真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

74 / 306
第七十四話

 

 

 

 

寝ていた所を叩き起こされて不機嫌な俺は玉座の間に向かっていた。

 

 

「ったく……俺の眠りを妨げやがって……」

 

 

こっちは昼間から妙に頭痛がしてたってのに……そういや、大河を弟子にするって決めた辺りからなんだよな、頭痛がしてたの。

 

 

「遅くなりましたかね?」

「確かに遅かったわね。話はもう終わったわ。これから劉備達に会いに行くから、付いてきなさい」

 

 

俺が到着した頃には会議は終わってた。大将はスタスタと俺の横を通り抜けて行ってしまう。確かに少し遅れたけど、俺の扱い酷くね?

 

 

「ほら、さっさっと行くわよ。状況は向かう途中で説明してあげる」

「痛ったたたた!?耳を引っ張るな!」

 

 

俺が若干、ショックを受けていると桂花が俺の耳を引っ張る。待て、それはマジで痛いんだって!

痛む耳を押さえながら聞いた話によるとこうだ。

 

自分の国を袁紹に攻められそうになった劉備は国を捨てて民と共に逃げた。目指す先は南方。

しかし、その南方を目指すにも一番安全な道が魏の領土を通行する事なのだ。

そして、その許可を得る為に関羽が早馬で魏へと赴き、要件を伝えた。

 

そして今、目指しているのは劉備が本陣を張っている野営地ということだ。

それは兎も角として……気になっている事が……

 

 

「キミ達、誰?」

「おやー、初対面で真名を聞かないとはお兄さんと同郷の方とは思えませんねー」

「風。あの時、一刀殿もわざとでは無かったと聞いているのですから、その言い方は良くないわよ」

 

 

そう。劉備の本陣を目指す最中、見覚えのない女の子が二人陣営に混ざっていたのだ。

そちらの話も聞くと俺が少し魏を留守にしている間に魏に入った軍師らしく、大将も真名を預けたらしい。

大将が真名を預けて軍師に抜擢されるって名のある軍師なのだろうと思って名前を聞いた。

ふわーと髪と雰囲気の感じの子が程昱。眼鏡をした真面目そうな子が郭嘉。

マジか……これで魏の大軍師揃い踏みじゃねーか。

 

ちなみに反董卓連合の時に会った趙雲と旅をしていたらしく、一刀ともその時に会っていたらしい。この時に一刀は程昱の真名を迂闊にも言ってしまったらしく、趙雲に刺され掛けたとか。

 

話が逸れたが、程昱と郭嘉の真名を預けてもらった。程昱は『風』郭嘉は『稟』

大将の命令ってのもあるが、一刀と話している内に俺の話も聞いていたらしく真名を預けても大丈夫だろうと判断したらしい。

俺も自己紹介をしてから一刀同様に真名が無いことを伝えると風は『純一さん』、稟は『純一殿』と呼ぶそうだ

 

この時は知らなかった事だが稟は妄想が凄いらしく、しかもその妄想で鼻血を出す癖があるのだとか。

魏に来る武将は何かしらの個性を抱えてくるのがお約束なのだろうかと思った俺は間違っていない筈。

 

 

なんて話をしていたら劉備の陣営に辿り着いた。

大将は劉備の本陣に直接向かうと言い始めて、桂花や春蘭が騒いだけど結局、劉備の本陣へ行く事に。

そこで俺、一刀、春蘭、季衣、流琉、香風、大河、稟と護衛兼勉強と言う形で同伴する事になった。

正しくを言えば護衛は春蘭。補佐が稟。

俺、一刀、季衣、流琉、香風、大河が勉強組な訳だが。明らかに経験不足なメンバーに経験積ませようって感じだからなー。

そういや俺、劉備に会うの初めてだな。どんな娘なんだろ?少し楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて思ってたら桂花の投擲した竹筒が俺の頭にヒットした。かるく100メートルくらいは有るんだけど、この距離で俺の頭に当てるって桂花のコントロールが凄い事になってきてると俺は思い知らされるのだった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。