真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第六十九話

 

 

 

その日、俺は一刀、桂花、華雄と警備隊の今後について話をしていた。

袁紹との戦が目前に迫る中、やはり街の安寧を考えるのは警備隊の仕事なのだから。

まあ、会議とは言っても警邏で回る場所とか時間やシフト関係の話が主な訳だが。

そして、ある程度話が進んだ所で大将に一刀と共に呼ばれた。俺と一刀が呼ばれたって事は未来の話関係か。

 

急いで玉座の間に行った俺と一刀だがやはり話の内容は未来……と言うかこの国の歴史の事だった。

実はこの手の話になると俺は口出しができない。何故かと言えば、俺は三国志の事は既に記憶が薄れている。一刀はまだ学生で授業とかでやった所なら覚えているのだろうが俺は既に大まかなストーリー以外は忘れているのだ。

流石にメジャーな武将の名前は覚えてるけど歴史背景とかはサッパリ。

 

と言う訳で今現在は大将と一刀の話を聞くばかりだ。まあ、大将は未来の歴史は重要視はしておらず、寧ろその事を話したら罰を与える的な口ぶりだ。大将の気質を考えれば未来が決まってるなど許せないんだろうけど。

 

そして話が一通り終わると俺は退室した。大将はまだ一刀に話があると言って残らせたけど……まあ、言うだけ野暮か。

と、思いつつも余計な世話を焼くのは年上の性か。俺は一刀には聞こえないように大将に耳打ちする。

 

 

「大将……一つだけ御進言を上げますが、一刀はハッキリと言わなければお気持ちが伝わる事がないとだけ言っときましょう。鈍感なんでね」

「~~~~っ!大きなお世話よ!!」

 

 

ハッハッハッ、鈍感な学生と素直になれないツンデレ少女の恋愛は良いものだ。俺は大将の拳や蹴りを避けながら、そんな事を思っていた。

……………イカン、かなりオッサンの思考になってきてる。

 

 

「隙有り!」

「あいたっ!?」

 

 

一瞬の隙を突いて大将の拳が俺を捕らえた。流石、覇王様。相手の隙を見逃さない。

 

 

「いい……今後、そんな事を言ったら……」

「こんな時代なんだ……むしろ言わなきゃダメなんじゃねーの?」

 

 

俺をマウントポジションで殴り掛かりそうになっている大将。だが俺の一言に動きを止める。

そして俺の上から降りると俺に退室する様に促した。

 

 

「純一……話はわかったわ。だったら……今度、話に付き合いなさい」

「はいはい、大将の頼みにゃ断れませんな」

 

 

俺は立ち上がり、踵を返しながら玉座の間を後にした。

あれ?なんか思った以上に話が通用したぞ。なるほど、覇王様は恋愛が不得手……止めた。なんかこの思考を続けるとろくな事になりそうにない。サッサッと桂花と華雄の所に戻ろ。

 

 

しっかしまあ……平和だよな。いや戦の話をしたばかりで、こんな事を思うのは変だと思うが。

街の警備の話にしても、先程の大将の話にしても平和の中での会話がして俺は気が安らかになっていた。

 

って、ちょっと待て……ヤバいぞ……こんな事を思ってると所謂、戦争映画とかで『ほんわかしてる時に急に死んで場を引き締める役』みたいなポジションになってる。

特に俺は何故か戦場で武将の方々に遭遇する率が妙に高いんだ。胡軫なんか良い例だ。確かに挑発したのは俺だけど、まさか、いきなりロックオンされるとは思わなかった。

なんて考えていたらさっきまで会議してた部屋についていた。待たせたし怒ってるかな?

 

 

「ただいまー」

「…………おかえり」

 

 

部屋に入ると桂花と華雄が睨み合っていた。桂花が俺に返事をしてくれたけど妙に怒ってる。なんかジト目で睨まれた。

 

 

「ん……何、この雰囲気?」

「桂花……勝負は夜だ。勝った方が夜、秋月と共に過ごす」

「わかった……でも私が勝つわよ」

 

 

え、ちょっと会議から抜けた間に何があったの?なんかスゴい剣呑なんだけど。

うーむ、この状態を打破するには……そうだ夕食にでも誘って話を……

 

 

「秋月、今日の夕食は外で食べてきて」

「申し訳ない。だが必要な事なのでな」

 

 

俺が話を切り出そうとしたら桂花と華雄に背中を押されて部屋から追い出された。

あー……なんだろ。妙に背中が煤けてる感じ……心に風が吹いてるみたいだ。

 

俺は煙管に火を灯して夕飯、何食べよーかなー……と考えていた。

寂しくなんかないんだからね!誰に言う訳でもない言葉を心の中で叫びながら俺は街に行く事にした。






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