真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第五話

 

 

 

 

俺が荀家に居候してから数日が経過した。

俺の一日は朝に武術の鍛練。昼には荀緄さんの授業。夜は顔不さんや荀緄さんを交えて酒盛り。そして就寝前のタバコ。

これがここ数日の俺の過ごした日々だった。

 

顔不さんとの武術の鍛練はめちゃくちゃキツい。

主に組手と気の練りをしている。気の鍛練には幾つか段階があるらしく。『気の発動』『気の掌握』『気の放出』と分かれるらしい。

俺は初期の段階の『気の発動』をしている。

顔不さんが言うには気は誰の中にもあるらしく、それを認識できるかどうかで気の扱いが違うらしい。

俺は早々に気の存在を認識できたので、かなり早いスピードで気の発動を会得している。

顔不さんがやっていた掌に気を集める事は出来る様になった。と言っても相当集中しないと出来ないけど……これも暫くやらねばならない。

 

 

次に荀緄さんの授業。

文字の読み書きが主だ。俺は漢文は読めないと伝えたら荀緄さんは幾つかの本を持ってきてくれた。挿絵付きで読みやすいと思ったら子供向けの絵本だった。文字が読めず、絵本で勉強をする大人。この情けない状態を脱する為に相当頑張る気力が沸いた。荀彧なんて通り掛かりに俺の授業風景を見て爆笑しやがった。

 

そして夜は顔不さんや荀緄さんを交えて酒盛り。

元々酒好きな俺は顔不さんの晩酌に付き合う様になり、そこに荀緄さんも加わる様になり、毎晩宴に近い。

二人も相当酒が好きみたいで俺の知ってる酒の話をするとかなり、食い付いた。主にビールとか日本酒とか。

うろ覚えながらテレビでやっていた製造法を教えると荀緄さんは『なるほど……』と呟いていた。アレ、俺なんか地雷踏んだ?

 

そして就寝前のタバコ。毎日数本吸ってるから流石に残り少なくなってきた。流石にここで新しいタバコ買うのは難しいよなぁ……マルボロなんて売ってるわけないし。

しかし買い物と言えば侍女さんの荷物持ちとして買い物に付き合うのだが……この時代には合わない物が多い。

町行く女の子がミニスカートやらニーソックスやら、やたらお洒落な格好をしているのが多い。眼鏡とかも明らかにこの時代のデザインじゃねーし。そもそも曹操や荀彧が女の時点で歴史が狂ってるとは思うが。あ、そう言えば煙管とか売ってたな。俺のタバコの本数減ってたから買うのもありか。侍女さんに『買ってあげましょうか?』と言われたが流石にそこまで厚かましくはなれない。

 

歴史が違うと言えば『真名』の存在だ。真名とは、この国の風習で本人が心を許した証として呼ぶことを許す名前であり、本人の許可無く“真名”で呼びかけることは、問答無用で斬られても文句は言えないほどの失礼に当たるらしい。

因みに俺が真名の存在を知ったのは、つい先日、荀緄さんや侍女さん達から『桂花ちゃん(お嬢様)から真名は教えてもらいましたか?』と聞かれたからだ。

真名の意味を知らなかったので荀彧に聞いたら罵倒と共に竹筒を投げつけられた。的確に顔面に当てる辺り、見事なコントロールだ。

その後、真名について小一時間程、説教を受けた。俺が真名の事を知らなかったのを差し引いてもキツい説教だったと言っておこう。

 

そう言えば、数日後に荀彧が曹操に仕官する為に家を出ると言っていた。顔を会わせれば相変わらず罵倒されまくっているが居なくなるのは寂しいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2日後。俺は気を使える事を知った日から考えていた事がある。俺はある意味、この為に気の鍛練を頑張っていたと言っても過言ではない。

 

 

俺は両手を正面に突き出す

 

「かぁ……」

 

そして体を屈めながら球を掴む様な体制で両手を腰に引きつけ……

 

「めぇ……」

 

手のひらに全身の気を集中させ……

 

「はぁ……」

 

溜めた気が手と手の間で力を生む。そしてそれが丸みを帯びた気の塊となった、これなら行ける!

 

「めぇ……」

 

全国の少年が憧れた夢の技を今、解き放つ!

 

「波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

俺は気合いと共に両手を突き出した。俺の突き出した両手からエネルギー波が出た!確かに俺はかめはめ波を撃ったんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからの話をしよう。

確かに『かめはめ波』を習得した俺だが問題も山積みとなった。

まず第一にかめはめ波を撃った俺だが、その直後に倒れた。

顔不さんの話では体内の気を全て注ぎ込んだ為に気が枯渇して意識を失ったらしい。あの手の技を放つには気を使う分だけ小出しにしなければならないらしいのだが、そんな事は当然知らない俺は全てを使いきってしまったのだ。

暫く安静にしていれば気が体に満ちて治るらしいが面目ない。それを考えるとドラゴンボール初期で山を丸ごと消し飛ばした亀仙人のかめはめ波はどれだけの気を消費したのだろうか。あ、よくよく思い出せば亀仙人、月を消し飛ばすくらいの……止めよう。話のスケールがデカ過ぎる。

 

第二の問題として破壊力だ。

俺は初めて放つから精々、初期の悟空。つまり、亀仙人のマネをして放ったかめはめ波レベルを想像していたのだが思いの外、破壊力があった。

試しに弓の的を標的として撃ったのだが的を破壊した俺のかめはめ波はそのまま壁をも突き破って空の彼方へと消えたらしい。

 

つまりは、荀家の屋敷の塀を破壊してしまった訳だ。

他に被害がなかったのは喜ばしいが居候させてもらってる人の屋敷を破壊ってどんだけ無礼を働いてるんだよ俺!

 




『かめはめ波』
『ドラゴンボール』で亀仙人が編み出した体内の潜在エネルギーを凝縮させて一気に放出させる技。
孫悟空の得意技であり、作品を代表する技。
本編での初披露は亀仙人がフライパン山の火事を消すために放ったものであり、攻撃技としてではなかった。なお、この際に火事は消したものの、亀仙人が張り切りすぎたため同時にフライパン山も吹き飛んでしまった。








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