真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第八十三話

 

 

 

 

袁紹軍との戦いは曹操軍の勝利で幕を閉じた。まあ、ある意味順当な勝利な気もするが。

そして戦を終えた後、俺は目を覚ました顔良を連れて大将の所へ。顔良は抵抗もなく、此方の指示に従うと言ってくれた。

大将の天幕へ行き、事情を話したのだが桂花は『またか、コイツ……』みたいな目で俺を見ていた。

 

 

「そう……話はわかったわ。では顔良……貴女はどうしたいの?」

「私にはもう……行く宛もありません。袁紹軍は無くなってしまいましたけど、文ちゃんや麗羽様を探そうと思います。きっと困ってると思うので」

 

 

大将の問いに俯き気味に答える顔良。それを聞いた大将は溜め息を吐いた。

 

 

「貴女の麗羽に対する忠誠心は大した物だけど……アレに尽くしても損するばかりよ?」

「で、でも麗羽様も文ちゃんも私が居ないと……」

 

 

大将は顔良を半ば諦め気味に説得をするが顔良は二人が心配なのか聞く耳を持たない様子だ。

 

 

「と言うか袁紹達に頼られてるからってアレは異常よね」

「………共生依存って奴かもな」

 

 

桂花の呟きに俺は以前、テレビか何かで知った知識を呟いた。

 

 

「なによ、その共生依存って……」

「依存されることに依存してしまうって事。簡単に言うと誰かに頼られなきゃいけない、頼られれば嬉しいって気持ちが強いって感じか?話を聞くと袁紹は顔良や田豊に政治を丸投げ。更に文醜は顔良頼りきりらしいしな。しかも袁紹、文醜は顔良に対して悪気ゼロだから始末に悪いし。どんなにダメな奴にでも頼られれば、それを愛と感じるが如く顔良の精神状況も変わっていったんじゃないか?」

「だそうよ顔良。貴女の今の顔を見れば思い当たる節は多そうね」

「あ……あ……私……」

 

 

顔良はフルフルと震えながら今までの事を思い出しているのか青ざめ始めてる。

 

 

「はぁ……この調子じゃ放り出すのは酷ね。純一、顔良の事を任せるわ。落ち着いたらアナタの所に寄越すから面倒を見なさい」

「え、あー……了解です」

 

 

有無を言わせぬ大将の視線に俺は頷く事しか出来なかった。桂花が凄い睨んできてるけど。

取り敢えず顔良が落ち着くまでは俺は顔を出さない方が良さそうだ。大将もまだ顔良に話があるって言ってたし。

 

 

「まったく……種馬が……」

「あの……今回、俺は顔良を救った位置だよね?なんで俺が手を出す為に顔良を連れてきたみたいな風になってんの?」

 

 

桂花の言葉に流石に抗議の声を上げるが桂花の冷たい視線が変わらない。

 

 

「救った……ねぇ。そうやって人の心の弱味に付け入る気?」

「できりゃ、心の隙間を埋めてやったと言って欲しいね」

 

 

少なくとも俺は善意での行為なのだが。自分で言っといてなんだが、心の隙間を埋めるってなると笑顔が素敵なサラリーマンを思い出す。ドーン!とかは出来ない……と言うかしたくない。

まだ色々と抗議はしたいが大将と顔良の話を邪魔する訳にもイカンので俺は大将の天幕を後にした。

 

 

 

 

因みに国に帰った後に大将から『顔良を警備隊に組み込みなさい。ああ、他の仕事を教えても構わないわ。顔良の好きにさせてあげなさい』と言われた。

いったい何の話をして、この結果に至ったんだか……




『ドーン!』
『笑ゥせぇるすまん』の主人公・喪黒福造の使う術か魔法。
客の願望を叶えるが、約束を破ったり忠告を聞き入れなかった場合にその代償を負わせ、破滅に追い込む際に使用される。
その効果は客によって様々で酷いパターンだと財産的・精神的・社会的な破滅や家庭崩壊に陥る。また死亡したり、人間の姿から別の生き物にされてしまう。
逆に軽いパターンだと会社の上司からの叱責、失職、失恋程度で済む。







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