真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第七十三話

 

 

 

 

「と……言うわけで連れて帰ってしまったんだが……」

 

 

あの後、高順の弟子入りを断ったのだが高順は俺の足にしがみついて離れようとしなかった。どうしたものかと悩んだ結果、大将に相談しようと連れて帰えざるを得なかった。

因みにいきなり城に行くのは、なんだと思って現在は警備隊の詰所に居る。

 

 

「アンタが拾ってくるのは人じゃなくて薪でしょうがっ!」

「ごもっともでございます」

 

 

桂花は俺の胸ぐらを掴んで叫ぶ。はい、まったくその通りなんですが事情が事情なので勘弁して。

今、詰所には一刀、大将、桂花、華雄、凪、沙和、真桜と警備隊関係者勢揃いとなっている。

 

 

「えっと……高順だったよな?なんで純一さんの弟子になりたいんだ?」

「あ、はい!自分……実は反董卓連合の時に街から抜け出して戦を見に行ってたんス。その時に秋月副長と胡軫将軍の戦いを見て……震えました。自分も……この人みたいに強くなりたいって!」

 

 

一刀が高順になんで俺に弟子入りしたいかを問うと意外な答えが帰ってきた。あの戦いを見てたのか……うん、なんか補正が掛かった見解だね。俺はあの時、胡軫にボコボコにされて最後の最後に反撃しただけだからなぁ……

つーか、高順が弟子になるのは本来の歴史とはかなり食い違いが起きる。

 

警備隊の詰所に大将と桂花が来る前に一刀から聞いたのだが、高順は本来の歴史だと呂布の部下で『陥陣営』と呼ばれる程の武人だったと聞く。蜀や魏に戦いを挑んで最後には曹操に捕らえられて最期を迎えた……ってのが高順らしいのだが……

ぶっちゃけ、そんな風には見えないし、恋との繋がりも無さそうだ。

そんな中、真桜と沙和が高順に俺の説明をしているのだが……

 

 

「なぁ、高順?副長は気は使えるけど他はポンコツやで」

「そうなのー。種馬の癖にフニャ○ンなのー」

 

 

とりあえず真桜と沙和の給料はマイナスっと……。沙和は女の子が下ネタを使うんじゃありません!

 

 

「高順……副長は警備隊の偉い方で……」

 

 

……そもそも、高順が弟子入りって以前に三国志の登場人物が皆、女性ってのも既に歴史が破綻している気もするが……

 

 

「それでも自分は秋月さんに……」

「あのね……あの馬鹿はあれで忙しいのよ?それを……」

 

 

加えてを言うなら……反董卓連合で命を落とすはずだった月や華雄が生きて魏に居るのも歴史からズレてる……

 

 

「そう……決意は固いようね。聞けば純一の気弾にも耐えたそうじゃない」

「は、はい……でも凄い効きました……」

 

 

そんなんで大丈夫なんだろうか……このまま行くと、本来描かれている三国志の話との食い違いが……

 

 

「決まりね。純一、後は任せるわ」

「………え、何が?」

 

 

ヤベっ……考え事に夢中で話を聞いてなかった。

 

 

「アンタ……華琳様のお話を聞いてなかったの?」

「す、すまん……考え事に集中して……」

 

 

桂花が俺の頬を抓る。最近、この扱いに慣れてきてる自分が怖いわ。

 

 

「なら、もう一度だけ言うわ。純一、高順を弟子として北郷警備隊に組み込みなさい。これは命令よ」

「え……いや、俺……弟子を取れる程、強くは……」

 

 

大将の無茶な命令に反発しようとするが……

 

 

「何も一から全てを教えろとは言わないわよ。それに気を抜きにした戦いなら高順の方が強いわよ。アナタは警備隊の仕事を教えつつ、高順に色んな物を学ばせなさい。季衣や流琉、香風みたいにね」

「あー……はい」

 

 

こりゃ反論するだけ無駄か。強制的に弟子を取らされて、更に新人指導か。仕事が増えるなぁ……と言うより俺に弟子が出来る段階で不安しかない。

 

 

「さて……じゃあ高順。これから俺はお前を弟子にして北郷警備隊の新人として迎え入れる。いいか?」

「は、はい!自分は名は高順。真名は大河ッス。よろしく、お願いします師匠!」

 

 

し、師匠っ!?いきなり呼び方がブッ飛んだ。振り返れば全員が、笑いを堪えてプルプル震えてる。

 

 

「ったく……俺は秋月純一。お前の真名、確かに預からせて貰ったぞ大河」

 

 

俺は片膝を着いて、大河と目線を合わせる。ったく……こんな純粋でキラキラした目をしたら断れないっての。

この後、大将達にも真名を預けた大河。さてさて……これからどうなるか……

 

 

「この後、仕事の予定もないし……真桜。大河を風呂に連れていってやれよ。警備隊に入るなら使う機会もあるだろうし」

「そやね。大河、ウチと一緒に行こか。なんなら一緒に入る?」

「そ、そんな……女の人と一緒に風呂なんて恥ずかしいッスよ!」

 

 

俺が真桜に大河を風呂に連れていって欲しいと頼んだら、真桜は裸の付き合いをしようとしたのだが……大河の言葉で皆の動きがピタリと止まった。

 

 

「大河……女の子同士で恥ずかしいのか?」

「あ……やっぱり皆さん、勘違いしてたんスね。自分、男ッス」

 

 

凪が絞り出した言葉に大河は溜め息を吐きながら答えた。え、マジで男なの?まるっきり女顔なんだけど。

 

 

「昔からなんスよ……間違えられるの」

「ま、まあ……どんまい」

 

 

ズーンと暗くなった大河の肩をポンと一刀が叩いて慰める。この手の悩みは本人にしかわからないよな。因みにこの後だが大将直々にチェックが行われて大河は男だと断定された。どんなチェックしたのよ大将……

城に戻ってからは五右衛門風呂に連れていき男同士の裸の付き合いをした。本当に男の子だったよ。裸見なきゃ気づかないレベルって凄いわ。

 

 

 

そして、その日はもうトラブルは無いだろうと思っていたのだが……緊急連絡を受けて俺は寝ていた所を叩き起こされた。

その緊急連絡の内容は『劉備が袁紹に国を追われて民と共に魏の国境付近まで来ている』との報告だった。




名  高順。
真名 大河。
髪型 黒髪のショートヘアー。
年齢 季衣、流琉と同年代
服装 七分丈のシャツにハーフパンツ。スポーツシューズの様な靴を履いている。
容姿 中性的な顔立ちで、日焼けの為か肌が浅黒い。
身長 季衣や流琉よりも少し高い程度。
一人称 自分。
口調 語尾に『ッス』を付けるのが口癖。


嘗て秋月と胡軫の戦いを見た際に秋月に憧れを抱いて半ば、押し掛け弟子の様な形で弟子入りした。
秋月の事は『師匠』と呼ぶようになる。
中性的な顔立ちで、よく間違えられるが歴とした男。本人曰く『十人中、九人には間違われる』との事。
今まで自由奔放な戦い方をしていた為に固定された戦い方をしない。ある意味で秋月と通じるものがある。
性格そのものは真面目な部類だが、年相応に遊び好きで人懐っこい。
秋月の気弾をマトモに喰らっても、すぐに回復する程のタフネスの持ち主。
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