真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第四十話

 

 

 

荀彧に睨まれながらも陣営設置完了。他の陣営も気になるがサボると荀彧が怒るから抜け出さないが今、この場には三国志の英雄が勢揃いしてる様な状況なのだ。

劉備、孫策、袁紹、袁術、公孫瓚……他にもまだまだ居るんだろうけど。

後、気になってたのは今のところ、有名武将は皆女性だから全員が女性なのでは?と考えていた。

荀彧に初めて会った時にも聞いたが有名武将は皆女性と言っていたから間違ってはいないのだろう。

あれ、それでいくと董卓も女性なのだろうか?調べてもらったけど董卓の容姿の情報ってあまり無かったんだよな。

それに写真も無い時代だ。容姿等も人づてで聞くしかない訳で天和……張角の時もあり得ない絵姿が伝わってたし。

 

まあ、都に行けば全部分かるよな。つーか、これから汜水関を攻めに行くんだよな……呂布とか出てきたら最悪やん。

とまあ悩んでいたのだがそんな間にも事態は進む訳で俺達の目の前には汜水関が聳え立っていた。

 

 

「アレが汜水関……」

「デケーな。今からアレを落とせってか」

 

 

巨大な砦を一刀と俺は見ていた。簡単に落とせと言われて落ちるもんでもなかろうに袁紹も無理を言う。そもそも作戦が『優雅に華麗に前進』って。ドラクエのコマンド並みに簡単な指示だろ。そんな事言われたら仲間も混乱するわ。セルフメダパニか。

 

 

「始まりましたね。でも……本当に見ているだけでいいのでしょうか?」

「いいんだってさ。指示あるまで戦闘態勢のまま待機って、華琳の命令だしな」

「まあ、今んところはこっちが有利みたいやし、大丈夫やろな……」

 

 

心配そうな凪に大将の指示待ちな一刀。真桜も一応は事態を見ている。

俺は先鋒として前に出ている劉備と孫策を見ていた。遠目だからしっかりとは見えないがフォルムや髪の長さからいって、やはり女性みたいだ。

煙管の煙をプカプカと空に漂わせて汜水関を見ていたのだが此処まで届く怒号が聞こえてきた。

 

「聞けぃ!董卓軍の将兵達よ!わが名は関雲長!大徳、劉備様が一の刃である!其方の将は関に篭りきりでよほど武に自信がないと見えるな!!違うというのであれば出て来い!!この青龍堰月刀の錆にしてくれるわ!」

 

 

遠くてよく見えんが黒髪のポニーテールが見えた。あれが関羽か?

 

 

「なんか汜水関が騒がしくなったのー」

「恐らく華雄が挑発に乗って打って出ようとしているのを仲間が止めている……と言う所だろう」

 

 

沙和の呟きに凪が答えた。なるほど武人の誇りがあるからこそ、あの挑発に乗ってしまったって所か。でも出てきてない辺り、なんとか抑えられてるんだろう。

 

 

「汜水関守将、華雄に告げる!我が母、孫堅に破られた貴様が、再び我らの前に立ちはだかってくれるとは有り難し!その頸を貰うにいかほどの難儀があろう?無いな。稲を刈るぐらいに容易いことだろう!どうした華雄。反論は無いのか?それとも江東の虎、孫堅に破られたことがよほど怖かったのか?それほどの臆病者、戦場に居て何になる?さっさと尻尾を巻いて逃げるが良い……ではさらばだ、負け犬華雄殿!」

 

 

今度は孫策と思わしき桃色の髪をした女性が汜水関に向かって叫んでいる。なるほど過去に因縁があった相手なのか。三国志のいつ頃の話か分からんからコメントしづらいが、やはり効く挑発なのだろう。

汜水関の上から華雄と思わしき声が聞こえる。それに加えて華雄を止めようとする仲間の声も。

その後も武人の誇りやなんやと関羽や周囲に居た武将が叫ぶが汜水関は開かない。なんとも我慢強い人たちだ。ふむ……だったら……

 

 

 

「と言う訳で汜水関まで行ってこようと思うんだが」

「何が『と言う訳』なのよ」

 

 

大将に話を持っていったら荀彧に睨まれた。だって、あのままじゃ汜水関、落とせそうにないし。

 

 

「なら純一、貴方なら開けられるとでも?」

「確証はないけど……天の国の武将がやった事を試してみたいと思って……どうでしょう?」

 

 

大将の質問に『天の国』のフレーズを交えて話す。これなら乗ってくれるか?

