真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第五十五話

「ん……朝か」

 

 

朝日に照らされて目が覚める。昨日は……あ、そっか。華雄と飲んでから、そのまま寝たんだった。んで華雄が先に寝ちまったから俺は床で寝て……痛たた……やっぱ床で寝ると体が痛い。

 

 

「おい華雄……朝って……寝相悪いのか?」

「ん……うぅ……」

 

 

起き上がって華雄を起こそうと思ったら華雄は寝台の上で眠そうに丸まっていた。布団は少し乱れて華雄の肌が見えている。

と……いかんいかん。見とれてる場合じゃない。早くしないと月が俺を起こしに来てしまう。こんな状態を見られたら……

 

 

「華雄……起きろ華雄……」

「ん……う……」

 

 

寝惚けてるよ。普段はスパッと起きる華雄が珍しいな。兎も角早く起こさないと……

 

 

「純一さんおはようございます」

「秋月、朝よ起きなさい」

「あ………」

 

 

なんて思っていたら月が来た。しかも間の悪い事に今日は詠もセットで来ている。二人は俺と華雄を見てピシッと固まった。

さて状況整理

 

俺 →服半脱ぎ状態で気だるげ。

華雄→俺の寝台の上で服と布団が乱れた状態で寝ている。

状況→俺が寝台で寝ている華雄の傍に立っている。

 

結果→あ、これ詰んでるわ

 

 

 

 

 

 

「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」

 

 

 

 

 

俺の部屋に月と詠の悲鳴が鳴り響く。

神よ、俺はアンタに何かしちまいましたか?

そうか俺が嫌いか?俺もアンタなんか嫌いだよバーカ。

 

俺の部屋に向かって聞こえる無数の足音に俺は現実逃避をしながら神を呪っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くした後に俺は玉座の間で正座をしていた。

 

 

「ではこれより警備隊副長秋月純一の審議を執り行う」

「極刑でよろしいかと」

 

 

大将の言葉に間髪入れずに桂花が意見具申。気のせいかしら……桂花の背後に不動明王が見えるんだが。

 

 

「いやー……いくらなんでも極刑は行き過ぎちゃう?」

 

 

苦笑いの霞が意見を出す。

と言うか……真面目そうに見える審議だが一部は笑ってる。そりゃそうだ。別に俺が夜這いをして華雄を襲った訳じゃないんだから本来はこの状況もおかしい訳で。

 

 

「だそうよ桂花?」

「いえ、断固許しません」

 

 

ニヤニヤと笑う大将が桂花に微笑むが桂花は許さないと拒む。ああもう……頼むから冷静になって桂花。そのままじゃド坪にハマるから。大将のドS心が思いっきり刺激されてるから。

 

 

「そう……何故許せないの桂花?」

「このケダモノをこれ以上野放しに出来ません!それに私が真名を預けたのに何も……あ……」

 

 

漸く頭が冷え始めた桂花。大将の仕掛けた罠にハマった事に気付いたが時既に遅し。

回りが既に冷やかす視線を桂花に送ってる。

 

 

「桂花って……つんでれなのー」

「なんや沙和『つんでれ』って?」

「たいちょーが言ってたの。素っ気ない振りをして実はその人に惚れてたり素直じゃない人を『つんでれ』って言うんだってー」

 

 

沙和と真桜の会話が聞こえる。それが耳に入って桂花の耳は赤くなっていく。

 

 

「あー大将。そこらで止めてくれんかね?」

「あら、純一。こんな可愛い桂花を愛でるのを止めろと言うの?」

 

 

俺の言葉に大将は愉悦な笑みを浮かべていた。ドS全開だよ愉悦覇王様。

 

 

「いや、可愛いのは認めるが……」

「~~~っ!」

「いやぁ……天然って怖いわぁ…….」

 

 

俺の発言に桂花がビクッとなり、霞が言葉を漏らす。つい本音をポロっと出しちまった。俺の隣で桂花の顔が真っ赤になってるし。

 

 

「色んな意味で……この馬鹿ぁ!」

「ほぶぁっ!?」

 

 

俺の頭に桂花の踵落としが決まる。いや、俺が反応できないレベルの踵落としを放つとは恐るべし。

 

この後だが漸く起きてきた華雄が昨晩の話をして俺は無罪放免となった。いや、元から大将はそれを見抜いていた節があったけど。

 








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