真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月
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第九十六話

 

 

 

狭い五右衛門風呂に俺と桂花は一緒に入っていた。

俺が胡座をかいて座り、その上に俺に背を向ける形で桂花が乗るのだが……昨日の今日でこんな事をされると流石に……また理性が飛びそうになるっての。かと言って止める気はサラサラ無いが。

 

 

「……何、盛ってるのよ。これだから種馬は……」

「俺が種馬なら桂花は肌馬……ぶっ!?」

 

 

桂花の発言に反論したら頭突きが来た。超痛い。

 

 

「次、肌馬って言ったら殺すわよ」

「はいはい……っと」

 

 

んじゃ、盛りのついた雌猫……と言おうかと思ったけど止めた。二発目の頭突きが来そうだったから。

 

 

「ねぇ……前に言ってた愛美ってどんな娘だったの?」

「………急にどうした?」

 

 

何故このタイミングで愛美の事を聞くかなコイツは……

 

 

「教えて……お願い」

「………愛美は俺の大学の後輩だった」

 

 

抗議しようかと思ったけど桂花の真剣な眼差しに、この質問に意味があると思って俺は真面目に答えた。

 

 

「大学って前に北郷が話してた学校って奴?」

「一刀が行っていた所とはまた少し違うけどな。それぞれの分野を選考して学ぶ所かな。そんで愛美は俺の一つ下の娘だった」

 

 

同じサークルに居たって言っても分からんだろうからそこは割愛。

 

 

「そんで……2年くらいかな付き合ってたのは……俺の卒業間近に別れてな」

 

 

思い出してると段々辛くなってくるな……

 

 

「振ったの?」

「振られたの……愛美曰く、俺は運命の相手じゃないんだと……」

 

 

思い出したら凹んできた。桂花の柔肌に癒されよう……軽く抱き締めたら抵抗しなかった。驚きながらも素直に堪能する。

 

 

「運命の……って何よそれ」

「なんでも……夢を見たそうだ。その夢の中で、ある人とまた出会う約束をしたんだと。そして俺はその相手じゃないんだとさ」

 

 

当時の事を思い出すと中々に泣けてくる。桂花の胸の辺りに手を伸ばしたら抓られた。

 

 

「随分勝手な話なのね……アンタは納得したの?」

「しなかったさ……でも真面目な娘でそんな事を言い出す奴じゃなかったから本気なんだと感じてさ。魏の軍勢だと……凪に近い感じかな」

 

 

そう愛美は凪みたいに真面目な塊みたいな娘だった。それだけに真剣な思いだったと気付いて別れを受け入れたんだ。

 

 

「……最後の……質問なんだけど……」

「なんだ?」

 

 

桂花が少し俯いて最後の質問をすると言ってくる。これ以上何を話せと?

 

 

「その……愛美って娘と肉体的な関係はあったの?」

「…………」

 

 

これはいったいなんの拷問ですか?前の彼女の事を根掘り聞かれたと思えば、その手の関係まで聞かれたよ。

 

 

「………あったよ」

「………そう」

 

 

俺の答えにチャプンとお湯に顔を沈める桂花。いや、話をしてキツいのは俺なんだが。何が悲しくて今、好きな娘の前で前の彼女の話をせにゃならんのだ。

 

 

「私はもう行くわ。昨日仕事に集中できなかったから今日は仕事しなきゃだから」

「ああ……そう」

 

 

なんとも昨日関係を持ったってのにドライだねぇ。マジで無かった事にされたか?

 

 

「……ねぇ」

「ん、どうし……む」

 

 

五右衛門風呂から出ようとした桂花だが突然振り返ったかと思えば俺にキスしてきた。俺の肩に手を置いて抱き締めるように。

 

 

「ん……んちゅ……」

「……ん……は……」

 

 

 

なんとも情熱的に舌を絡めるキス。キスが終わって離れると俺と桂花の唇から銀の一筋の橋が出来上がったが直ぐにプツンと切れた。

 

 

「あ、あの……桂花?」

「あ、アンタは初めてじゃなかったかもだけど私は初めてだったの。で、でもアンタがこの世界に来てからの初めては私なんだからね!」

 

 

早口言葉で捲し立てる桂花に俺はやっと理解した。桂花は今までの俺を知らないから知ろうとした。聞くのも辛いだろう事をちゃんと口に出して質問した。今までの桂花じゃ考えられない。

今までの桂花なら天の邪鬼で聞こうともせずに拗ねるだけだったんだろうけど……一晩で素直になったもんだ。

 

 

「そ、それと……仕事が終わったらアンタの部屋に行くから……」

 

 

そう告げると脱衣所にダッシュ……と言うか脱兎した桂花。

最後の一言……お前は俺を萌え殺す気か。








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