真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
<< 前の話 次の話 >>

44 / 178
第四十四話

目が覚めたら……痛ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?ボケる間もなく左腕に激痛が走った!

 

 

「痛だだだだ……っ……此処は?」

 

 

激痛で却って意識が戻った感じだ。左腕が超痛い……ん、添え木に包帯?それに体の節々も凄い痛い。

えーっと確か……そうだ、汜水関で胡軫と戦って……また気を失ったのか俺は。もう少し防御面を鍛えなきゃかな……それと気の総量も増やさないと。

って此処は馬車の中か?今頃だが俺はどうなったんだ?いかん、頭が働かない……つか、妙にボーっとする。

あ、馬車の入り口に見覚えのある兵士が。

 

 

「あ……曹操様!秋月副長が目を覚まされました!」

「そう、ご苦労様。後は私が話をするわ」

 

 

馬車の外から大将の声が聞こえた。そうか、あの兵士は俺が目を覚ますのを待っていたのか……ん?なんでそんな監視のつく状況に?

 

 

「おはよう、純一。気分はどうかしら?ああ、寝たままで構わないわ」

「左腕が超痛い。後、自分がどうなったかわからないから………気分は微妙かな」

 

 

俺は起き上がろうとしたのだが大将に止められた。汜水関で戦ってた筈が気が付けば馬車の中じゃ気分も微妙だよ。

 

 

「汜水関で華雄と胡軫を誘き出した所まで評価するけど、その後は駄目ね。戦ったアナタは気を失ったのよ。その後、孫策がアナタを私達の陣営まで連れてきてくれたわ。孫策は華雄達を誘き出してくれたけど、その後アナタの命を救ったから貸し借りは無しと言ってくれたわ」

「そっか……俺が気を失った後は孫策さんが助けてくれたのか……」

 

 

大将の説明に少しずつだが俺が気を失った後の出来事がボンヤリとだが分かってきた。

 

 

「その後、関羽や張飛、顔良も見舞いに来たわよ」

「関羽達や顔良が?申し訳ない事をしたな」

 

 

余程、心配させたんだな。でも他の陣営から見舞いに嬉しかったりして。

 

 

「モテモテね」

「いや、そんな楽しそうな顔で言わんといて」

 

 

大将の悪戯な笑みは嫌な予感しかしないんだけど。今も愉悦神父みたいな笑みだし。

 

 

「それで……愛美って誰なの?」

「……………なんで、その名を?」

 

 

大将の口から出た名前に俺はピタリと動きを止める。なんで大将が愛美を……

 

 

「関羽から聞いたのよ。初めて会ったときに誰かと間違われたとね。その時の名前が『愛美』と聞いてるわ」

「……そっか」

 

 

迂闊だった……いや。それぐらいに似ていたから、しょうがないって気もするが。

 

 

「面白い話でもなんでもないよ。三年前に別れた彼女ってだけだ。その子と関羽が似てたんだよ……生き写しか、双子みたいに」

「そう……だ、そうよ桂花」

「…………っ!」

 

 

俺の言葉を聞いた後に満足そうにした大将は馬車の外に話し掛ける。それと同時に物音がしてから誰かが離れる足音がした。

 

 

「もしかして荀彧?」

「アナタが気を失ってから人目を盗んで見舞いに来てたわよ。その愛美の話も気にしてたみたいだし。まあ、三日も寝ていれば当然だけど」

 

 

人目を気にしながらでも見舞いには来てくれてたのか……ん、三日?

 

 

「ちょっと待て……俺が倒れてから三日?」

「そうよ、因みに虎牢関は既に陥落したわよ。これから都に向けて進軍する所だもの」

 

 

OH……どうして俺は毎回こうなんだ。黄巾党の時も肝心な時にリタイヤしてたし。まあ、愚痴っても仕方ないか。

 

 

「だったら……今後は?」

「都には抗う力なんかないから殆ど入るだけね。住民の保護や町の復興、炊き出しの指示も出すわ」

 

 

もう戦後に向けての話なのね。まあ、ここまで来れば争いも起きないか。

 

 

「純一、目が覚めたのなら外に行きなさい。皆、アナタの心配ばかりしてたのよ」

「ん……ああ。そりゃそうか」

 

 

少し考え事をしていたが大将の言葉にハッとなる。確かに三日も寝たきりなら心配かけっぱなしだろうし。でも左腕が痛くて動けそうに……つーか、これは折れてんのか?

 

 

「この痛み止めを飲んでおきなさい。多少はましになるわ。後、可能なら左腕に微量の気を流しときなさい。痛みが和らいで治りを早くさせるから。後、その左腕は折れてはいないそうよ。ただヒビは入ってるから暫くは痛むと軍医が言っていたわ」

「あ、はい……」

 

 

此方の心配は無用とばかりな感じだ。俺の思考を読んだとしか思えない対策の早さだよ。

 

 

「んじゃ……行きますかね」

「怪我を追加させるんじゃないわよ」

 

 

痛み止めを飲んでから馬車から出る俺と大将。痛だだだだっ!やっぱ痛い!でも左腕に気を通すと痛みがマジで和らいだ。驚いた……感覚的には腰痛の時に湿布を貼って痛みが引く的な感じだが……

 

 

「それと春蘭の所へはまだ行かないで。あの子、怪我をしてしまったから今は誰にも会いたくないそうよ」

「……春蘭が怪我!?」

 

 

まさか虎牢関での戦いで怪我を!?

 

 

「詳しくは後で話すわ。でもお願いだから今はそっとしてあげて」

「……お願いね。了解した」

 

 

大将にしては珍しい『お願い』それを断るほど俺も馬鹿じゃない。

俺は煙管に火を灯すと歩き出す。いや、やっぱまだ左腕が痛いから気を紛らわせる為に吸うんだけどさ。

 

 

「さて……一刀達と合流するか」

 

 

俺は左腕の痛みに耐えながら一刀達と合流すべく歩き始めた。








※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。