真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第九十四話

 

 

 

 

斗詩から夕食をご馳走になった次の日。俺は服屋に出向いていた。

 

 

「しっかし……まさかの出来上がりだ」

「頑張らせて頂きました」

 

 

先日、詠から服や衣装が出来上がったと聞いてはいたがここまでのクオリティで仕上げるとは……

 

 

「副長さんに頼まれていた特注は此方ですが……」

「うん、注文通りで何より。つーか完成度の高さに驚いてるよ」

 

 

詠に着せるつもりだった服とは別に新技開発の為に考案した服も出来上がっていたが、頼んだ通りに出来てる。明らかにこの時代の服じゃないのだが、そこは割愛。

服を受け取った後も話し込んでしまって、すっかり夕方になってしまったが俺は今日は非番なので問題ない。むしろ新しい衣装話で盛り上がりすぎたくらいだが。

 

城に戻った俺は栄華に服の報告をしていた。新作をいくつか見せたのだが目がキラキラしてる。確かに今回の服の出来は最高とも言えるからな。ついでを言えば一刀も驚くだろう……クククッ。

 

 

「そう言えば秋月さん?桂花に何かしましたか?」

「ん、桂花に?」

 

 

栄華は何かを思い出したか様に俺に問いかけるが桂花になんかあったのか?

 

 

「ここ最近、様子が変だったので……秋月さんが何かしたのかと……」

「むしろ最近は桂花に何もしてねーよ。大将から新しい仕事を頼まれたって言ってたからな」

 

 

俺だって桂花と喋るの我慢してるのに桂花に何かしたのかと思われるのは心外だ。

 

 

「なら良いのですが……」

 

 

ジト目で睨まれる。いや、俺ってどんだけ信用ないのよ。

悲しい思いもしながら俺は栄華と今後の街の経済の話をしてから部屋を後にした。そろそろ大将も行動を起こすって言ってたから忙しくなるな。

 

 

「………ちょっと」

「ん、桂花?」

 

 

夕飯を食べようかと食堂を目指していたら背後から声を掛けられる。振り返ると桂花が俺を睨んでいた。

 

 

「どうしたんだ桂……ぐぇ!?」

「……………」

 

 

桂花は無言のまま俺のネクタイを引っ張る。待った待った首が絞まるから!?

 

 

「お、おい桂花?」

「…………」

 

 

俺が話しかけても桂花は無言のまま、俺のネクタイを引きながらズンズンと歩いていく。なんかドナドナされる牛の気分なんだが

そんな事を思って到着したのは城の中にある桂花の部屋だった。

桂花は乱暴に部屋の戸を開けると中に入り、俺もそれに続いて部屋の戸を閉めた。そういや、桂花の部屋に入るの初めてか。って……なんか嗅ぎなれた臭いが……

 

 

「………ひっく」

「桂花……お前、酒飲んでるのか?」

 

 

そう。桂花の部屋の中には酒の臭いが充満していた。よく見れば机の上には酒瓶があるし。その事に驚いていると桂花が俺を寝台に突き飛ばした。

 

 

「あ、あの……桂花……さん?」

「…………」

 

 

ギシッと寝台が軋む音がした。俺が寝台に倒れた後に桂花も寝台の上に膝を乗せ、なんと俺に跨がってきた。

 

 

「どうしてくれんのよ……」

「……え?」

 

 

何事なのかと俺が狼狽えていると桂花が口を開いた。いや、いきなり恨み節を言われても。

 

 

「華琳様から仕事を貰ったのに……イライラすんのよ。アンタの顔がチラついて……集中できないのよ……」

「え……あの……」

 

 

いきなりの告白に驚く。いや、仕事で集中できないのが俺のせい?

 

 

「辛いのよ……アンタが他の娘達と話してるのを見ると……もっと……もっと私にも構いなさいよ!」

「………桂花」

 

 

俺はマジで驚いてる。桂花がポロポロと涙を流して本音を俺に語っているのだから。

 

 

「ごめん……桂花が大将から仕事を任されたのを知ってたから邪魔しないようにと思ってたんだが」

「駄目よ。許さない」

 

 

俺の謝罪に即答である。

 

 

「んじゃ……どうしたら良い?」

「あ、アンタを……今から襲うわ」

 

 

何を言うてるんですか、このネコミミ王佐の才は。コラコラ、ネクタイを緩めて脱がそうとするな!

 

 

「落ち着けよ桂花。桂花は酔ってんだからさ」

「あ、当たり前よ!酔ってなかったらアンタ相手にこんな事するわけないでしょ!全部、お酒のせいよ!」

 

 

え……なんかしっかりとした返事が来た。

 

 

「そうよ……お酒が私を狂わせてるのよ……」

 

 

口調もしっかりしてるし……もしかして桂花は、この行動の全てを酒のせいにしたいのか?

だとすれば色々と納得できる。今までの発言は酒で酔っていたから本心じゃないと言い張りたいのか……

その線が当たりかもな。桂花から酒の臭いはするが泥酔って感じじゃないし。

今も不安げな顔で俺を見てるから間違いはなさそうだ。

 

 

と……言うかですね……

 

 

「桂花……顔こっち……」

「え?……む……ちゅ……ん」

 

 

俺は桂花を引き寄せてキスをした。

桂花は驚いた様子で固まってしまい、されるがままだった。

 

 

「ぷぁ……ちょっと待って……」

「襲うと言っておいて口づけで驚くなよ」

 

 

桂花はされるがままだったが俺を押し退けて拒もうとしたが俺の言葉に恥ずかしそうに黙ってしまう。

………その姿が可愛すぎて俺の理性は完全にノックアウトされた。

 

 

「よっと……」

「え、きゃあっ!?」

 

 

俺は桂花の左手を掴んで自身の方に引き寄せる。それと同時に俺は桂花と入れ替わるように体を起こした。

これで桂花が寝台に背を預け、俺が上になる形となる。

 

 

「え、あ、その、ね……」

「…………」

 

 

体勢が入れ替わり、桂花には先程までの『酔った』と言った演出はもう無かった。

俺が黙っていた事に恐怖を覚え始めたのか何を言おうかも定まらない様だ。

 

 

「俺さ……色々と我慢してたのよ。この世界に来てから世話になった桂花や魏に来てから仲間になった娘達のも含めて理性でなんとか耐えてた……でもさ」

 

 

そう、この世界の娘達は色々と無防備だから。いや、狙っての行動もあったんだろうけどさ。

俺の言葉に桂花も聞き入っている。だから俺は耳元で囁いた。

 

 

「好きな娘にこんな事されて我慢なんか出来るかよ」

「~~~~っ!?」

 

 

その言葉に桂花の顔は酒以外の理由で一瞬で真っ赤になった。

俺はもう止まる事は出来ない。

此処から先は大人の時間だ。

 

 








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