深く思った。

更にこの人は天の国の物を次々と作り出している。と言うのも副長が創案を出し、李典小隊長が一部の兵を伴って作り上げる。その一部の兵もカラクリ好きな者を集めて作った『北郷警備隊カラクリ同好会』と言うらしく、なんと国から予算が出ているそうだ。

この予算を『魏の金庫番』と恐れられている曹洪様から取ってきたのだと言うから警備隊の隊員は副長の偉業を奇跡と話していた。

余談だが曹洪様からの交換条件で于禁小隊長と提携して天の国の服の作り上げる『北郷警備隊お洒落同好会』をも立ち上げた。これには曹操様も一枚噛んでいるらしく、考えた案を街の服屋に委託しているそうだ。

この間、作った試作を一緒に見せて貰ったのだが……確か『冥土服』とか言っていた。名前の割りには可愛い服だった。

 

 

そして何よりも皆が副長を凄いと思ったのは男だと言うだけで罵倒を浴びせる様な荀彧様が副長の前だと少々、様子が変わる。李典小隊長もいつもは明るい方なのだが副長と一緒に居る時は年相応の少女の顔だ。

魏の重鎮を落としていく隊長と副長に我々は『魏の種馬兄弟』と呼んでいた。隊長が弟で副長が兄らしいが。

 

 

さて長々と考えてしまったが、そろそろ警邏に……

 

 

 

「いくぞ!超級覇王電え……って痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「じゅ、純兄ーっ!?」

 

 

また、副長が新技開発で何かをしてしまったらしい。曹仁様の悲鳴も聞こえたが、一緒に居たのだろう。

私は近くに居た同僚と少し笑うと声が聞こえた鍛練場の方へと走り出したのだった。




『超級覇王電影弾』

Gガンダムで東方不敗が使用した技。
荒ぶる鷹のポーズのような構えをとった後、頭から体当たりを仕掛ける。 頭部以外の部分が、渦巻状の光弾に包まれていて敵陣に突撃した後に『爆発っ!』の掛け声と共に100体近いMSを一瞬で破壊し尽くした。







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。