真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第五十九話

 

元華雄隊の皆さんの指導を開始する日となり、俺は朝早くから鍛練場に居た。

元董卓軍の精鋭と言う事もあり、元華雄隊はビシッと既に整列を完了している。ここまでは良いのだが……マトモに聞くのが華雄のみ。

彼等からしてみれば『誇り高き華雄隊が何故、曹操の将の言う事を聞かねばならんのだ』って事らしいが流石にそれはもう通じないんだよ?って言うか、その為に華雄とか月の立場が悪くなり始めてんだからな?

環境改善等の名目もあるので早く始めるとするか。

 

 

「コホン……えー、本日より」

「我等、華雄隊は貴様の言うことなぞ聞くか!」「そうだ、我等の誇りは誰にも汚されはせんぞ!」「華雄将軍、なんか言ってやってください!」

 

 

俺が挨拶を始めようとしたら華雄隊の兵士は俺に反発し始めた。いや、早ぇーよ。

ふと、隣を見ると華雄が顔を押さえて、しゃがんでいた。

 

 

「どうした、華雄?」

「……………昔の自分を見ている様で恥ずかしい」

 

 

うん、こうしてみて初めて昔の自分の愚かさを目の当たりにしてる。黒歴史を暴かれた学生の気分もこんな感じだろう。中二で色々と痛い事をしたのを高校の時の友達に暴露された的な。

まあ……これもある種のリハビリだ。華雄には悶え苦しんで貰おう。

 

 

「少し話を……」

「止めてくれ秋月……私の心が持たない……」

 

 

俺の服の端をギュッと握る華雄。やだ、何これ可愛い。

 

 

「貴様、華雄将軍に何をした!」

「者共、華雄将軍を取り戻すぞ!」

 

 

空気の読めないバカ共が支給された武具を手に俺を睨む。ああ……もう……色々と考えてたけどもう止めた。むしろ他の人達がキレた理由もよくわかった。

 

 

「文句のある奴……かかってこい。華雄が必死にこの国に馴染もうとしているのに邪魔しかしてないんだ……もういいよね?」

「お、おい……なにかヤバそうだぞ」

「ちょっと待て!あいつ、胡軫将軍と戦ってた奴じゃ……」

 

 

俺が体に気を充満させると兵士達は少し退く。つーか、今さら俺に気付くとか……やっぱ根本から性根を叩き直さんと駄目か。

 

 

「華雄……少し離れていてくれ」

「な、何故だ、秋月!?これだけの兵士の数だ……一人では……」

 

 

華雄も自身の斧を持って俺に助太刀しようとしているが今から俺がやる技は華雄が居ては放てない。

 

 

 

「よく聞いてくれ華雄。今から俺が兵士の半分を一気にぶっ飛ばす技を放つ。でもその技は敵味方問わずにぶっ飛ばす技だから華雄は一度離れてくれ」

「う、うむ……わかった」

 

 

華雄を引き寄せて耳打ちする。華雄は顔を赤くしながらも従って離れてくれた。

そして華雄が離れたと同時に兵士達が俺を取り囲む。

 

 

「ふっふっふっ……我等、華雄隊に喧嘩を売るとはな」

「華雄将軍が離れた今、貴様に手加減をする必要もない」

「覚悟せいっ!」

 

 

それぞれが俺を格下だと見て油断している。なら好都合だ。

 

 

「思えば……俺はお前達の上司になるのに挨拶をしてなかったな」

 

 

俺は気を体に張り巡らせた状態で指先に力を集中する。

さて、丁寧に挨拶してやるか。俺は人差し指と中指に気を集中させて『クンッ』と空に向かって突き出す。

 

 

「な、なんだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

悲鳴と怒号が飛び交う。俺を取り囲んでいた兵士達は地面から吹き出した爆発に巻き込まれていったのだ。

これぞナッパ流の挨拶。少しばかり丁寧にやり過ぎちまったかな……だって……

 

 

「どうだ……参ったか?俺は参ったぞ」

「って、なんで秋月まで巻き込まれてるんだ!?」

 

 

一度離れた華雄が戻ってきて倒れていた俺を抱き上げる。いやぁ……身体中痛いわ。

 

 

「あの技……本来ならもっと威力もあるし、自分は爆発に巻き込まれないんだけど……何故か上手くいかなくてな……」

「結局、只の自滅ではないか……まあ、兵士達は皆、倒れているが……」

 

 

俺の挨拶に元華雄隊は全滅していた。一部はなんとか立ち上がっている。まあ、俺の技は殺傷能力ほぼゼロだから怪我で済んでるだろうけど戦うまでは無理の筈。

この後だが休憩してから改めて元華雄隊と話し合いとなった。

今のままでは華雄や元董卓軍に居た者の立場が悪くなる事と更により選った精鋭部隊を作る話。話を聞き終えると元華雄隊はそれぞれの反応を示した。その後、華雄からの口添え……と言うか改めて魏に下った自覚を持てとか、お前達の誇りはお前達自身が汚しているとか……まあ、この辺りは俺が口を挟む訳にはいかない。華雄なりのケジメの付け方だしね。

俺は煙管を吸いながら元華雄隊と話をする華雄を見詰めていた。凛々しく話す彼女は紛れもなく元華雄隊が憧れて慕う華雄なんだな……と。少しばかり元華雄隊の気持ちがわかった気がするわ。そう思いながら俺は紫煙を空に撒くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こっちは余談だが様子を見に来た元董卓組である月、詠、霞、恋、ねねは俺が怪我をした事に大慌て。

状況説明をしたら月と詠からめっちゃ怒られた。




『挨拶/ジャイアントストーム』

ナッパの代名詞とも言える技。人差し指と中指を揃えて「クンッ」と天に向かって突き出し、自分を軸とした広範囲を破壊させる技。 
ナッパがベジータと共に地球に降り立った際、挨拶代わりにと、この技を披露し巨大な爆発と共に一瞬にして東の都は壊滅し、技の中心部はクレーターと化していた。
範囲を絞ることも可能で、悟空との戦いでも使用しており、土埃を舞い上げて悟空の動きを見切ろうとした。







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