真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
<< 前の話 次の話 >>

65 / 204
第六十五話

「ふぅぅぅぅ……はっ!」

 

 

深い呼吸の後に振り下ろされる一刀の木刀。

俺が武器屋から預かった物を渡したのだが思った以上にに手に馴染んでるみたいだな。

 

 

「おー……しかし、思ったより様になってるな」

「ハハハ……部活でやってたのとジイちゃんに習ってたので」

 

 

俺は亀仙流の胴着を着て、一刀の素振りを見ていた。謙遜する一刀だが、体の芯がピンと伸びてるから才能は有るんだとおもう。

 

 

「……って言うか純一さん。亀仙流の胴着似合ってますね」

「そうだろう?自分でもビックリだ」

 

 

似合う以上に、この胴着の着心地が良いのだ。動きやすいし、馴染みが良い。服屋の親父、恐るべし。

 

 

「あれ、隊長と副長、何してるん?」

 

 

一刀の素振りが勢いに乗ってきた頃に真桜が来た。後ろには凪、沙和、霞と続いてる。

 

 

「最近、鈍ってきてるから体を動かそうと思ってな」

「俺はいつもの新技開発だ。後は一刀の素振りを見学かな」

 

 

真桜は一刀の素振りに疑問を抱いた様だ。まあ、確かに普段の一刀は鍛練とかするイメージないしな。

 

 

「隊長は武術の心得があったのですか?」

「ん……まあ、少し齧った程度だけど」

 

 

一刀は素振りを中断して凪達と向かい合う。

 

 

「そうでしたか……隊長、私と手合わせしてくれませんか?」

「え、俺が凪と!?敵うわけないじゃないか!」

 

 

凪の提案に一刀はオーバーリアクション。どんだけ自分の弱さにコンプレックス抱いてんだよ。

 

 

「敵う、敵わないじゃなくて手合わせなんだから、試しにしてみろよ。勝ち負けに拘らずにな」

「は、はぁ……じゃあ、頼む凪」

「はい、胸をお借りします!」

 

 

俺の言葉に意を決したのか、一刀は木刀を握り、凪は拳を構えた。

 

 

「ほな、ウチが立会人になるわ。双方、始め!」

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「でりゃぁぁぁぁぁっ!」

 

 

霞の合図に一刀と凪は同時に動いた。

一刀は木刀の分、リーチがあるから少し優勢に戦っているが凪は将として戦い続けた経験則がある。まあ、凪が勝つだろうな。

 

 

「あら、一刀に武術の心得あるとは意外だわ」

「なるほど……だから警備隊に入ってそれなりに働けたのですね」

「うーむ」

「でも腕は大した事ないわね」

 

 

二人の戦いを観戦していたら大将、秋蘭、春蘭、桂花とゾロゾロと来た。皆、休憩かい?

 

 

「ほう……北郷の武術は変わってるな」

「天の国の武術なのかしら?」

「恋殿の方が強いのですぞ!」

 

 

とか思ってたら華雄、詠、月、ねね、恋と勢揃い。

月は救急箱を持ってきてる。本っ当に良い子だよなぁ。

 

 

「双方、それまで!」

 

 

等とそうこうしている間に決着がついた。結果は予想通り凪の勝ちだ。

そして大将は一刀の剣、と言うか『剣道』に興味を持った様だ。まあ、この時代の武とは明らかに違うからな。

一刀が剣道の在り方を大将達に説明していると先程の戦いに感化された春蘭が一刀に戦いを挑んだ。

 

大将の命により『一刀VS春蘭』の戦いが決定。

一刀よ、骨は拾ってやるから全力で戦ってこい。

なーんて思ってたら俺の胴着の袖がクイッと引かれた。視線をそちらに移すと恋が俺の胴着の端を指で引っ張っていたのだ。

 

 

「どうした恋?」

「………恋も」

「あら、恋は純一と戦いたいみたいね」

 

 

小さく哀願する恋に大将はニヤリと笑みを浮かべた。

え、これ……死亡フラグ?

 








※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。