真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第四十二話

 

 

あー……やべぇ……どうしよう?

皆様、三国志の武将を前にやるべきコマンドを教えてください。

 

 

▶『たたかう』

  『どうぐ』

  『はなす』

  『にげる』

 

 

どれを選んでもアカン気がする。つーか、このオッサンも見逃す気無しって目をしてるし。

少なくとも俺の実力で敵う相手じゃないのは確かだ。だったら不意を突いて逃げるしかない。そう思った俺は即座に行動に出る事にした。指先に気を集中して……

 

 

「どどんっ!」

「むっ!?」

 

 

俺の放った『どどん波』に驚いた様子の胡軫。顔を狙ったので避ける筈。その隙に逃げ……あれ?なんか避ける仕草しないんだけど……それどころか息を吸って……ってまさか!?

 

 

「かぁっ!!」

「嘘っ!?」

 

 

信じられない事に胡軫は俺のどどん波を気合いでかき消した。マジかよ……そりゃ世界最高の殺し屋も狼狽えるわ、こんなん見たら。

 

 

「ほほぅ……気の使い手とは珍しい。だが、まだ不馴れの様だな」

 

 

いや、今の一撃で察しすぎだろ。だが多少は警戒してるのか距離を開けたままなのは嬉しい。ヒュンヒュンと棍を振り回す様は正に三国志の武将だ。正直怖いが今、背を見せたら確実に襲われる。

 

 

「逃げんのか?まあ、逃がす気もないがな」

「どんだけ、やる気なんだよ……ったく」

 

 

逃げられないと悟った俺は胡軫を正面に見据えると構えた。

 

 

「……屁のツッパリはいらんのですよ」

「ほう、言葉の意味はわからんが大した自信だな」

 

 

この人、俺や一刀と同じで現代から来たんじゃなかろうな?さっきから返しが上手いんだけど偶然?

 

 

「この胡軫の一撃に耐えられるかなっ!」

「げ、速っ!?」

 

 

振り回していた棍の勢いをそのままに俺に突進してくる胡軫。どうする回避?いや、絶対に間に合わない!

 

 

「かあっ!!」

「硬度10ダイヤモンドパ……グウッ!?」

 

 

避けられないと思った俺は体に気を通して身体強化でガードした。上手い事、左腕でガード出来たけど超痛い……痛くて吐きそうになってきた。これ腕、折れてんじゃね……

 

 

「ほう……よくぞ防いだな。だが、二度目があると思うなよ?」

「二度も……食らいたく……ねーよ……」

 

 

左腕を押さえながらなんとか立ち上がるけど痛すぎる。胡軫は胡軫で楽しそうにしてやがるし。

さて、どうする?逃げられないのは今の一撃で良く判ったし……かと言って戦って勝てる相手じゃない。左腕……超痛いけどギリ動かせる……気を通してるから痛みが和らげてるのか?

 

 

「他も気になるのでな……貴様への興味は尽きぬがこれで終いよ!」

「……っ!」

 

 

俺の考えが纏まらない内に襲い掛かってくる胡軫。どうせマトモに戦って勝てる相手じゃない……だったら……俺は両腕に気の殆どを回して十字に構えた。

 

 

「いぎっ!?」

「何っ!?」

 

 

俺の頭に向かって真っ直ぐに振り下ろされた胡軫の棍に俺は左腕を盾に距離を詰めた。痛い!超痛い、泣きそうになる……つーか俺馬鹿だなっ!?

一瞬で色んな事を考えたけど相手も驚いてるからチャンスは今しか無いっ!交差していた両腕を左腕を残して外すと右腕を腰元に引き寄せる。後は放つだけ!

 

 

「スペシウムアタックっ!」

「ぬおおっ!?」

 

 

俺は胡軫のボディーに拳を叩き込むと同時に気を一気に解放した。ゼロ距離での一撃に胡軫も効いたのか後退りをして膝を着いた。あ、ヤベ……気を一気に使いすぎた……意識が……

 

 

「秋月っ!」

「秋月殿!?」

 

 

遠くから聞こえる孫策さんや関羽の声を聞きながら俺の意識は遠退くのだった。




『どどん波』
『ドラゴンボール』で鶴仙流の奥義。指先に気を集中させ放つ技。生半可なかめはめ波より威力は上らしい。後にサイボーグ化した桃白々が『超どどん波』を使用したが天津飯の気合いでかき消された。

『硬度10ダイヤモンドパワー』
『キン肉マン』の悪魔将軍の技と言うよりも体質。自身の強度を軟体生物からダイヤモンド並に変化させる。いかなる打撃技も跳ね返し、またあらゆるものを切り裂く。コレを破るにはダイヤモンドパワーを用いるか、それ以上のパワーで砕くしか手はない。

『スペシウムアタック』
『ウルトラマン超闘士激伝』でウルトラマンが開発したスペシウム光線の強化技。スペシウム光線の構えからエネルギーを集中してアタック光線の形で放つ。拳に集約した状態でゼロ距離から放つパターンもあり、此方の方が威力が上。


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