 

 

「………いいでしょう、試してきなさい。ただし無事に帰ってくる事と彼処には他の陣営も居るのだから粗相の無い様にね」

「りょーかい。さて、準備準備。流琉、ちょっと手伝って」

 

 

大将の許可も得たし早速行こう。押して駄目なら引いてみろ。引いて駄目なら押してみろってね。

流琉に準備を手伝ってもらった俺は少々思い荷物を背負って汜水関に向かっていた。因みに大将からは軍を動かす訳にはいかないから行くなら一人で行きなさいと言われた為に一人で向かっている。

真桜や華侖等の一部の人間は一緒に行くと言ってくれたが俺が大将に無理を言ったのだ、その責任を背負わせる訳にはいかん。

さて汜水関の前まで来たが未だに動きはない。武将の挑発と汜水関から聞こえる女性の怒りの声ばかりが響いていた。

 

 

「こりゃー……長引きそうだな」

「そうね。それで貴方は何者?」

 

 

俺の一人言に返事が返ってきた。振り返れば桃色の髪をした女性が俺の後ろに立っていた。この人が孫策……ヤバい超美人だよ。

 

 

「あ……と。俺は許昌の警備隊副長、秋月純一。手伝える事があればと陣営から抜け出してきました」

「ふーん……許昌は曹操の所よね?汜水関の動きがない事に関しての視察と牽制。後は他の陣営の観察……って所かしら?」

 

 

おおぅ……アッサリと見抜かれた。まあ、観察っても俺の個人的な興味によるものなんだが、なんで分かったんですか……あ、勘ですか。やっぱ凄ぇよ英雄。此方の予想を遥かに越えた答えが返ってきた。

 

 

「まあ、手伝ってくれるのは助かるわね。あの通り、華雄にしては我慢強く堪えてるから」

「はぁ……まあ俺も確証はないんですけどね」

 

 

なんか孫策さんの目が俺が何をするのか楽しみって視線になってる。さて、どうするか。

 

 

「なんかこう……簡単に出てこさせる方法って無い?」

「うーん……さっきみたいに挑発するのもいいけど……例えば相手より自分が勝ってる部分を思いっきり馬鹿にするとか?」

 

 

準備を始めた俺に話しかける孫策さん。俺は準備を進めつつも答えた。口喧嘩とかだとそれが一番効くからね。

 

 

「そっか……なら……」

 

 

孫策さんは少し前に出るとスゥと息を吸った。何を叫ぶ気なんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「華雄のひーんにゅうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」

 

 

 

ひーんにゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……

 

 

んにゅうぅぅぅぅぅぅぅぅ……

 

 

にゅうぅぅぅぅぅぅぅぅ……

 

 

うぅぅぅぅぅぅぅぅ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場が静かになった。時が止まったかと思う程に静かだ。孫策さんの叫びだけが山彦みたいに響く。

だが次の瞬間。

 

 

 

「ああああああぁぁぁぁぁぁっ!殺す、アイツだけは絶対に殺す!!」

「落ち着いてください華雄将軍!?」

「おい、縄かなんか持ってこい!将軍が限界だ!」

 

 

 

なんか思った以上に効果が出た。汜水関から華雄の声が聞こえる。多分、部下の声かな……必死に華雄を引き留めてる感じだ。

汜水関は開かなかったが孫策さんは爆笑してる。

いや、つーか孫策さん?俺この後、自分の陣営に戻るの怖いんですけど。

魏の陣営に視線移したら、なんかヤバいオーラ出てるし。主に大将と荀彧だな、あのオーラの発信源は。『貧乳』のフレーズに反応しそうなの、あの二人だし。

はぁ……陣営に戻ったら味方に殺されるかも俺……








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